教室での一幕
目を開けると光は、再び、夢の中にいた。
「また、来たのか」
自然と口からこぼれる。
そして、光が辺りを見た。
そこはかつて見た夢で見た遺跡の祭壇であった。
「ここは、前にも来た」
光はかつて見た夢を思い出していたが違和感を覚えた。
「前は、あそこに誰かがいたはずなのに」
そう、かつて見た夢には一人の青年が祭壇の前にいた。
しかし、今回はそこに誰もいなく、光以外誰もいなかった。
光は祭壇の方に近づいていった。
近づいていくと祭壇には、一本の杖が刺さっていた。
杖といっても石でできた杖で、いくつかの細かい装飾が施されていた。
それを見ていた光は、何かに吸い寄せられるようにその杖に触れようとしていた。
(何でだろう?まるで僕を呼んでいるような)
そして、光がそれに触れようとした瞬間。
突然、杖が輝き出し、光の意識はそこで消えた。
再び目を開けた時には、いつも見馴れた天井があった。
「また、変な夢を見たなあ。一体、何なんだろう?」
日に日に増していく夢。そして、その夢はより鮮明になっていた。
わからないことが立て続けに起こっていた。
「まあ、その内にわかるかな?」
光はそのまま考え込んでいたが時間を見てすぐ様いつもの日課のために体を起こした。
魔法院の教室。
光は一人、教科書を読んでいた。
「よっ!光」
「ああ」
「お前って、がり勉か」
教科書を示した。
「実力がない分。知識をね」
光は苦笑しながら答えた。
魔力がないと判断された日から光はそれを補うためのことをひたすらにやってきた。今やっている事もその一つであった。そのため、ペーパーテストの成績は、中学では上位に位置していた。
「やっぱ、お前って、大変だな」
「ええ、無能者の悪足掻きですね」
突然、少年の声が光達に放たれた。
声のする方を見ると一人の男子がこっちの方に歩いて来た。
短く切った髪に整った顔立ちの男子がそこにいた。
「えっと、あなたは・・・・」
「無能者は、やはり無知ですね。分家の私の事も知らないとは」
光は分家という言葉に首を傾げていた。
分家の中の子に居たっけ?
光は記憶を巡らせても思い出せないでいた。
それは当たり前の事であった。
何故なら、光は、一度足りとも癒世家で分家の人達もとい家族として顔合わせすらさせて貰えてなかった。そして、唯一の顔合わせは癒世家の武術の稽古として分家や本家の子達の的やサンドバッグの代わりとして連れて来られた時だけであった。その時の記憶は痛みや苦痛によって下記消されていた。
思考していたが男子の声に思考を止められた。
「やはり、無能者は、無能者だ。私程の人を覚えていないとは、屈辱ですね」
「いいですか。貴方のような無能者にも分かりやすく教えてあげます。私は、癒世家の分家の一人、癒世 風戸です」
光は、この時、自分の立場が学院でも危ういと確信した。




