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君に捧ぐ狂詩歌  作者:
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6/9

第二話(2)

「はーい!今行く!」

普段は出さない大きな声で言い放つ。重い足取りでリビングへ行き、席につく。そのままテレビでサブスクをつけてアニメを見る。

―今日も…カレーか…。俺がそこまで好きじゃないことなんてどうでもいいんだろう。

俺は出しそうになったため息を飲み込み、カレーを頬張る。

熱々で独特なにおいのルー。その味が染み込んだ具材の数々。

「はぁ~。疲れた。」

母親がざっと思いっきり椅子に座り、頬杖をつく。そしてティッシュの箱に立てかけたiPadから爆音の韓国ドラマを垂れ流す。

ーなに、“私が一番大変”みたいな顔してんだよ。

もしかしたら睨みつけていたかもしれないが、テレビで好きなアニメを見て少しでも気をそらす。

その後も、母とはほぼ会話を交わさず、寝る準備をしてベッドに飛び込む。

ー早く家から離れたい。

ーそのためには…。

枕元に充電中のAirPodsに目をやる。

ー歌で変われんのかな。

そう思いながら目をつむった。


土曜日になると約束の場所に私服姿の照屋がいた。

「おっすー!待った?」

「まぁ、一時間ぐらい。」

「そんなわけないでしょ!しかも女の子には『今来たとこ』でしょ?!」

「…女の子?」

「ぶん殴ろうか…?」

「冗談。」

こんな悪ふざけはいつもの恒例行事に近かった。

「今日はカラオケぶっ通しコース!どう?と・お・る・君?」

「言い方、うざい。」

「そんなツンツンしなさんな。年頃男子が出まくりだよ。」

「余計なお世話だって。」

そして、数分歩いたところにとても大きなカラオケのビルが建っていた。

「こんなに大きいとこ、初めてだ…。」

「まぁ、ここら辺だったら一番デカいのここぐらいだからね。すみませーん、予約してた照屋ですけどーー。」

手際よく受付している照屋に少し驚かされるが、理由はすぐ思い浮かんだ。

「流石、中三でも馬鹿みたいに遊んでた人は良く知っているようで…。」

「なぁに?嫌味かな?ま、先生に頼んだら推薦出してくれたからね~。透は、媚びるの下手だもんね。」

「そんなつもりないけど。」

「いやいや…。まぁいいや。ここだって、予約してた部屋。」

話しているとすぐについた。

「今回は、手厳しい採点の機種にしてるからねぇ、気張ってよ~?」

「俺、そんなうまくないって。」

そう言って、マイクを握った。

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