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教室での一幕 2

光が目を開けると見知らぬ天井が目に入った。

「あれ?僕は何でここに?確か・・・」

光は自分がこうなった経緯を思い返す。

「そうだ。誰かに後ろから殴られたんだっけ?」

意識が覚醒したためか頭の後ろが攻撃をくらったらしい場所が痛むのを自覚した。

そして思い出した。

(そうだ。僕は決闘に)

改めて辺りを見回す。そして辺りを見てここが保健室だとわかった。

白いカーテンに包まれ、薬品の匂いが鼻を刺激した。

「運ばれたんだ、僕」

シャッ。

「目が覚めたかしら」

そこに、カーテンを開けて黒いスーツを着た女性が入って来た。

整った顔立ちにスーツで強調される引き締まった体型が印象的だ。


「あ、あの、あなたは?」

光には心当たりはなかった。

「何だ、あの人からまだ聞いていないのね」

「あの人?」

心当たりがなかった。

「まあいいわ。ここで自己紹介させてもらうわ」

「私は、神無月、あなたの後見人よ」

「後見人?」

「簡単に言えば、あなたの新しい〝保護者〟という事よ」

「ええっ!?」

光はその言葉に驚いた。

神無月と名乗った女性は光のその様子に笑っていた。

「す、すいません」

「何、驚かない方が不思議だわ」

神無月は笑った。

「僕は、確か・・・・」

「ええ、決闘で敗けて、ここに運ばれたのよ」

「・・・敗けたか・・・」

ポツリと呟く。

光は、癒世家の分家と決闘して敗北したのだ。

「しかし、驚いたわ。あの癒世家の小僧と決闘で互角、いや、〝圧倒〟していたことがな」

神無月は感心した目で光を見ていた。

「こ、小僧?」

光は彼女の言葉に驚いた。

「ええ、あんな奴、私から見たら小僧よ」

言い方とは裏腹に毒舌な部分があった。

「ええ、私、ああゆう奴に対しては毒舌なの」

光の考えを見透かしたのか神無月は笑って答えた。


「圧倒なんてしてませんよ。現に敗けてここに居るんですから」

光は苦笑しながら両手を上げて降参のポーズをとった。

光が現在の状況になったのは今から一時間くらい前の事であった。

そして光は改めて思い出した。

あの時を。

癒世 風戸と名乗った学生は光を見下ろしていた。

一見すると普通に光に自分の名前を名乗ったように見えたが光は彼の〝目〟を見て感じた。

この人、僕を見下している。

他人には気づかないが光は義理の祖父から様々な事を学んでいた。その中で相手と対立した時に大事な事を教わっていた。その一つが〝相手の目を見る〟事であった。そのため、光には相手の事が理解できていた。相手の目を見れば相手の気持ち、考えをわかることができると言っていた義理の祖父の言葉が光の頭の中で響いていた。

しかし、風戸からは光が睨み付けられているように見えていた。

「何だい、その目は、君、バカにしてるのかい」

「い、いや、全然」

「まあいい。君が何をしようが意味ないからね」

風戸は光を見下すように言った。

「えーと、風戸さんは何故ここに?」

光は相手を逆撫でさせないように慎重に聞いた。

「何、そろそろ、家から追い出される無能者の顔を見にきただけですよ」

その言葉に教室が静まり返った。

「おい、光、どういうことだよ」

教室でただ一人、健太だけ訳がわからず光に聞いてきた。

光自身もいきなりの発言だったため事情を知っていたが混乱していた。

「教えてあげますよ。こいつは、幼少期に拾われた捨て子癒世家の子ではなく、癒世家の名を盾に生きてきた卑怯者ですよ」


風戸は光に突きつけるように〝わざとらしく〟この教室に響き渡るように喋った。

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