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Ⅳ 僕等が普通に話したわけ。

「でも、初めてだよっ。人に練習風景見られたの。」

実依は、俊也の隣りに並んでにこっと笑った。

「家でも、小さい時もずっと見られないようにしてたんだよ。小学校の時の学芸会でおまえの演技は素人以下だって言われてね・・。下手だからもう見たくないってみんなに言われたの。」

実依はうるんだ瞳で俊也を見た。

「ここ、私の練習場なのになあ。ばれちゃったら、仕方ない。場所変えるよ…。」

実依は瞳にたまった涙をぬぐうとおどけて言った。

「なんで変えるの?。俺、毎日お前の演技見てやるから、変えるなよ。」

実依は演劇の天才だとか言われてねたまれてたんだろうな、あえて口に出さずに俊也は思った。


「見てくれるの?。」

実依は目を輝かせながら俊也に言った。

「お前がいいならだけど。おれは、お前の演技好きだし。」

“お前の演技好きだし”って言ったのに、“好きだし”の言葉が頭から離れない。

俺、告ってないよな?。


「ありがと。これからも、よろしくね。」

「こちらこそ、星夏実依さん。」

「なんでフルネーム?。」

「なんとなく。」

実依と俊也は向かい合って笑った。

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