Disc1 Opening Track 夢
不思議な『夢』を見た。
お茶の間でテレビ画面に映った実況中継を鑑賞するように───私は夢の中で砂塵をあげている『自身の姿』を俯瞰していた。
私は──いつも通り『メイド服』に身を包んでいた。しかし、『何者か』と対峙しているようだった。
拳、肘、膝、足…八つの部位を……私は自在に操り、『何者か』───“異形の者”に『必殺の一撃』を繰り出していたのだ。
“異形の者”の体躯は私より二回りほど大きい。
表皮は砂漠の干上がった大地のように、乾ききっており……ところどころにコインサイズの『染み』が点在している。
おぼろげにしか視認できないものの───骸骨のようにこけきった顔つきで、私の拳サイズの白目が存在しない『三つの眼』がギョロリと私を見据えている。
しかし、そいつは醜悪な外見に似合わず、高尚な『神官』の正装を彷彿とさせる───光沢を乱反射している上等な『袈裟』を着込んでいた。
私は全身全霊をこめた右の『鉤突き』を、そいつのこけた左頬に放つ───しかし、そいつは私の右拳を受け止めようとせず……しわだらけの両手を広げて前方に伸ばす。
───キィーン!!
耳をつんざくような金属音が轟く!!───私の右拳はそいつの左頬にヒットする寸前……見えない『何か』に阻まれたようだ。その直後、そいつの体表は、ついさっきまでは存在しなかった淡く靄がかった緑色の『オーラ』のようなものに覆われ始めた。
今度はこれまたいつものメイド服に身を包み───私の後方に控えていた……“ベル”が、自身の身の丈ほどの『大剣』を両手に携え、こちらに駆け寄ってくる!!
私は斜め後ろにバックステップ!!───私と入れ替わる形で、今度はベルが『大剣』を豪快に振り被り……そいつの禿げあがった白髪だらけの頭蓋骨を砕かんとばかりに振り下ろす!!
“メイド長補佐”の───“ヴィーク”は奮迅している私たちを心配そうに……『細長い筒』のようなモノを構え……じっと息を潜めて、私とベルを遠間から見守っているように見える。
ここで、ベルの渾身の一振りが爆裂!! “異形の者”の体表を覆うオーラが一瞬……眩く光った!!……すると、そいつは「見事だ……」とでも言いたげに感心した表情を浮かべる。
そして……“異形の者”は太古の海に生息していたであろう──巨大なサメを彷彿とさせる無数の『ノコギリのような歯』が並んだ口を開いた。
『“伝説の勇者”が復活した……戯言ではなかったか…』




