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君に捧ぐ狂詩歌  作者:
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2/9

第一話(1)

高校の入学式は桜が散った後だった。

漫画みたいに満開の桜の中を駆け抜けることはできなく少しテンションが低い。

―そんなことしねぇだろ。

そう自分にツッコミを入れた。

下駄箱には表が貼られており、クラスとそのクラスメートが載っていた。

―A組……影浦…透。

視線を下ろしていると俺の名前があった。そしてその少し下に見たことのある名前があった。

―照屋…晴夏。

俺の足取りは重くなったものの、やっとの思いで「1-A」と書かれた教室に入った。

出席番号が五番だったおかげで扉のすぐ隣であったとしても後ろの角の席に座ることができた。俺は独り、ヘッドホンから聞こえる曲に没入しながら突っ伏して寝ていた、とはいっても半分ぐらいは意識を保っている。ヘッドホン越しからでも聞こえてきたあの声はいつ聞いても慣れない。

「おはよー!みんな、よろしく!」

声の元に目をやると、みんなに視線を向けられてうれしそうにするあの照屋が映った。ゆっくりと体を起こすと、照屋が話しかけてきた。

「よっ!透!同じクラスだね。」

「…。」

「小中高でも一年生は同じクラス。運命だねぇ。」

「……。」

「えぇ無視?こんな美女がいるのに?」

「……自分で言うなよ。」

やっと口を動かし返答すると、照屋は満足げにフフンと笑った。

「やっと喋ったね。一年間よろしく~!」

「よろしく。」

そして俺は起きようと伸びをする。照屋は他のクラスでもよろしくと、言いに行ったのか廊下から同じように「おはよー!」が聞こえてくる。ヘッドホンを外し、カバンにしまうと隣の席に照屋のカバンが置かれているのが見えた。

―マジか…。

俺は大変で過酷な高校生活を覚悟した。

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