表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▶️【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
 [第3章]ゴブリン・ライフは どこへ 行く...?
64/66

054. 土の下にも、クエストその他の候ぞ...

 長らくお待たせしました、更新です m(_ _)m



※前回(054.)一部加筆・修正しました

 まだの人は先にそちらをお読みください……



 ◆


 ジンジュです。引き続き地下の首都(?)から、こんちは〜!


 友達2人(ボーゼ・えすと)と、(ウサギ)ら引き連れて。“フナイ市”て街の「()(くに)商工(しょうこう)組合(くみあい)本部(ほんぶ)」に入った(とこ)です。

 内装が古民家カフェとか、喫茶店サテンとかっぽい。落ち着くぅ〜。



「……で、新宅(しんたく)は元気しとって?」

「うん、別状(べっちょ)ないって〜」


 あと、受付(カウンター)の前に(なら)んどった、知らんおばちゃんゴブリン2人組(コンビ)が、受付担当の職員さんでした。



「ほんで、(きみ)らどっから来たん?」

地上の国(うえ)です」

「上か〜。ほなそこの組合員(くみあいいん)(しょう)とか持っとる?」

「はい」

「まぁまぁ、立ち話もなんやし。ここ(すわ)り」

「「「ありがとうございます(アザーッス)、失礼します!」」」


 ………

 ……

 …



 ◇


 職員さん2人の質問に、(おも)にボーゼが答えて。

 ()水晶(すいしょう)冒険者組合員証(シーカーズ・カード)(かざ)したり、書類読んだり書いたりしとったら、手続き終わった。



《初級任務(ミッション)「商工組合に登録しよう!」をクリアしました。以下の条件が満たされています》

《職業“生産者(調合(ちょうごう)())”が【副業】に登録されました。転職が可能です》

《称号〈見習い調合師〉を取得しました》



 こうしてまた1人、新たな調合師が生まれた。

……調合キット、まだ持ってないけど! ()よ買え。



 んで、何で調合師なんか? て話。



(にい)ちゃん頭良さそうやし、薬草(やくそう)採取(さいしゅ)やってみぃひん?」

「え〜、(あぶ)なないですか? 僕ド素人(しろうと)ですけど……」

「そない言える子にこそ、お願いしたいんよ。そこで『はい、やります!』言うてた子らがエラい目に()うん、仰山(ぎょーさん)見たからね〜」


 職員さんに聞かれて、正直に答えたら。

 逆に(こう)感触(かんしょく)でした。



「せやね〜、サルマタタビとかお願いしてええかな?」

「大丈夫な木なんすか? それ〜」

「「えっ?」」

「……あっ」


 友達の反応で、やっと気ぃついた。さっきから俺、「知ってる人間の反応」してもうとる……て。



「やっぱ知っとぉよね〜。薬草採取、お願いしてええかな? あと折角(せっかく)やし、『調合師』で登録もしとき!」


 ニコニコ笑顔でそない言われたら、断れんかったわ〜……。



 あと、一通(ひととお)り終わってから、ボーゼが一言。


「手続き、冒険者組合(うえ)とほぼ一緒でしたね」

「昔の上と(おんな)しシステム使とるらしいからね。ホンマか知らんけど」

「「「へぇ~」」」



 なんでも、何十年か前までは1つの「ギルド組合(ユニオン)」やった組織が、


冒険者組合(シーカーズ・ユニオン)

商工(しょうこう)組合」


それとここ、


「根の国商工組合(くみあい)


の3つに分かれたからそうなっとる……ねんて。



 ややこしなオイ……



「それより、依頼どないする? この辺がお(すす)めやねんけど〜」


 そない言うて、職員さんが3つ勧めてきたった。(いわ)く……



「キビグチ(もん)周辺の草引き」

「オミソ(どお)側溝(そっこう)浚渫(しゅんせつ)

「コクブ廃寺(はいじ)の探索・浄化」



 上から順番に草むしり、溝浚(ドブさら)い、それと肝試(きもだめ)しでっせェ〜!

 なお、草むしりと肝試しには、“途中で寄ってくる魔物の討伐”もついてくる !! お得やね !!!



「「溝浚いで」」

「チッ……」

「かしこまりました〜」


 友達らは肝試しを無視して「オミソ通り側溝の浚渫」を選択。んで、思わず舌打(したう)ちしてもたんを、職員さんらがニヤニヤ見とってやった。



 ()っっっず……



「いやお前、せっかく森の掃除屋(スライム)()れとんやし。たまにはエエことしとかな、なー」

「あ~、それはそうか〜」

「巨大()(ばしら)()きた、とも言う」

「「同意見やなぁ……」」


 えすとの建前とボーゼの本音、どっちにも共感したとこで。



「狩るべき魔物の一覧表とか、この辺の地図とかあります〜?」

「そら向こうの掲示板(けいじばん)見てや〜」

「「「ありがとうございます(アザーッス)」」」


 職員さんが指さしよっての、入り口(わき)の掲示板を見に行く。



 お、これこれ。



―――――

  【新人~】小兎(ミニラビット)茶狼(ブラウンウルフ)

  【初級~】野兎(ヘアーラビット)森狼(フォレストウルフ)茶猪(ブラウンボア)野猫(フェラルキャット)(スネーク)etc……

  【中級~】黒猪(ブラックボア)大蛇(サーペント)巨鳥(ジャイアントバード)etc……

―――――



 地上の街(アインツやイース)と、大きくは変わらん感じか〜。

 ただ、地味〜に虫系が減って、その分(ヘビ)が強調されとる気ぃするわ。



 ()〜ね〜、俺蛇も苦手なんやけど。

 とぐろ巻いとる(アオ)大将(ダイショウ)――マンガのウ◯コみたいな姿勢(ポーズ)な――、あれ今でも怖いんよな〜。農家の祖父(じい)ちゃん()に出るから。


 あと祖父ちゃん家、十年物の脱皮殻(だっぴがら)もある。縁起(えんぎ)(もん)らしいけど、ボロボロやし()(しょく)悪いし……で。

 真っ白なレジ袋に入れて、()ったらかしや。



 ◇


「ほな気ぃつけて」

「「「ありがとうございまし(アザシ)たー!」」」



 諸々(もろもろ)終わって、「組合本部」を出た。

 フダノ辻からまた、東へ歩きよる。この道、「トウ街道(かいどう)」て言うねんて〜。


「……()洒落(ジャレ)か?」

「「さぁー?」」



 んで、さっき寄った「コウジ小路(こうじ)」と、その次の「ジュゲムジュゲムゴコウ(すじ)」の間におる。そこに、


「ช้างและหมา」


て看板出しとっての店がある。



……(なん)それ?



ช้าง(チャーン)และ()หมา(マー)、タイ語で“(ゾウ)(イヌ)”やて」

「「へぇ~……?」」


 ボーゼが読み上げた外部検索の結果に、えすとと2人で首(かし)げとる。

 何でこんな所に……?



「インドとか韓国とか色々すっ飛ばしてThailand(タイランド)……? 運営誰かカレー(きら)いなんか」

「カレー関係ないやろー?」

「ツッコミボケやめぇや〜」


 えすとと2人で、ボーゼにツッコミ入れとく。ツッコむフリしてボケる、それがツッコミボケや。



 あと真面目(まじめ)に補足しとくと、タイにも“タイカレー”がある。しかも激辛らしい。

 まあ、本場インドのカレーも大概(たいがい)辛い……て聞くし、ご(えん)がないことを(いの)っとこ〜。


 フッ……(わら)いたくば、嗤いなさい。

 ()(ども)(じた)゛て゛、 食゛へ゛れ゛な゛い゛の゛よ゛!



 ま、それは置いといて。


「で、そこお店やんな〜? 何売っとんのん……?」

「プラーヘンテンモー。『スイカを一口大に切って、魚粉(ぎょふん)を振ったタイ料理』やて」

「「ぎゃふん……」」

(やかま)しな、しょうもない」



 ()うてく人おってやから、それなりに美味(うま)いっぽい?

 今から溝浚いやから、「また今度ね〜」やけど。



 あと何やろ、この街の


東洋(アジア)というより東方(オリエント)


感は……?



 ◇


 ウダウダ言いながら、さらに“トウ街道”を東へ。「コウジ小路」「ジュゲムジュゲムゴコウ筋」に()ぐ、3つ目の通りに出た。


 目的の「オミソ通り」や。



 んでこの交差点、ど真ん中に銅像が1体立っとる。



「なんか立っとぉぞ。ワレ(だれ)どい?」

僧侶(ボーさん)か〜……(ぎ・う)()ですかッ !? (ぎょう)()があれば、何でも出来るッ !! 1、2、3、だぁッ !!! 」

「「◯鉄奈良駅前(キンナラ)(ちゃ)うどワレェ……」」


 ツッコミありがとう。思とったんと違うけど。

……さておき。銅像に近寄って、台座の説明見よう!



―――――

デンガク大師(だいし)


 「デンガク大師」ことミソノ・デンドーシ()(じょう)は、異界より渡られて味噌(みそ)(おけ)()(きゅう)尽力(じんりょく)し、根の国に美味(びみ)なる味噌を根付かせる()(ぎょう)()されたお(かた)です。

 どうか本像を(けが)さぬよう、ご協力(きょうりょく)お願い申し上げます。

―――――



「「「マジで誰どい ??? 」」」



 誰も知らんがな。何やこれ…… ???



 ◇


 まぁええわ、本題入ろか〜。


「オミソ通り側溝の浚渫」


やったよな。

 つまりこの、通りの両側の(みぞ)綺麗(きれい)にしたらええんやな?



 ほんで、何百m(メートル)あるか分からんこの通りの、両側全部やる必要はない。

 わざわざ商工組合に依頼を出す、てことは……


「街の人の“ふだんの(・・・・)努力”だけでは、(よご)れを落とせん(とこ)がある」


て話や。



 たとえばこの国、スライムが(めずら)しいみたいやからな。

 地上の国々(うえ)やと聞こえた


「スライムの大移動が云々(うんぬん)


て話、こっちでは誰もしてないし。

 ウチの6匹と街入る前に見た「レッサー・チャームスライム」以外、まだ見てないんよな〜。

 やから、地上の国々やったらスライムが落としてくれる汚れも、まだ残っとる可能性がある。具体的に何がどうとか知らんけどな……。



 あとその分、手間とか(にお)いとか覚悟しとけ! て話でもある。


「汚れが(ひど)すぎる」


とか


「汚れた所に、街の人の手が届かん」


とかって状態やろからな〜!











……て話を、友達ら(ボーゼとえすと)に教えました。



 1発ずつ頭殴ってから(やさしく)、な。



「やれやれやで〜……パッと見で『掃除する所ないやん、帰ろ帰ろ』やて? んな依頼出るかぁ!」

「「すみませんで(サーセン)した」」


 俺より()(あたま)のええ、自慢の友達です。せっかち過ぎるだけや。

 んで、せっかちは美徳や。特に野球とかVR格闘ゲーム(かくゲー)とか早押しクイズみたいなスポーツは、せっかちほど強いもんやからな。



 ……でもまぁ、せっかち人間ばっかりやと世の中回らへんから。たま〜にやったら、俺みたいな鈍間(ノロマ)の出番もあるかな?



「きゅい、きゅいー……」

「ん? 何かあっ……た ?? 」

「きゅい〜 !? 」


 足元で、力ないスライムの声がした。

 ウチの子(はっさく)か? 思たら(ちご)た。普通にビックリしとった。


 問題の声は、側溝からや。



 側溝に()いとる、何かの排水(はいすい)(ぐち)。そこに黒いスライムが詰まって、穴(ふさ)いでもうとる。

 ……いや、よぉ見たら黒っぽい()げ茶色やな。んで、ゼリーっぽいツヤもない。なんか(かた)そうな体つきや。


 硬そうやのに、なんか(しわ)寄っとるんも分かる。何スライムなんや? この子……



「あなやー!」

「平安貴族か」


 あ、友達のボケは一旦無視で。



「大丈夫? (のど)(かわ)いてない〜?」

「きゅきゅい、きゅい〜?」

「きゅい……きゅいきゅきゅい……」

「きゅい〜、きゅいきゅい!」


 はっさくが間に入ってくれた。水分は()れとるけど、食い物足らんらしい。

 だから力が出ない、もう少しで穴から出られそうなのに……とのこと。



 んで、「【土の魔球(ソイル・ボール)】を食べたい」やて。



…… 何 や て ?



「スライムが『土魔法食いたい』、やて〜 ?? 死ぬどお前 ??? 」

「きゅい、きゅきゅい?」

「きゅきゅい、きゅい……」

「きゅい〜、きゅいきゅい」


 あとで【鑑定(かんてい)】してみたら分かる、やて?

 ほ〜ん、そこまで言うんやったら……



「【土の魔球】〜」


 茶色い光の玉を、焦げ茶スライムくん(仮称)に向けて()る。真似(まね)をしてはいけない。

 んで。



 ホ゛ン゛マ゛に゛食゛い゛よ゛っ゛た゛そ゛コ゛イ゛ツ゛〜゛!!



「きゅい! きゅいきゅいー !! 」


 しかもなんか表面がツヤツヤしだしたし、動きも活発になった。


 マ ジ か よ ぉ ……



とか思とったら、はっさくが触手2本伸ばして、「後ろ下がれ」て合図出しよる。

 いっつもの、人の手ぇ再現したみたいな触手の先端に、今日は指紋(しもん)手相(てそう)まで見えとる。


 (うず)()(がた)かぁ。俺の指と(ちゃ)うな、()(しょく)悪ぅ……



 どこで誰の見たん?



「たっ、堆肥(たいひ)! 堆肥ぃー!」

「「退避(たいひ)やろ」」


 動揺したんか、アクセントがおかしいえすとに、ボーゼとツッコミ入れつつ。とりあえず下がる。



「きゅいー!」


 ほな、焦げ茶くん(仮)が排水口から抜け出てきた。勢いよく流れ出てきた白っぽい汚水(おすい)に、押し流されるかのように。

 んで、(おく)れて鼻を突くような()(しゅう)が……



 ウ゛ェ゛〜゛ッ゛!!?



「う゛わ゛(くっっさ)゛ー゛ !? 」

「何これ〜、何の(にお)い ??? 」

「……お? 秒で(うす)なったな ?? 」

「てか、さっきの子はー?」

「「ホンマや」」


 排水が粗方(あらかた)流れ出た途端(とたん)、異臭が(うす)れた。それはええねん。

 さっきの焦げ茶くん、側溝から出て()ぇへん。大丈夫か?



「ちょっとそこ見てくるわ〜」

「「変な(フラグ)立てんな」」

「きゅいー ??? 」


 “呼ぶより(そし)れ”てやつか? 様子見に行こうとしたら、焦げ茶くんが側溝から上がって来た。



 どう見ても、倍ぐらいに(ふく)れ上がった状態で。

 ブックブクやで。いやホンマ、体ん中(あわ)()っとるみたいやし。



 この短時間に、何をそんな大量に……あ? 通知 ??



《「ソイルスライム(♂)」があなたを【鑑定】しようとしています。許可しますか?》



 3日ぐらい前にも、こんなんなかった?


「まぁ〜た【鑑定】〜? スライムの好奇心よ……」

「「お前(えら)そうなこと言えんやろ」」

「せやったわ……」



 まぁ許可しといて……



「へぇくしゅ !! ……いや早いわ! 【鑑定】が」

「きゅい? きゅいきゅい」


 焦げ茶くん、許可出すなり即【鑑定】してったらしい。寒気(さむけ)でくしゃみ出たわ……

 あと彼、「来いよ、【鑑定】」とでも言わんばかりに、触手(てぇ)(たて)に振っとる。



 んで、それ見たボーゼが一言。



お前(ジンジュ)そっくりやの」

「どこが? 俺そんな気ぃ()けてへんやろ〜」

「さよか」



 しいて言うならボーゼっぽい? て、俺は思たけど。

 ……ど〜でもええわ。ほな【鑑定】させてもらおか〜!



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は6/6(土)頃の予定です。溝浚(ドブさら)い、続く……!



【追記】一部加筆/修正しました

(2026/05/20)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ