第113話 最強化。
ウンコのやるべきこと。
それはさ、
兄貴の代わりに、族のヘッドとなり、
魔族たちを導くことだ。
なのにさ。
ウンコの力が及ばず、現在。
魔族たちは、
穏健派と過激派の真っ二つに分かれて、
言い争いをしている。
兄貴は別れ際に、
壺から、莫大な金貨と食料を取り出し、
残してくれた。
争点はその使い道だ。
穏健派は、安住の地を探す旅のために使いたい。
過激派は、人間に復讐するために使いたい。
「「「もう戦争は嫌だ!
平和に暮らしたい!」」」
と穏健派は訴えた。
「「「何を弱腰な!
死んだ仲間たちの無念を
晴らさなくてもいいのか!?」」」
と過激派は息巻いた。
言い争いは、どんどんヒートアップしていった。
今では、過激派だけでなく、穏健派までもがさ。
「「「ぶっ殺すぞ!」」」
「「「ぶっ殺し返すぞ!」」」
理性ゼロの言葉で、お互いを罵りあっている。
「みんな、争いはダメだニャ!
だから止めるニャ!」
ミーニャが叫んでも、魔族たちは無視した。
「まあまあ、少し落ち着いて……」
リーダー(糞ウンコ)が直々に仲裁に入っても、
魔族たちはさ。
「「「ウンコはすっ込んでろ!」」」だってよ。
というわけで、ウンコはさ。
離れた場所にすっ込んだ。
でも、どうしよう?
兄貴がいなくなったことは、
人間どもに既に察知されていてさ。
『都市に戻らないと、殲滅するぞ』
という最後通告が人間どもから、
届いているんだ。
都市にはさ。
まだルルナとアゼレアとグレンたちがいる。
兄貴がいない俺たちは、
あっという間に殲滅されるだろう。
ああ、せっかく、見つけたウンコの居場所。
絶対に失いたくない。
ウンコが仲直りの方策を必死に考えていると、
天から幼女の声が響いた。
「困っているようだな、ウンコよ」
正直、この幼女に関わるとロクなことがない。
故に、期待値はゼロを通り越して、
マイナス1万だ。
でも、ワラにもすがりたいウンコは、
正直に答えた。
「そうなんですよ。神様」
「全ては、お前の力不足故にじゃぞ」
「その通りです。神様」
「その潔さ、良し。
なので特別に、この神が力を授けてやろう」
「本当ですか?」
「神に二言はない。いくぞ」
「はい、裏切られる準備はできています」
「はあああっ! 神授超力ぃいいい!
これで、お前は世界最強になった」
「でも、なんのエフェクトも無かったし、
なんの力も湧き上がってきませんよ?」
「貴様、神を疑うか?」
「そういう訳ではないですけど」
「まあいい。論より証拠じゃ。
これを受け取るがいい」
天から、1枚の紙切れが落ちてきた。
紙切れには、3つの呪文が書いてあった。
「好きな呪文を唱えるがいい」
と幼女が言うからさ。
無信全疑ながらも、
俺は1つ目の呪文を唱えてみた。
「ファイナル・ファンタジック・フレア」
するとさ。
死に際に見る最後の幻想のように美しき、
七色の炎に視界が満たされた。
超気持ちいい。
当然、ウンコはノリノリで、
2つ目の呪文を唱えてみた。
「ドラゴニック・エスト・サンダー!」
するとさ。
究極巨竜が現れ、
エッフェル塔のようにド太い稲妻を吐いた。
超カッコいい。
3つ目の呪文は、
即興の振り付けをしながら、唱えてみた。
「グランデア・ブリザード!」
するとさ。
大自然の偉大さを体現したかのような、
猛吹雪が周囲に巻き起こった。
「どうじゃ? 最強になった気分は?」
と神様に聞かれ、
「最高です! 神様!」
とウンコは答えた。
「ならば、ウンコ!
その力で世界を救うのじゃ!」
「イエス! アイ! マム!」
こうして、ウンコは最強になった。




