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▶️【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
 [第3章]ゴブリン・ライフは どこへ 行く...?
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057. 俺らと、イース市の変化

 前回の予告と違う内容でお送りします

 山へ入るところまで行けず…… m(_ _)m



……クソッ、邪魔が入りやがった!



 ◇


 一旦ログアウトして。昼飯食うとかしてから再ログイン。


……というわけでジンジュです。(めずら)しく、友達2人(ボーゼとえすと)の近くに転移しました。



「よ〜お前ら、先度(せんど)()りやのぉ」

「「(じじい)か!」」


 夏場の昼下がりにぴったりの、気持ちええツッコミや。

 んで。ウチの地元のお年寄りは、「久しぶりだな!」をこう言います。そこまで言うほど日数()ってない、てネタでもある。



 覚えてね、どこの試験(テスト)にも出ないけど。



 さておき、通知とか特になく。足元にはウチの兎やスライムらも(そろ)とる。



「んで〜、今日は何するん?」

「一瞬イース行くぞ」

「……はい?」



 あの、ボォーゼくぅぅぅぅぅぅン?


「お()昨日『当分、地上戻るほうが面倒くさなりそう』とか言うてなかった ?? 」

「事情変わってん。 ……まずお前、この()(およ)んでまだ調合キット()うてないやろ! おら()っとと行くど」

「アッはい」



 早速お(そな)えを用意しつつ、ボーゼは付け足す。


「あと、いつぞやの(イヌ)けしかけてった女子(おんなガキ)どもが『今日謝罪したい』とか言うてってな。今朝(けさ)(がた)急に」

「今朝ぁ !? ホンマ急やな〜」

「一応某SNS(リム)でも言うてんけど、お前通知切っとぉやん?」

「あ〜、毎度すまん。昨夜(ゆうべ)は見てんけどな〜……」



 アイドルとか野菜とか、夜中に(わっけ)分からん雑談の通知で起こされたことが、何回かあって。

……うっせぇわ間抜け野郎ども(ポテイトゥ)! 空気の前に時計読まんかい !!


 以来通知切っとる。グループ某SNSて面倒(めんど)くさいよな〜。



 さておき、あの女の子らか〜……関わりたないな〜!

 背後(バック)に何()いとぉか分からんし。


 でもな〜。ええ(とし)こいて「ごめん」の一言すら寄越(よこ)さへん、たぶんPKer(オトナ)な皆さんに比べたら、な〜。



 あ〜アカン、思い出したら腹立ってきた。

 (だぁれ)の隠れ()見つけて、爆破したろっかな〜……?



 ま、私怨(しえん)は置いといて。


「『ごめん』で済んだら警察()らんわ!」


とか言うけどさ。

 なるほど。警察とか弁護士とか、現実(リアル)からなくならへんわけや……!



 でもって、俺らのほうが歳上(としうえ)やし。

 真摯(しんし)な対応、返したなるよな〜!



 ◇


《「アインツ公国」東部の「イース市・中公園」に転移しました》



 数日ぶりの東の街(イース)は、スライムまみれでした。

……増えてる!


 まぁ、お隣:始まりの街(アインツ)ん時に比べたら、まだまだ数は少ないけど。

 その分彩り豊か(カラフル)で、1匹1匹が大きなっとる気がする。どっかで進化したんやろな〜、ウチの子らみたいに。



 んで。ここでスライム()れとっても、そんな目立たんわな。

 ボーゼの


「事情変わってん」


て、これも()まえた話なんかな?



 ◇


 イース市の都心:中公園から西へ、10分弱歩いて。目的の薬局(やっきょく)に着いた。

 相っ変わらず、薬局て分かりにくい。



「おってやおってや。 ……こんちはー!」

「うるせぇな!」


 ガタつく引き戸開けながら、えすとが元気よくご挨拶(あいさつ)。それに苦笑い返しとる店主(てんしゅ)さんとの、温度差よ……



 とりあえず、俺らも挨拶しとこか。



「「こんちは〜」」

「おう、今日は(なん)だい(でぇ)?」

「〈調合〉の初級キットてあります? コイツが始めるらしいんでー」

「お〜い、他人(ヒト)指差すなや」


 一応、小声でえすとにツッコんどく。たぶん意味ないけど。

 これでやめるんやったら、そもそもやってないやろ?



「これか? 300マニな」

「げ。足らん……」


 店主さん、中身の詰まった半透明の箱を見せてきた。

 ほんでど~も、所持金見ずに来たアホです。でも200マニ台やったんは覚えとる。



 ……うん、228マニや。足らん!

 冒険者組合(ユニオン)の口座から、なんぼか()ろさな、な〜……。


「……後払い(ツケ)でもいいぜ?」

「それやると忘れそうなんで。取り置きお願いできますか?」

「あいよー」



 店主さんの返事(もろ)たとこで、牛柄の兎(とがの)ツヤツヤスライム(はっさく)にも、1個聞く。


「走るけど、来る?」

「ふす……」

「きゅいきゅい……」



 両者拒否。でしょうね。

 ほな、店主さんにもう1個……


「……この子ら、ここで待たせても大丈夫ですか?」

「てやんでぇ、(こま)けぇ(こた)ぁいいよ! ちゃちゃっと行ってやんねぇ」

ありがとうございます(アザーッス)! すぐ戻ります !! 」



 ◇


 一礼して、薬局出て。

 冒険者組合(シーカーズ・ユニオン)イース出張所まで走った。ボーゼとえすともすぐ追いついてきた。



 列並んで順番待ち。そこでついでに、思うとこがあった。

 えすとが声(ひそ)めて言う。


根の国の組合(した)でも口座作れたよなー? ほなあっちにも分けて預けといたほうが、後々楽なんちゃう……?」

「「ホンマやな」」



 今みたいに、いちいち取りに行かんでええし。もしもの時のリスク分散にもなる。



 ……てわけで。(あず)けとった1000マニから、半分の500マニ下ろしてった。

 2人も(カネ)下ろしよったから、ちょっと時間(ヒマ)食うてもたな……。



《所持金残高:728マニ》



 ◇


「おいボーゼ! 『地下墓地のボス』って何だ説明s……」

「また今度(こんど)なぁ !! 今(いそが)しねんッ !!! 」


 薬局戻る途中、ボーゼが気の毒やった。通りすがりの異人(プレーヤー)さんらから、10回ぐらい(おんな)し事()かれとった。



構わ(かま)へん、いつもの事や」

「定着さすな、そんなもん……」


とか何とか言いながら、薬局ん中に入る。



「すんませんお待たせしました! お代です !! 」

「1, 2, 300マニ……たしかに。あとこれ、おまけな」

「あ~、ありがとうございます〜」


 調合キットの箱に紙袋1つつけて、店主さんがこっちに渡してきた。

 ほんで通知来た。


《「初級調合キット一式」および「初級回復草」1束を入手しました》

《所持金残高:428マニ》



「お(めぇ)ら何かあるか?」

「今日は大丈夫です。ほなまた来ます」

「おう、気ぃつけろぃ」

「「「ありがとうございまし(アザシ)たー!」」」



 んで、店出てから気ぃついてんけど。兎らスライムらが何か食うとる。


「……あ、(あめ)貰たんか〜」

「ふすふす」

美味(うま)い?」

「きゅい!」

「ちゃ〜んとお礼言うた?」

「ふんす!」

「きゅいきゅい!」

「さよか。(えら)いな〜お前ら、よしよし……」


 ホンマにありがとうございます〜!



 ◇


 ほな次は、狼けしかけてきた子らか。

 薬局から5分ほど、南東へ歩いて。目的の店らしい建物に入った。


 その名も“カフェ コーヒー”やて!



「……不安や。(はなは)だぼんやりとした不安〜」

「「ボケん(ツッコむ)なボケんな」」


 ()な予感する。

 あの件の謝罪て、普通に考えたらもっとこう、人の少ないお店とか、個室のあるお店とかでする話やと、俺は思うねん。



「……じゃっあ〜、カラメル緑茶(グリーンティー)フラペチーノのぉ、ライトでぇ」


 こんな注文聞こえてくる、大通り沿いの開放的な店でするもんやない……て思うんやけど。

 それでもここ選ぶ理由として、考えられる向こうの人物像は2つ。



 1つは、このご時世に「プライバシー」て概念がない人。

 飯やら服やら、何でもかんでも世界(ネット)にばら()かな気ぃ済まんヤツ、おるよな? ああいう人な。

 心配せんでも誰も見てねぇよ、間抜け野郎(ポティトゥ)


 もう1つは、誰かを公開処刑しようとしとる人。

 俺らか向こうか、誰(ねろ)とるんか知らんけど。()げ足取ったり「過去の所業」を暴露したりして、(おとし)めようとしとるヤツや。

 こん中でも特にヤバいんは、「(けな)せるなら誰でもいい」とか思とる人やろな。人殺しと一緒で、無差別が一番(いっちゃん)タチ悪い。



 どっちみち(ろく)でもない。関わりたくない相手やわ。

 はぁ〜、(だっっる)ぅ……



「ギリギリなってもたな……すんませぇん、注文お願いします!」

「はーい!」


 ボーゼがボヤいてから、カウンターの店員さんに声かけよる。



「ご注文お(うかが)いします」

「アイスティーフラペチーノのヘビー1つ」



 ……アッしもた、呪文知ら〜ん! こんな日来るとは思てなかった……

 仕方(しゃあ)ないな、普通に聞こ。


「ご注文お伺いしまーす」

「すんません、冷たい抹茶ラテてあります?」

「アイス抹茶フラペチーノですね。大きさ(サイズ)は?」

「一番小さいので」

軽量(ライト)ですねー。トッピングは?」

「なしでお願いします」

(かしこ)まりましたー」


 何とかなったわ。ありがたや〜!

……いやいや、今それそんなに問題やないよな。それより先方(せんぽう)は〜……?



 なんかしれっと 知゛ら゛ん゛女゛の゛人゛と゛お゛る゛ぅ゛〜゛!!?



 誰やろ? 親御(おやご)さんか…… ??



 ◇


《所持金残高:422マニ》



 貰う物貰て。(はら)物払(はろ)て。

 先方の待っとる8人席へ。



「「「失礼します!」」」

「どうぞ。お()けください」


 席()いて、挨拶もそこそこに。向こうの女の人が喋りだした。



異人(プレイヤーズ)ギルド『あらた四季(しき)(むら)』の代表(ギルドマスター)代行(だいこう)をさせていただいております、『ウリン』と申します。

 本来、代表(ギルドマスター)副代表(サブマスター)がご挨拶に伺うべきところ、多忙につきこのような形になってしまい、誠に申し訳ありません」


 (なが)口上(こうじょう)よりも友達2人の反応を気にしてました。こちらこそ申し訳ございません。

 (なん)せギルド名聞いた一瞬、2人ともえらい顔しとったからな。()表情(ひょうじょう)てやつ。


 よっぽどヤバい人ららしい。



 あと、多様な疑問が。

 これ代表出てこなアカンほどの大事(おおごと)かなぁ? とか。副代表と代表代行て、どっちのが偉いんやろ? とか。



 ……まぁ、とりあえず。狼らが元気そうで何より。


 いや、元々毛並みはよかってん。よぉ〜お手入れしとってんやろな〜。

 ブラッシングの仕方とか、むしろ俺が(おそ)わるべきことも多そうや。

 でも反面、狼らが飼い主2人に(おび)えて、ちょっと距離取っとるようにも見えたんよな。平気で大声出したりしとったからかな〜?



 それが今日は、めっちゃ距離近い。怯えるどころか(なつ)いとる、そらもうベッタベタにな。

 よかった。何よりやで〜。



「ふふっ……ちょっ、やめて。くすぐったいよ、バルザック〜」



 んいや ご っ つ い 名 前 !


 え、昔の海外作家さんやんな? 名前(いか)つ〜……



 ◇


「本日は誠にありがとうございました」

「いえいえ。そちらこそ気ぃつけて」


 俺らそれぞれの不安やら警戒やらをよそに、話し合いは何事もなく終わった。

 ……いや、細かいのはあったか。土下座されそうになって、慌てて止めたりとかな。



 まぁでも、「何でもかんでも世界にばら撒かな気ぃ済まん」とか、「揚げ足取ったり『過去の所業』を暴露したりして、貶めようとしとる」とか、そんなことなかったわ。

 誰や〜、そんな邪推(じゃすい)したヤツ〜?



 い や 俺゛ぇ゛!  すいませんでした〜 !!



「……よし、間に()うた」

「え? 何が ?? 」

「おうお前ら、フダノ(つじ)戻るど!」

「は~い」


 ボーゼの(つぶや)きに反応するえすとと、それを無視するボーゼ。

 ほなまた、お供え用意して。



《「根の国」南部の「フナイ市・フダノ辻」に転移しました》



 「根の国商工(しょうこう)組合(くみあい)本部」で、口座作ってもろて。入金して。



《所持金残高:122マニ》



「ッシャア! これで当分地上(うえ)行かんでええな。ほな食らえ、情報爆弾ッ!」


 ボーゼが妙なこと言うた次の瞬間、また通知が。



『異人「ボーゼ」率いるPT(パーティー)「お城と……横顔新◯線やー!」が、異人で初めて「根の国」に到達しました』



「……はい〜? 何で今それ来るん ??? 」

「最大24時間保留できるからな。はぁ(あぶ)な、ギリ5分前やったわ」

「そこまで“5分前行動”気にせんでええやろー……」



 まぁ、そんなんどうでもええか。それより……



「んで〜? この後何すんのん ?? もう解散 ??? 」

「早い早い、あっちの山登るど」


 そない言うて、ボーゼが東やや北寄りを指差す。現実(リアル)やと、俺らの家の方角や。



 川向こうなんが面倒(めんど)くさいけど。

 たしかに気になる。どないなっとんやろ〜?



「「了解(りょーかーい)」」



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は7/20(月)頃の予定です。ジンジュくん、今度こそ根の国の山へ……?



【追記】一部加筆/修正しました

(2026/07/07)



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