第7話 干上がった海とアンティキティラ島の機械
初めて触れる地上の砂も、光も、最初は肌に刺すような痛みの感覚だった。
だが次第に体は慣れていき、チクチク刺すような痛みもなくなってきている。薬が効いてきたらしい。
「ヴィクトール、今から進む方向には海が有ったと書いてあります。地図通りに歩いていけば目標にたどり着けますが、海は簡単には越えられません。よもやオーパーツが海底にあるとしたらその場合は…」
「海がまだ深く、地形も変わってなかったらその時は考えよう。しかし、まったく変わっているということもないだろう。ここらには水もあるようだし、野宿するには環境がいいところはある程度探せるだろう」
「文献通りですと砂漠の夜は極寒とのことですから早めに移動したいですな」
リーダーと副リーダーはなんともなさそうに動いているが、その他自分を含めた隊員はほとんど暑さにやられそうだ。
地下は涼しい上に温度も安定しているからこのような気候は真面目な話で命取りになるだろう。
「ねぇリーダー、少し休みましょうや。もうみんなバテバテですぜ」
「む、すまないルカシュ。体を慣らすために少し歩くはずだったが、やはり気温差が激しいと問題が生じるな。いったん休もう」
「でも日陰もなんにもないんすよ?水のあるオアシスならいいスけど」
ルカシュに感謝するしかない。
隊長は信頼できる人物らしいが、なんだか自分を中心に物事を見ているのではないか。
みなで近くの木がかろうじて生えているオアシスまで足を運び、水に足を浸しながら腰をおろす。
それぞれが大荷物を抱えているなかでシャルロッテの個人の荷物だけは少なかった。
「シャルロッテさん、あなたの荷物、食料と水以外なにを持ってきたんですか?随分と少ないように見えるのですが…」
「んぁ〜?これは普段から使ってる道具とちょっとした工具だよ、それ以外は持ってきてないの」
「それだけでいいんですか?もっとその…」
「まぁ用意周到ってのもいいけど生き当たりばったりの冒険もいいんじゃないかなぁ〜って持論で持ってきてるわけ、それがどうしたのよ」
冒険するにも価値観の違いはやっぱり生まれるのか。
「素材があれば何でも作っていただけますか?」
「まぁなんでもってワケじゃないけどネ、たぶんできるよ」
「では早速作っていただきたいものがありまして…」
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「さすが『嚮導者』だな、日傘を作るとは!」
「作ったのはシャルロッテさんで私ではないです」
「みんなと同じでロッテでいいわよ、他人行儀なのはキライ」
「ではロッテさん、ありがとうございます」
「ほぼ変わってないしなんなら原型がほぼないじゃんか…」
大きな木の葉活用する、という手は日光の強い場所では良案だった。
もちろん日傘という存在を知っているものは隊の半分ほどしかいなかったが。
「それでは再出発といこうか。太陽が低い位置まできている、なるべく急ごう」
リーダーの掛け声とともに再び歩き出す。列の一番うしろではコンラートが「北東に3.6キロ、そこから…」と、今まで見た大体の地形を手元の地図に書いていた。
「ふむ、ここが海と呼ばれる場所…だったものですか」
だいぶ歩いた時に唐突にフィルムスが足を止めてそう言った。
海がどんなものかは読んだことがある。
果てしなく続く青に、ひしめき揺れる波…
しかし、目の前にあるのは地下洞窟にもあるような、静かな音を立てて流れる川だった。
「ふーむ、ここまで変わっているとは驚きだな。クリス、どう思う」
「たぶんリーダーが言っていた通り、地震とか気候の変化でここまで範囲が小さくなったのではないかしら?地層がわかれば地下の地震発生記録と照らし合わせられるけど、そんなことはできないのよね」
やはりそう考えるのが妥当だろうか。海が枯れるか埋まるかするほどの天変地異があったのか。
「まぁそうトゲトゲするな、私たちが探しているのは海ではなく海に守られていたオーパーツだ」
「そう、詳しく話していなかったが伝承の中にこんな文章がある。
'人は生命の海で古代の宝物を見つけた。ブロンズでこしらえられたその道具は、古代いかなる時であっても作ることのできない機械であった。人間はそれに島の名前を冠し
"アンティキティラ島の機械" と名付けたのである'
とね。
そしてそれを持ち帰り展示したわけだが、2100年代に突如としてなくなってしまい、残された台座には"海に還す"としか書いてなかったそうだ。我々はそれをエレヴニティスと呼んでいるけどね」
アンティキティラ島の機械…地上世界があったときにもオーパーツとされたものがあったのか。
「その機械の在り処は見当が付いている。あとは見付けるだけだ。そしてその海だった場所がこの砂漠というわけさ」
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ほどなくして"アンティキティラ島の機械"は見つかった。
それまで一言も発することのなかったヨナ・アルカイノが嬉々として砂から掘り出したのである。
付近には大きな魚の肋骨と思われる骨が砂に突き刺さり、その中央にヨナが座り込んでいた。
彼が抱えるオーパーツはすっかり錆びついているものの、バラバラになりかけの形を保ち、探検隊の知らない輝きを放っていた。
以上で第1のオーパーツ、アンティキティラ島の機械ゲットです!
「なんや地上探索めっちゃ楽やんかおもんな」と思った方!僕も「なんか足りんな」と思いました!
ホントだったらもっとレベル上げする必要があったんですけどなんだかここに来るまでが長すぎて調整しようとしたらこうなっちゃいました。
書きたいように書いてるせいです、すみません。
予告すると次のオーパーツはイタリアのあの名所です!
が、今回みたいなヌルい感じにはならないように気をつけます。でもあまり期待はしないでください…
あ、次回ということではなく、あくまで次のオーパーツなので、7話はアンティキティラの機械を使いオーパーツの場所を探る感じでいきたいと思います。




