こんらん して いるよう だ!
紅蓮牛。
超高温の体液を内した牛型の魔獣。
体液が超高温のため、このくっっっっっっっそ寒いノーデンの地でも凍えることなく動いている。
ぶっちゃけめっちゃ突進してくるよ。
しかし肉はものすごく美味しい!
体液が高温すぎて体液以下の温度じゃ火が入らない肉なんだけどね、魔法使えばこんがり焼けちゃうよねー。
しかも生でも食べられるくらい鮮度が持つんだよね、レアステーキめっちゃうまいよ。
紅蓮牛すごくない?
あと旨味、旨味の集合体か?ってくらいに味もよし、程よいさしもよし、捕獲しにくいヨシ!
「隠密行動ヨシ!(小声)」
見つかると厄介なリューグナーもムジョルニアも息を潜めて、紅蓮牛の事を思いつつ隠密最大限で乗り越えたお陰で、誰にも接触することなく執務室まで来ました。
来てしまいました。
この扉を見るのは2度目だけどもこう、あの、圧がすごいよね圧が。
よし、いくぞノックしてもしもし!
コンコン
「2等兵琥珀・ラングレー参りました。」
『入室を許可する。』
「失礼します。」
…あ、この扉取っ手がない!?
嘘でしょ、どうやって開けるの?
と、とりあえず押す?押しとく?
グイグイッ
開かない!?ナンデ!
「うん、こんにちはラングレー。」
「あ、はいこんにちは閣下。」
扉の前でわたわたしていると、この前と同様に中から閣下が開けてくださった。
「うん、ふふっ。ラングレー、どうしたの?」
「あの、扉開かなくて、その。これどこ押すんです?????」
「ここ。」
閣下が指差す先には認証解除型スクロールがあった。
いや、解りにくい!!!
登録済みと、許可証みたいな一時認識の2パターンで開くのか、ほーん細かいな。
まじまじと観察しているとまた閣下に嗅がれた。
「うん、うん。朝とちがうな。こっちも好きな匂いだ。」
やめて!!!!!!
あのあと閣下に嗅がれて、恥ずかしがる私と永遠に嗅ぎ続ける閣下を見かねた中将に止められるまで続いた。
「全く。おいハルト!本能が開きすぎだ、注意しろ。」
「うん、わざと。」
「尚悪いわ!あーおっほん、ラングレー2等兵。本日貴殿を呼び出したのは貴殿に辞令が下った。」
やっぱり依願退職か。
いや、ここよりもっと僻地に飛ばされるかな。
エキドナ観察係りとか?
「本日付けで貴殿を2階級特進、上等兵とする。」
「はっ!かしこま…へぁ!?」
「うん、おめでとうラングレー。」
「尚、所属はラインハルト・カスパー直属とする。」
「は、え、は?」
「うん、ラングレーの上司は俺になったわけだ。」
待って待って待って?????????
え?昇進して?配属先が閣下?ん?
ナンデ!
「おー見事にワケわからんって顔してんなぁ。」
「あ、はい、わかんないです????え?」
「詳細は省くが、宰相サマに優秀な人材はきっちり確保しとけって怒られてな。」
「うーんエーレンのやつ怖かったな…!」
「それはここの決済のせいだろうが…。んで、こないだお前書類の不備不正、気づいちまったもんなぁ?」
中将が強面を更に歪めて最早極悪人顔で笑いかけてくる。
「あれは気づかないほうがちょっと…」
「うん、俺たち知らなかったんだよ。」
「え?」
「俺達が赴任してきたのも、そもそも2年前何だぜ?規模のデケェこの砦を2人で把握しろって?土台無理な話だ。なんせこれでも俺達上級将校だからな。」
「うん、半年でほぼすべての部隊を把握済みなのは凄いぞ。」
「もう今すぐにでも白狼に引き込みたい位だ。」
「魔法も完璧に発動しているのも確認済み、魔獣に対する知識、経験、その他諸々合わせて考えても2階級特進じゃ収まらないんだ、流石ラングレー、すごいな。ん?ラングレー?」
視界がぼやける、目頭が熱い。
「わ、わたし、すごいですか?」
「うん。」
「わた、しのまほ、すごいですか?」
「うん。」
「うぅ…慎んでお受け致します。閣下よろしくお願いいたします。」
「よろしく俺のラングレー。期待しているぞ。」
期待と称賛、ずっとほしかったの。
だめだ、泣いちゃう、
「うわぁぁぁぁん!!!閣下、あの、ありが、ごさ」
「よしよし、好きなだけ泣いていいぞ。」
閣下はそう言って泣きじゃくる私をそっと抱き締めて、背中を擦ってくれた。
待って???なんかめっちゃ安心するんですけど?
まぁこの幸せは長くは続かない。
「しつれーしまぁす☆リリィ・ラヴィーナ参りましたぁ☆あれぇ?来客ちゅーですかぁ?また出直し…あ?おい、なに泣かせてんだよ閣下であろうとなかろうと平等にぶっ殺す。おい、いつまでもだきしめてねぇーで琥珀を離せやゴラァ!さっさとしねーとてめーのそのおきれいな面、2度と見させられねぇようにすんぞ????あ????」
「ずびっ…リリィちゃんお久しぶり。」
「やっほー☆」




