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七十二人目
冬は肌寒い。だから私たちは体を重ね合って温める。
「ねぇ、私よかった?」
「あぁ、よかったよ」
毎回確認する。毎回きちんと彼からの感想を聞かないと私は安心できない。
「ありがと」
彼からの言葉が胸に染みて、温かくなる。その温かさはすごく心地よくて私は安眠できた。
「こいつ、めんどくさくなってきたな」
目を閉じた時に聞こえた言葉の意味を深く考えない。深く考えてしまうと、また私はおかしくなってしまうから。
「あ、起きた?」
「おう」
彼はきっと、私が早起きなんだと勘違いしていると思う。違うんだよ。君が寝るまで私は寝れてないんだよ。そして、君が寝てからも私は寝れないの。
「コーヒーでもどう?」




