閣下、あの万年筆は食べ物ではないのでは…?
執務室。
この砦、牽いてはこの国の重要な情報が集まる場所と言えよう。
まさしくこのノーデン一帯で一番重要な所…のはずなんだけどぉ…。
「うわぁ…凄いですね。」
「うん、あのホント汚くてごめん。」
めちゃくちゃ高そうな執務机には書類、書類、書類。
応接机にも書類、書類、書類。
伝達魔法や記録魔法が在れど、やはり重要なものほど紙にも残しておくべきなのかな?
こんな書類の数、日本でも見たことないや…。
「だぁーーーー!もう疲れた!」
「俺もだよ。」
「だいたい国家予算決済ギリギリに出すなって話だぜ!?どいつもこいつも期日を守ればいいってもんだいじゃねーんだよ!!!んで、テメーは誰だ。」
「はっ!2等兵琥珀・ラングレーであります!執務中お邪魔いたします、シュロス・ヴァッサースバイアー中将様。」
シュロス・ヴァッサースバイアー
濃紺の刈り上げヘアーに深い紺碧の鋭い瞳と強面イケメン。
名門ヴァッサースバイアー公爵家の次男坊であり、この砦の副総司令であるお方。
ちなみにヴィオレッタ・リューグナーのリューグナー伯爵家よりも遥かに格上の公爵家である、やーいやーいザマーミロ!!!!
「あー…あのラングレーねぇ。」
「はい、落ちこぼれのラングレーです。」
「は、落ちこぼれ?いやお前は落ちこぼれって言うより…なんだハルト、その顔は。」
中将の言葉に隣に立つ閣下を見上げると、物凄く不機嫌な顔をしてた。
やだ、かわいい。
「うん?どんな顔だ?」
「はー…なるほどなぁ。そう言うことかぁ。」
「シス、1人で納得するな。」
「あ?てめーが自分で理解しねーと駄目なやつだからな?」
「だからそれを教えろ。」
「は?やなこった。」
け、険悪…?
「あ、あのー…ご飯は…」
「!!!!たべる!」
「おいハルト!食べるったてな、この書類をどうにかしねーとまじで間に合わねーぞ!また俺宰相様に怒られるだろうが!」
「くそがっ…ラングレーちょっと待ってくれ、な?」
「ハルト、これは?」
「んー、認可。」
「おい、この請求…どうにかならんのか?」
「必要とされてるが、本当なのかこれ。」
「だぁーー!くっそなんで俺とお前しかいねーんだここは!」
「今はラングレーもいるぞ。」
あれから30分程経過した。
ほんの少しずつではあるが、書類は片付いてきている。
が、如何せん全体量が多いためまだまだ書類は沢山ある。
わー大変そう…でもご飯はー?手錠はずしてー?
手持ち無沙汰になり、ふと足元の書類に目をやる。
するとそこには驚きの虚偽文章が書いてあった。
「は?演習のため実弾500発?エドガー隊?あのひと銃なんか使えないのに…?」
「隊員負傷見舞金?この人回復魔法得意じゃん?」
「給金交渉?風俗通い止めたら?」
「隊服支給申請?あー女の人にやぶられてたなー。」
「魔術見学のための旅費?見事に着服してんなー…」
「おいラングレー。それは事実か?」
「もふ、もんもーひ!!!!」
「ハルト!万年筆は食べ物ではない!!」




