第6話 砂と岩と希望
エレベーターから降りたあとの道は少し湿っぽかった。
岩石と固められた砂を見る限りあまり、地上は砂に覆われているらしい。動植物は期待できなさそうだ。
「よし、12人いるな。それでは各自遮光しゃこうき器を着けてくれ。進みながら今日求めるオーパーツについて説明していく。ついてきてくれ」
「リーダー、初っ端から手に入るくらい簡単なら、こんなに大人数で来る必要はないだろ」
「それはだね、ロッテ。今回渡された地図をみれば分かるけど、オーパーツは世界中に散らばっているんだ。
たまたま近くにあったというだけで、それ以外はほんとにバラバラなところにあるんだよ。できれば今日中に1つ見つけてそこから時間をかけて見つけていきたいね。」
地図を見てみると大まかな地上の図が描いてあった。
自分たちが今いるのはアフリカ大陸というところの一番上にいるらしい。ならば海が近いだろうから地下道を掘ったのは悪手ではないのだろうか。
「なんだか顔色が悪いぞぉ?拾い食いでもしたのかい?」
「…ルカシュさん、食べるどころか砂と石以外まだ何も見てませんよ」
「冗談に決まってるじゃないかぁ、連れないなぁ」
ルカシュと名乗った男がこちらを覗き込んでくる。
目線がピタリと合うが、何を考えているかは読み取れない。
「不安なことがあるなら言ってしまったほうがいいぞぉ?悪い食べ物は吐き出すに限るからな!」
「…では質問です。地図を見る限り、ここは大陸の境界ぎりぎりですぐ近くに海があるはずです。そんなところに…」
「地下道を掘ったら確かに浸水するだろうなぁ!そこんところはどうなんだいリーダー?」
言いかけた言葉をルカシュが引き取りリーダーに問いかける。
「あぁ、私もここを掘る時にその点心配した。
だが地震が起こりプレートが移動したこと、また砂漠が広まったとみられること。この2つから思うに海はこの地図に残るよりも遠くなっただろう。
さあ、出口に着いた。この岩を取り除けば地上に出るぞ」
周りは途中から粘土で固めてあり崩れないようになっていた。
目の前にある岩をどければ周りの砂が崩れ、出口が開けるのだろう。
「では空けるぞ?念のためフィルムスとマテオとレオナールは武器を準備して待機してくれ」
とうとう地上に出るのか。
700年ぶりに地上にでるという場面では不安は一切感じず、胸の高鳴りだけを感じていた。
ヴィクトールが岩をどけ、光が射し込む。
…
「…これからの冒険が始まる場所。これが地上か」
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横穴の中から大地を眺める。
人間が7世紀ぶりにみる景色は荒涼としていた。
見渡す限り、砂の山しかない。所々オアシスらしき場所が見えるが、それら以外には何も見えなかった。
「なんと言いますか…大地が緑で覆われている、というものとは懸け離れていますね」
クレマンの言う通り、定説では、地上は森林破壊がなくなったため、植物が生い茂っているというのが一番有力だった。
しかしそれは場所にもよるのだろう。もともと乾燥帯だった場所なら植物が育ちにくいのも納得だ。
「地下の砂礫や砂とはまた違う質感ね…砂粒1つ1つの大きさも細かくて意外かも」
「貴女あなたならやはりそこに着目しますよね。今まで教えてきたことがちゃんと伝わっていたようで何よりです」
クリスはフィルムスの教え子なのか。
以外な組み合わせだ。穏やかなフィルムスに対してクリスはなんだか圧が強い気がする。
気のせいかもしれないが。
「さて、先ほど話した通り、今日中に集めて欲しいオーパーツがある。
それは『エレヴニティス探索者』というオーパーツだ。
実は文献があまりのこっていないせいで、このオーパーツ以外で名前が明らかになっているものは片手で数えるほどしかない。だが、このエレヴニティスは他のオーパーツの特徴を記し、場所を教えるという逸話が残っている」
つまり地図に書かれているのはオーパーツがありそうな場所という予想とはるか昔の地形だけということか。
あまり役には立たなそうだなこの地図。
「そのオーパーツを求めて今から行動するわけだが、一つ気をつけてほしい。地上に出たことがない我々が直接肌に光線を浴びると瞬く間に弱って死んでしまうだろう。今から渡す薬を1日に1回欠かさず飲んでほしい」
薬を飲むだけでいいのか。思ったよりも楽でよかった。
「リーダー、質問」
「どうした?レオナール」
「俺の蟲達はどうすればいい?」
「げっお前虫なんて連れてきてんのかよ!」
シャルロッテ、あんた自己紹介で聞いてなかったのか。
確かに俺等と同じく地下性の蟲は太陽光に当たったらただれ死んでしまうだろうな。心配するのは無理もない。
「その蟲にも飲ませればいいだけだ。この薬は王室の薬剤師直々に作ってもらった。代えはないからくれぐれも無くさないようにしてくれ」
結構アバウトな説明だったな。少し大きめの瓶を渡され、栓を開ける。
瓶から一滴、薄い紫色の液体が出てきた。
飲むというより舐めるに等しかったが、これで太陽光の下動けるだろう。無くしてしまったらもう一度地下に戻らないといけないのか。油断はできない――
「それでは、地上奪還のために!行くぞっ!」
その日、700年ぶりに人間は地上に足を踏み込んだ
次回、初の地上オーパーツ入手です!
構想が練れたらすぐにメモ書きして整えて打ち込む、という形で執筆しているので、もう少し慣れたら文体もキャラクターも安定してくると思います。




