しかしひんにゅ…誰か来たようだ
「なーんだ。そうでしたか。やだリリィったら早とちり☆」
「いやお前のキャラの変わりようよ…」
「な に か ?」
「なんでもねぇよ…ラヴィーナってこんなんだっけか?」
あのあと激おこのリリィちゃんに中将が事細やかに説明して、やっとリリィちゃんはもとに戻った。
リリィちゃんとはそう、この砦のスーパーエリート白狼部隊所属の私の頼れる友人なのだ!
閣下からベリッと剥がされて、今はリリィちゃんに抱きつかれている状態です。
閣下?ちょっと不機嫌ですね…?
「また琥珀が私の居ないところで苛められたのかと思っちゃいまして☆ゆるしてにゃん☆」
「リリィちゃん、ちゃんと謝らなきゃだめだよ?それも可愛いけど。」
「閣下、中将に置かれましては私の勘違いで不快な思いをされたことを御詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした、以後気を付けますので何卒よろしくお願いいたします。」
「わぁ、かっこいいよリリィちゃん。」
「でしょ☆」
「うん、緩いなぁ…」
「それで、今回は何の用件で?まさか琥珀の昇進おめでとうの為に呼んだわけではないですよね?」
リリィちゃんはスイッチがパチパチ入れ替わるから見てて飽きない。
白に近い水色に真っ青なパッチリお目目。
身長は私の頭1つ分低い。
だけどもすらりと伸びた手足、真っ白い肌。
まるでお人形のよう、なのだがリリィちゃんこんな見た目から想像できないけども大規模広範囲殲滅魔法が大好きなのです。
威力もまぁまぁにやばいよ。
「うん、ラングレーの部屋についてだ。」
「部屋、ですか?」
「俺の直属の部下だから、扱いは白狼部隊と同じになる。だからこっちに引っ越してもらおうかと思ってな。1人じゃ寂しいかと同年代の女性と同室か個室かと迷ったが…同室で良いな?」
「はい!もち!もち!やった、琥珀のご飯たべれる!やったーーー!!!琥珀よろしく!」
「わぁ、リリィちゃんいいの?」
「うん、うん!琥珀と一緒なんて嬉しいよ!」
「おーい、喜んでるとこ申し訳ないが。ラングレーの隊服発注するからラヴィーナ採寸よろしく。そこの応接室つかっていいから。」
「はーい、いこ琥珀!」
「はい、脱いで♡」
「ナンデ!」
「いや、採寸だし?あ、下着は脱がなくてもいいから。」
「あ、はい。」
執務室の隣、応接室にて半裸になる私。
大丈夫大丈夫採寸だから痴女ではない、ないよね?
「ねぇ、琥珀。この色気の無い下着は何?」
「支給品です。」
「はぁ!?あんたここの支給品の下着使ってんの!?」
「え!駄目なの?」
「駄目じゃない、駄目じゃないけどっ…!」
なんて事無い話をしながらも、すごい速さで採寸していくリリィちゃん。
こちらにもメジャーはあるけど、専ら正確に計れる採寸魔法が主流です。
女性の嗜みってくらいには普及しているぞい!
自分で自分のサイズ計りたいときには便利だよね。
「はい、終わり。ウエスト細、ちゃんと食べてる?あとは身長ね、後ろ向いて。」
「はい!もりもり食べてるよ!あとダンケさんから紅蓮牛のカツサンド貰ってきたから、終わったら皆で食べようね?」
「やった、最高!」
くるりと体を反転させる。
背筋は確りと伸ばし、顎を引いて前を見る。
「は?あんたこの背中…なに?」
「えっ、なんかついてる?あ!リリィちゃんに聞きたいんだけど、姿もなく、気配もなく、いきなり雷撃落とせるような魔獣知らない?この間の出撃で思いっきり背中に喰らったんだよね。」
「いや、うん、もしかして何回かあったりした?」
「うん、雷撃だったり火傷とか毒も。」
「ふーん…成る程ねぇ。私じゃちょっとわからないから、閣下に聞いとくね☆あとちょっとじっとしてて。ん、おしまい。」
なんか紙?みたいなの背中にグイグイ擦られた。
え、なに、汗拭きですか?臭いですか?
「はい、採寸終わり。あとこっち向いて…うん、前髪切るよ。」
「えっ、だ、大丈夫だよ!」
「えー♡私琥珀の目がみたいなぁ♡」
「オナシャス!」
リリィちゃんの可愛らしさに負けて切ってしまった前髪。
リリィちゃんはこの目が好きだって言ってくれるけど、皆気持ち悪いって、不気味だって、言うから。
「はい、じゃあ前髪の処理よろしく。着替えたら出て来てね。」
「へーい。」
リリィちゃんは大規模広範囲殲滅魔法が大好きなのですが、繊細な魔法が苦手だ。
採寸魔法なんかは物凄い努力して身につけたらしいし。
だからこう小さな魔法は、加減が難しいらしく最悪砦がぶっ飛ぶレベルで暴発する。
そんなリリィちゃんは白狼部隊の攻撃先鋒です。
短くなって、視界が開けた。
慣れない視界に少し戸惑う。
どうかな、閣下は私の目気に入ってくれるかな。
なんて。




