教室での一幕3
風戸の一言はこの教室に衝撃をもたらした。
名門とも言われる癒世家の中に捨て子が居る。
その事実だけでも衝撃的なものであった。さらにそれは、光という人物を公のもとにさらけ出したということに他ならなかった。
「光が、捨て子ってどういうことだよ!」
「言ったとおりのままです」
健太は風戸に掴みかかる勢いで風戸に問い掛けていた。
教室に生徒からヒソヒソと会話が起こり始めていた。
「そんな事をここで言ってどうするつもりですか?」
光は何とか冷静に聞いた。
自分でも驚く程冷静になっていた。
「いえ、あなたのような無能者まで私達の家の名でちやほやされるのが許せなかったからここではっきりさせようと思ったまでです」
風戸は光を見下すようにたんたんと答えた。
ただの、嫌がらせか。
光は怒りよりも呆れが出ていた。光は今まで毎日のように人が耐えられないような事を受けてきた。そのため、今の光にとってはたいしてダメージはなかったのだ。
「そうですか」
光は一言だけ返した。
「あなた、何様のつもりですか」
風戸は明らかな怒りを表に出していた。
逆に光に見下されたように感じたためだ。
しかし、風戸はここで動かないでいた。
自身が光より優秀であるという自信とプライドが怒りの衝動を抑えていたからだ。
「と言われましても」
光は、そう返すしかなかった。
「ならば、あなたに決闘を申し込みます。そんなに自信があるのなら私を倒して見てください」
「えっ」
意外な言葉に光は多少驚いた。
「拒否権はありません。既に申請されています」
光の了承もなく言い捨てた。
(なっ、なんだって!?)
彼の言うことに光は理解するのに時間がかかった。
しかし光はここで初めて彼の狙いを知った。
(彼の狙いは、僕をこの学院から追い出すことだったんだ!?)
実力で決まるここ魔法院は、成績が一向に上がらなければ、退学にされるという決まりがあった。
ただでさえギリギリの光にとっては最悪の状況であった。
光の驚愕の顔を見てここにきて風戸は一番の笑みを浮かべた。
(まずいな・・・)
光は額に冷や汗を流しながら今後の事について考えていた。




