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▶️【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
 [第3章]ゴブリン・ライフは どこへ 行く...?
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053. 俺らと、地下の首都(?)

 お待たせしました、更新で〜す



 ◇


 ジンジュです。知らん街からこんにちは〜。

……いや、仕方(しゃあ)ないやん。ここ来たばっかりやで? 俺ら。


 とりあえず、まず橋渡(わた)って、「キビグチ門」て門の前で検問(けんもん)待ちです。



 せやねん、橋あんねん。お堀(ほり)や思とったら川やった。

 そんな“フナイ川”の“フナイ橋”渡ったら、石碑(せきひ)が1本建っとる。「根之(ねの)国(くに)道路(どうろ)元標(げんぴょう)」やて。


……何それ?



「きゅきゅ?」

「きゅい?」

「「きゅえ〜い!」」


 ん~……分からん。連(つ)れのスライムらが触手伸ばして、物(もの)珍(めずら)しそうにペチペチしとるん以外は。



 あ、せや。こんな時は【鑑定(かんてい)】〜!



―――――

???石 Lv.―

(分類)素材

 根の国内陸部で採(と)れる岩石。


 HP:―   MP:―

―――――



 ク゛ソ゛か゛〜゛ッ゛!!

 素材聞いとん違(ちゃ)うわい! もうええわ !!!



 ◇


「ほな儂(ワシ)らこっちやから」

「「「ありがとうございましたー!」」」

「「どういたしまして〜」」


 ここまで案内してもろたゴブリンさんとレッサートロールさんは、門の横の詰所(つめしょ)に入ったった。

 んで、お2人と同(おんな)し恰好(カッコ)しとってのおっちゃんらが、検問とか門の見張りとかしとってや。



「気ぃつけてな〜。 ……ほな次の方、ど〜ぞ〜」

「へぇッしょい! チクショー……」


 門番のおっちゃんら全員、ゴブリンとかトロールで。つまり、見慣れん緑色の肌した人らばっかりなんやけど〜。


 なんか落ち着く。

 それも検問やのに、やで? でもな〜んか落ち着くねん、アインツとかイースとかのそれより。



 関西弁の、柔らかさ感じる言葉遣(づか)いとか。門番さんがくしゃみしとるぐらいの余裕とかが、そない感じさせるんかな?

 


「ほな気ぃつけて。 ……はい次の方、どーぞ」


 お、もう順番か。くしゃみの門番さんが呼んどってや。

 いっつも通り冒険者組合員証(シーカーズ・カード)で……行けるんかこれ?



「「「お願いしまーす」」」


 あ、受け取ってもらえたな。



「おろ? 見いひん顔やね。君らどっから来たん?」

「地上(うえ)の国です」

「上かー…………異人さん?」

「はい」


 門番さんの質問に、ボーゼが淡々(たんたん)と答えよる。

 んで今、「その組み合わせで……?」とか言いたそうな変な間(ま)、あったな〜。



 いや、たしかに変な組み合わせやけど。

 獣人とエルフ・ゴブリンの3人組、他に見たことないし。さらに兎(ウサギ)・鼠(ネズミ)・スライム連れ歩いとる、て……



「ふす……」

「チュピ?」


 冷静に考えたら、俺ら何しとんやろな……?



「一応聞いとくけど、目的はー?」

「観光と短期(たんき)就労(しゅうろう)です」

「まぁせやろなー」


 聞きながら、門番さんが細長い紙に何か書いて、判子(はんこ)押しよってや。

 本に挟(はさ)む栞(しおり)……より、一回りデカいんが3枚。何やろこれ……?



「はい。ほな組合員証(カード)とその紙持って、“フダノ辻(つじ)”の『組合(くみあい)本部(ほんぶ)』て書いたある所(とこ)行き」

「「「ありがとうございまーす!」」」

「ほな気ぃつけて。 ……はい次の方、どーぞ」



 んで。

 街入ってすぐ、お経(きょう)と木魚(もくぎょ)の音が聞こえてった。



「お? どっかで法事(ほうじ)か葬式(そうしき)しとってんか?」

「ホンマやなー、細(こま)か……」


 友達2人(ボーゼとえすと)が感心しとる……いやちょお待て、何(なーん)かおかしい。



 木魚の音、こんな金属感あったっけ?



……とか思とったら、たまたますれ違(ちご)たミニゴブリンくんが叫びだした。


「かんにーだいぼーさ」

「しーっ、静かにしぃ!」



 んで、保護者らしきゴブリンさんに叱(しか)られとる。



「門前(もんぜん)の小僧(こぞう)、習わぬ経を読み……てやつー?」

「「たぶん違う」」


 えすとの感想? にツッコんだ直後、変な音がした。

 読(ど)経(きょう)と木魚の音に混(ま)じって、急にカーッ! て感じの、乾いた音が。



「「「はい?」」」

「ぴすぅ !? 」



 あ、またや……てか連打 !?



「ふんす?」

「ぴすぴす!」


 あっヤバ……兎2羽(レティシアととがの)、ご機嫌(きげん)斜(なな)め。苦手な音らしい。

 もうちょい離れとこ。



「えぇー……な、何叩(たた)いとってなん?」

「知ら〜ん。何やこれ……」

「……おぉ、アレか!」

「「どれや?」」


 えすとと2人で頭抱えとったら、ボーゼがポンて手ぇ打った。

 で、なんか外部検索しだして……画面見せてきた。



「これこれこれ。馬の顎(アゴ)の骨乾かして叩いたら、こういう音するねんて。キハーダとかジョボーンとかいう楽器らしい」

「へぇー……どこに何使(つこ)とってん ?? 」

「ホンマそれな〜……」



 見せられた画面の中で、知らん婆(ばあ)ちゃんがその楽器叩いとる。


『ハンバァ〜グ!』


て叫びながら。



 いや誰 ?? 何 ??? 喧(やかま)しな〜……。



……ん !? せや、思い出した!



「これ、木魚も木魚の音違うな。カウベルか〜?」

「「カウベルぅ ??? 」」


 牛とか、デカい家畜の首につけるから「カウベル」て言うんやて。そういう楽器や。

 けど、読経に使うんは初耳。何でや、何でそうなった……?



 分かんね。次行こ。



 ◇


 街入って十数分、大通りを道なりに歩いとる。

 道なりのはずやのに、途中2回曲がった。いかにも城(じょう)下(か)町(まち)、て感じやな。


 ややこしや……



 んで、2回目に曲がった辺りから、建物が変わった。江戸時代風の1階建て(ひらや)から、中華風の2階建てに。



「朱塗(しゅぬ)りの柱……やめろファンフリ、その攻撃は俺に 効゛く゛ぅ゛〜゛」

「魔除(まよ)け効いてて草」

「お前らなー……」


 えすとにツッコませる作戦、失敗〜。



 ……しょうもないネタは置いとこ。

 大丈夫! 視界に赤色が多うて、目ぇ疲(つか)れとるだけやから……



「人多いな、てか侍(サムライ)と忍者(ニンジャ)多すぎやろ」

「う〜わホンマや、お店多いのに。商人さんどこ行ってん?」

「つか待てー、右腕だけ丸太みたいに太(ぶっと)いお侍さんらは何……?」

「そら弓兵(きゅうへい)や。幼少期(ガキのころ)から弓引いとったらああなるらしい」


 えすとの疑問にボーゼが答えよr……左腕太い人もおるな !? へぇ~……。



「あとさ〜、忍者て忍(しの)ばんでええん? その辺でしれ〜っと串(くし)団子(だんご)売ったり、三味線(しゃみせん)弾(ひ)いたりしとってやけど……」

「あれウケ狙いやろ、主に海外向けの」

「そう? 外人さんに『頭30年前で止まってんの?』とか言われそうやけど〜」

「「何ちゅうこと言うねん」」


 30年ぐらい前までは、「◯◯人はこれが好き!」みたいな話が色々あったらしい。

 けど自動翻訳機能が発達して、「そんなん全部嘘(ウソ)や!」て話に今なっとるから。



 誰に何がウケるんか? も、何が叩かれるんか? も、もう誰にも分からん。面倒(めんど)くさい世の中や。

 多様性とか個性とか言うて躁(はしゃ)げる偉(えら)いさんらが、ちょっと羨(うらや)ましいわ〜……



 ◇


「お、え◯そばの屋台(やたい)あるやん。駅ないのに」

「「ツッコむなツッコむな」」


 街道の左側、てろてろ歩いとるうちに。よぉ〜混んどる交差点の前まで来た。

 交差点の斜向(はすむ)かい――たぶん南東側――に、「組合本部」て看板上げとる建物がある。



「目的地周辺です。案内(ガイド)を終了しm」

「「それやめい!」」


 ボーゼの奇声に、えすとと苦情(クレーム)入れといて……



《根の国の首都「フナイ市・フダノ辻」の入口(ポータル)が開放されました。復活地点に設定できます》



「おっ何 !? 」

「急に通知来るやーん」

「通知か、あ~ビックリした……」

「てかここ首都なんや、ふーん」

「へぇ~……地の底にも都(みやこ)の候(さぶろう)ぞ」

「「もうええてそれ……」」


 愚痴(ブー)垂れながら、ふと交差点の向こう、北東側見たら。

 チマチマ何か書いた看板が、十数本立っとる。



 お、あれが噂(うわさ)の高札(こうさつ)場(ば)……?



「あ~、それで“札(フダ)ノ辻”なんか〜」

「んー、何かあった?」

「交差点の向こうのあそこ、沢山(よぉさん)看板立っとるやん?」

「せやな」


 ………

 ……

 …



 とりあえず交差点渡りよったら、左にお城が見えるんやけど。


「ここ大◯前(おお・まえ)通りー?」

「ん〜……違(ちゃ)うんちゃう、狭いし」

「大◯守(だい・んしゅ)が微(び)妙(みょう)にこっち向いてないよな。一本向こうか?」

「……見に行くー?」

「「了解(りょーかーい)」」



 あ、その前に。高札場の看板は見てこか〜。



「え~と、“府(ふ)中(ちゅう)偃武(えんぶ)之(の)事(こと)”、“魚積(うおづみ)屋(や)與四(よし)朗(ろう)切腹之事”……」

「「なんか物騒(ぶっそう)やな……」」


 色々書いてあるな〜。

 で、多分これ、お役所系の掲示板なんやろな。いや知らんけど。



 あっせや、【鑑定】したら現代(げんだい)語(ご)訳(やく)してくれるとか〜……?



―――――

??? Lv.―

(分類)素材

 根の国で採(と)れる木材。


 HP:―   MP:―

―――――



……ですよね~!



 ほな、目的地「組合本部」を一旦通り過ぎて。「フダノ辻」の次、1つ東の交差点へ。



 ◇


「おぉ、これやこれ……いや狭ない?」

「てか大◯守傾(かたむ)いてねー?」

「んで、えらいガラガラやな〜この道……」


 ボーゼの予想通り、お城の角度にめちゃくちゃ見覚えがある。某駅からお城行く途中、こう見えるよな。

……いやごめん、こっちの大天守は斜め右に傾いとるわ。本家はまっすぐ建っとる、安心して見に来(き)いや〜。



 んで、通りの雰(ふん)囲気(いき)も全然違(ちご)た。お城とここの交差点以外、全部1階建て(ひらや)やし、人通りも少ない。

 しかも狭い。自動車(クルマ)2台が無理矢理すれ違えるかどうか? て感じ。


「空港でも作るんか?」


とは、誰も言わんやろな。



 ……待て、おかしいんは滑走(かっそう)路(ろ)と間違われる大通りのほうやな?

 これが普通、これが普通…………



「ふす?」


 あと、感想バラッバラやな〜。いっつも通りやけど……。



 ◇


「フナイ宿(じゅく)本陣(ほんじん)、ヨネヤ洋品店(ようひんてん)、サクラヤ呉服(ごふく)店(てん)……色んな店あるなー」

「「ホンマやな〜」」



 来た道ちょっと戻って、さっきの「組合本部」て書いた建物の前。

 看板よぉ〜見たら、左に小(ち)っちゃく


「根之国

  商工(しょうこう)」


て書いてある。


 つまりここ、俺ら冒険者(シーカー)の組合やない。“根の国商工組合”の本部らしい。



「ん〜? 俺ここ入ってええんか ?? 」

「ええん違う? どうよ有識者(ゆうしきしゃ)ー」

「有識者言うな」


 えすとがボーゼに話振りよる。ゲームの有識者、自慢の友達です。



「まぁ行けるやろ。よそのゲーム(べつゲー)に、冒険者・商業・職人、全部来い! てギルドあるし。ここもそれ違う? 知らんけど」

「へぇー」

「奥が深いなぁ〜」

「「深ない深ない」」


 ツッコミありがとう。ほな中へ。



 ◇


「たのもーッ! ……あ痛(だ)っ」

「喧(やかま)し」

「やめろや〜、こっ恥(ぱ)ずかしい……」


 急に大声出したえすとをしばきながら、建物の中へ。

 内装(ないそう)は古(こ)民家(みんか)カフェっぽい。小(こ)洒落(じゃれ)とんな〜、でもそれがええ。



「……で、新宅(しんたく)は元気しとって?」

「うん、別状(べっちょ)ないって〜」


 あと、受付(カウンター)の前に並(なら)んどって(?)の、知らんおばちゃん2人組――ゴブリンの、やけど――の会話が。



 ウ チ の 親(しん) 戚(せき) 筋(すじ) の そ れ 。



……すいやせん、今ビビりやした。



 いや……ウチの親戚に限らず、地元周辺の人からやったら聞けると思うけど。特に農村(のうそん)部(ぶ)で、な。



 あと、“新宅”言うたら


「新築(しんちく)の家?」


て思う人多いやろけど。

 地元ら辺(へん)やと「分家(ぶんけ)」て意味で使う人多いで。古い家の人らにも使(つこ)とってやしな。


……て言うても、俺ら世代はほぼ使てないけどな。“第2次方言ブーム”とか、俺ら生まれる前の話やし。



 んな話、今要(い)らんよな !? ごめんごめん……



「あらいらっしゃい、登録?」

「はい、異人です」

「はいはい、ちょお待っとってね〜」


 俺らに気ぃついたお2人が、受付に入ったった。お客さんやない、職員さんらしい。



「ほんで、君(きみ)らどっから来たん?」

「地上の国(うえ)です」

「上か〜。ほなそこの組合員(くみあいいん)証(しょう)とか持っとる?」

「はい」



 あ〜、早速手続き入るんすね。了解ッス!



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は5/5(火・祝)頃の予定です。ジンジュくん、根の国で初のクエストへ……?



【追記】一部加筆/修正しました

(2026/05/13)



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