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六十五人目
先輩が好き。それを今日、伝えようと彼をずっと待っている。高鳴る鼓動がうるさくてそれ以外何も聞こえなかった。
「おまたせ」
「いえ!」
あれだけ心の準備をしたのに、本人を目の前にした瞬間その準備は吹き飛ばされた。
「先輩!私!好きです!」
緊張しすぎて言葉が単語ずつしか出てこなかった。先輩に頭を下げて手の伸ばす。しばらくの沈黙が続き、目が少しずつ潤んできた。
「いいよ」
先輩はあっさりと私を受け入れてくれた。
「えっと……今は9番目かな。それでも、いい?」
先輩が指を折りながら数え、私が何番目の女か教えてくれた。
「はい!光栄です!」




