十六話 やはり爆弾、爆弾は全てを解決する
すみません、遅れてしまいました!
倒せない敵を倒す。矛盾した戦いを強いられる局面、どう対処すべきか攻めあぐねていると、
「どわっ!?」
魔獣は自身の長い尾を鞭のように扱い攻撃をしてくる。
まるで操り人形にされたかのように、魔獣の思うがままに踊らされる
そんな時だった、鞭のようにしなり繰り出される尾の攻撃から避けていると、突然魔獣の尾が切断され、ドズンッ‼︎ と何かが着地した。
それは同じく木の枝から自由落下の攻撃を繰り出した柊の攻撃だった。
自由落下での速度によって威力の上がった攻撃は、この魔獣の硬い体皮をも貫き、柊の持つ大戦斧はかなり深く入っていた。
すごぉ……と感心していると、斧を抜いた柊が近寄ってきて優しく小突いて来たのだ。
「いたた……なにぃ?」
そんな柊の唐突な行動に首を傾げていると、柊はプクッと顔を膨らました。
「かっこいいところを見せてくださいっ!」
「……あー」
そんな柊の言葉にさっきの自分の姿を連想した。
確かに側から見ればダサいな。と自分の中で結論を出し、ダサいのは嫌だと闘志を燃やした。
「じゃあ、かっこいいところを見せてあげる‼︎」
そう意気込み、グググッと魔獣の背中を踏み締め足に力を溜めた。そして、一気に解放する。
「っ! ―――天に輝く白日、金烏の羽衣、招来せし火輪」
そして走り出しと同時に詠唱を始めた。
周囲一帯の魔力が吸い寄せられては、その全てが力の源となってくれる。
「我は戴冠す光冠を、そして纏おう彩層を」
その魔力の膨らみを感じとった魔獣は口を開き火球を放つ。三つの頭から同時に三つ。
だがそれらは華麗なステップで避けていく。
右肩スレスレを通る火球がチリチリと戦闘服を焦がして。
クルッとターンした先にあった火球は背中を大きく反らせて避けた。
そしてそのまま手をつき一回転、そして目の前にあった火球に対しては、
「心せよ、この身は|天照大御神にも迫るだろう《神にも勝る》。『紅焔鎧―光冠彩層―』」
詠唱の完成にて打ち消した。
詠唱の完成と共に放たれた熱波が一瞬にして火球を逆に燃やし尽くし、魔獣の身体をも燃やしてしまった。
「……ふぅ〜っ」
溢れ出す魔力に飲み込まれないように、深く深く深呼吸をして、準備を整えた瞬間、再び走り出した。
ダッと走り出した瞬間には、もうすでに魔獣の首は切り傷まみれになっていた。
そのまま切り落とそうと腕を振り上げるも、他の頭がそれを阻止してくる。
厄介だと思いつつも、その妨害してくる頭に大剣を作り出して突き刺すことでどうにか、妨害を止めせた。
魔獣の悲鳴が森中に響き渡る。
そんな叫び声を上げるために口を開いた魔獣に対して、その口の中に創造したC4爆弾を突っ込み、下顎を溜めに溜めた強烈だ上段蹴り蹴り飛ばし口を閉じさせた。
直後、爆発が起きる。
同時に三つの頭のうち、一つの頭の脳天が鯨の潮吹きのように血や脳みそが噴き出て、ガクンと力なく地面へと向いた。
完全に死んだ。
誰の目から見ても明らかだった。
「よっし、このやり方なら!」
倒せないなんてことはない。
早速遠隔操作のC4爆弾を二つ作り出し、いつでも口の中に放り込めるように準備した。
同じような手順で行くか? 考えた顔で魔獣をみるが、魔獣も馬鹿ではない。完全に警戒していた。
「柊‼︎ お願い‼︎」
が、それを待っていたと言わんばかりに笑みを浮かべて柊に指示を出した。
魔獣は咄嗟に柊の方へ振り向くが、時すでに遅し。柊はすでに構えをとっており、大戦斧を魔獣の首へとフルスイングした。
大戦斧は首に亀裂を作り出し、すかさずその中に、手に持ったC4爆弾を突っ込んだ。
そして発破。
内側から首の中という完全な密閉空間で起きた爆発は威力が底上げされた状態になる。
それ故に、首が破裂するのも必然だった。
首が破裂し、二つ目の頭は静かに地面へと落ちていった。
「よしっ、あと一つ‼︎」
笑みを浮かべて、最後に残った頭と睨み合うのだった
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