↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Re:connect  作者: ひとやま あてる
第1章 王国編
27/170

第22話 狩猟

「んふふふふ……」


思わず声が漏れる。


いきなり何で気持ち悪い声を上げているかって?


すまない。


別に変態的な奇行に至っているわけじゃないんだ。


俺は今鏡の前に立って自分を見ているだけだ。


しかしなぜか勝手に笑みがこぼれてニヤついてしまう。


側から見たら変質者に相違ないが、こればかりは仕方ないだろう。


なんたって俺の装備が揃ったんだからな!


はぁ〜、ずっと見ていたいくらいだ。


色々考えて、装備は純粋な魔法使いではなく魔法剣士スタイルにすることにした。


魔法剣士の定義はよく知らないが、前衛もできて魔法も使える万能職をイメージした。


後衛から魔法ぶっぱでもよかったんだが、ヴィクターも前衛で戦えてたみたいだしそれを真似するのもいいだろう。


合っていなければ魔法メインにすればいいだけだ。


「ぬふっ」


だめだ、声を抑えきれない。


これじゃ世間のイメージするキモいオタクの典型だな。


まあでも厨二病の夢を叶えてくれる世界だし、今の俺をどうこう言ってくる輩もいないから、趣味嗜好全開で人生を謳歌できる。


ああ、異世界って素晴らしい…。


揃えた装備だが、服装は動きやすさ重視で軽めの皮製品だ。


初期装備としては平凡だな。


いきなり成金スタイルで高い物ばかり揃えても仕方ないし、足りないものは足していけばいいだろう。


武器は、腕力がないためロングソードなどの大剣は扱いづらく、かといって超至近距離も怖いので短剣ではなく刃が50センチほどのショートソードにした。


左手にはスモールシールドを装備している。


ヴィクターの訓練もあったので、この盾を使えばある程度の攻撃ならしのぐことができるだろう。


あとはウエストポーチにしこたまポーションを詰め込んで完成だ。


明日がはじめての狩りなので興奮して寝られそうにない。


小学校の時の遠足なんか目じゃないくらいの興奮具合だ。


明日が楽しみだなぁ。






「どかーん」


爆音を轟かせ、魔榴石が魔獣を巻き込みながら炸裂する。


周囲の木々と共に。


直径10メートルくらいを巻き込んだ爆風の後には、クレーターと木っ端微塵になった魔獣の血肉しか残っていない。


魔榴石まじやべぇ!


なんだこのチートアイテム。


試しに魔弾を打ち込んで魔獣を攻撃した時には、怯ませて少しの間動けなくする程度の効果しかなかった。


1メートルほどの魔獣でも、まだ怖くて武器なんか使ってられない。


なんか思ってた戦闘スタイルとは違うけど、最初だし許してくれ。


魔獣は狼だったり猿だったり、獣型のものが多い。


普通の獣と違うのは、黒い体色と黒い靄のようなものが漏れていること。


それが魔獣なのかどうかは一目瞭然だ。


最初は一匹倒すのも大変だと思っていたが、こんなレベリングを覚えてしまったらもう元には戻れないっす。


これが金持ちのやり方か……。


ずりぃよホント。


レベルアップの恩恵を受けてる俺は何も言えない立場だけどな。


しかし、ちょっとの間の狩りで森は滅茶苦茶だ。


しかし地球と違って木々を燃やして発電したりする世界ではないので、自然は大量に余っている。


だから森林破壊など糞食らえだ。


レベルが上がれば何でもいいわ。


なんかこの世界に来てから道徳心が薄れているような気がする。


北の森でレベリングを開始して数匹魔獣を狩り、早くもレベルは3に上がっている。


1度目のレベルアップではDEXが2、次のレベルアップではAGIが1上がった。


ソフィアラはAGIが2とINTが1だ。


ステータスは振り分けるシステムではなく、勝手に上がるようだ。


そして上がるステータスは人によって異なる。


レベルを2上げただけじゃ法則も特に分からないな。


そしてゲームと違うのは、レベルアップしてもHPやMPは回復しないということ。


レベルアップした時に体から湧き上がる何かを感じたが、それだけだ。


ちなみにペーターのレベルは35だった。


バケモンかよ。


今回の狩りは、ソフィアラが魔榴石を起動したタイミングで俺が魔法で敵を怯ませるやり方だ。


単純な低級魔獣程度の攻撃なら予測も容易い。


単体相手なら今のところ問題はないな。


魔榴石は半径5メートルの範囲攻撃なのでちょっと気をつけないといけないが。


ペーターは保護者として同行してくれている。


レベル35の猛者がいてくれていると思うと心強い。


彼は俺かソフィアラを守るとなったら迷わずソフィアラを守るだろう。


だがそれでいい。


俺はサブロゲーションの魔法があるからどうにでもなる。


だから今回は安心して狩りを行えるって寸法だ。


ソフィアラは魔榴石が爆発する時に毎回無表情かつ平坦な声で「どかーん」と言ってるが、今では彼女が楽しんでいるのかそうでないかの違いくらいはわかるようになってきた。


今回は圧倒的に前者だ。


引きこもりというわけではないが、あんな広い屋敷にずっと居たためか、はじめての王都外への外出でソフィアラの目はとても輝いている──ように見える。


楽しんでくれているのなら何よりだ。


しかし散発的に出会う魔獣も少しずつ減ってきた。


毎回爆音を響かせていては低級な魔獣も寄り付かないのだろう。


結構森の奥の方まで来たけど、今のところ敵が集団で現れることもない。


ダンジョンの近くだと魔獣がどんどん出てくるためにまずはダンジョン周りの掃討から始めるそうだが、この調子だとダンジョンもないのだろう。


ハンターが狩りにやってくる場所でもないので、放置されていても当然か。


こんな調子でしばらく狩りを続けた。






俺とソフィアラのレベルが5に上がったあたりで、森の木々から垣間見える陽の光がオレンジ色に変わっているのが見えた。


時間も時間だし、魔榴石も残り少ない。


ペーターもそろそろ引き上げると言っているし、今日の成果としては十分だろう。


あと、ペーターも勝手にレベルが1上がっていた。


なんで?


このおっさん、ずっと周囲を警戒して立ってただけだぞ。


パーティって自動で組まれているのか?


レベルアップの恩恵は、4になると俺はSTRが1上がり、ソフィアラはVITが1上がった。


レベル5では俺はINTが2、ソフィアラはDEXが2上がっていた。


うーん、まだ法則が読めんなぁ。


ステータスに関してはだいたいゲーム感覚ってことだな。


現在のステータスのはこんな感じ。


ーーーーーーーーーー


《名前》黒川ハジメ

《Lv》1 → 5

《種族》人間

《性別》男

《年齢》20

HP 700/700

MP 3200/3200 → 2170/3220

STR 10 → 11

AGI 15 → 16

VIT 10

DEX 20 → 22

INT 30 → 32

LUC 30

《称号》異世界からの侵入者

《魔法》生活魔法 攻撃魔法・全(中級) 防陣

《ギフト》悪食


ーーーーーーーーーー


《名前》ソフィアラ=デラ=ヒースコート。

《Lv》1 → 5

《種族》人間族

《性別》女性

《年齢》15

HP 400/400 → 450/450

MP 400/400 → 90/410

STR 5

AGI 25 → 27

VIT 5 → 6

DEX 35 → 37

INT 10 → 11

LUC 5

《称号》

《魔法》生活魔法 攻撃魔法・水(初級)


ーーーーーーーーーー


残念ながら、劇的に強くなった感じはないな。


だいたいVIT1でHPが50、INT1でMPが10上がる計算か。


1レベル上がってMPが10しか増えないのなら、魔力拡張訓練はかなりの効果があったらしい。


あと特定のステータスは2上がっているようだ。


人によって得手不得手があるのかもしれん。


こればかりはまだ分からない。


あと初期ステータスはMPとかにそれほど影響がないのかな。


俺の場合最初MP5しかなかったし。


スタートダッシュしてるかどうかの違いか。


だがこれぞ異世界って感じでワクワクするぜ。


ミシミシミシ──。


突如森の奥から木をへし折ったような音が響き渡る。


まだ相手の姿は見えていないが、こちらに向かっているかもしれないな。


帰る前のお約束ってやつか。


最後のおやつってことで気合い入れるか。


「逃げるぞ」


おや、ペーターは乗り気じゃない発言だ。


「多分さっきまでの調子だと大丈夫じゃないですか?」


一応聞いてみる。


「レベル上げには来たが、大型のものは最初の狩りとしては想定していない。

今回はお試しの意味合いが強い。

それにもしもの場合お嬢様に危険が及ぶ可能性があるのは承諾できない。

そんなに戦いたいなら魔榴石を渡すから1人でやれ。

どうする小僧」


それもそうか。


初心者が怪我をする王道パターンだもんなコレは。


「いや、ちょっと狩れたくらいで調子に乗ってました。

やっぱり俺も危ないと思うので帰ることにします」


「そうか、ならアレもまだこっちの居場所は完全には分かっていないようだから、すぐにこの場を離れるぞ」


ペーターの発言を受けて、俺たちは急いで元来た道を引き返した。






「グルルルル……」


ボタボタと唾液を地面に落とす体長10メートルほどの魔獣。


狼の外見に大きな翼を備え、素早さに加えて飛行能力も獲得している。


「おや、この辺りだと思ったのですが逃げられたようですね。

アナタの性能試験でもしようかと思っていたのですが、せっかく作ったのに非常に残念です。

ちょっと賢い人間がいたようですね。

まぁそれならそれで、近いうちに王都で暴れさせたら良いでしょう。

エサは適当な人間を捕まえてくるので我慢してください。

さあ、戻りますよ」


全身を黒く染めた異形の魔人は、魔獣を連れて森の奥に引き返していった。


王都のすぐ近くで、すでに魔人は行動を始めているのだった。

フラグをへし折るペーター。

今までの投稿をすこし読みやすく改行し、一部内容を修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。