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第106話 メイド爆発。

パンをミーニャと半分こして、食べた後。


俺たちは、ダモフの馬車に乗って、

都市の南側を移動していた。


南側一帯は、人間の住む領域だ。


人間の住む家は、

どれもお屋敷で、個別の井戸があった。 


スラム内にある、

魔族のボロ小屋(井戸とトイレは共用)

とは大違いだ。


馬車は、都市最高級の住宅街である、

『シロガネ・ヒルズ』に入り、

ダモフの屋敷にて止まった。


ダモフ邸の敷地は広大だった。

東京ドーム2つ分位の面積はあると思う。


俺とミーニャは、さっそく仕事を始めた。


仕事の内容は、馬車の中で聞いている。


世間では、

大魔法使いの名で通っているが、実はさ。


ダモフの本当の職業は薬師なのだそうだ。


ウンコを大爆破した、超必殺技。

『グランド・エクスプロージョン』もさ。


特別調合した火薬を爆破させているだけでさ。


ダモフ自身は全く魔法が使えないらしい。


職業を詐称(歴とした犯罪)

している理由を聞いたら、

ダモフはこう答えた。

『この世界には、職業差別があるんじゃよ』


確かに、その通りだ。

ウンコは身をもって、それを知っている。


たぶん、大魔法使いと薬師の間にはさ。


弁護士と介護福祉士位の社会的ステータス

(モテ度)の差があるのだ。


で、話しを戻すが、俺たちの仕事は倉庫番だ。


倉庫はさ。


ダモフ邸の敷地の半分を占める、

森林地帯の中央部にある。


この森林地帯は、

ヴァイテガにおける、唯一の森林地帯だ。


ヴァイテガは、不毛の荒野の上に造られた都市。


当然、この森林地帯は人造でさ。


地面に敷き詰められているのは、

外国から輸入した莫大な黒土。


基本的にヴァイテガでは、

地下からしか取れない貴重な水もさ。


この森林地帯を維持するために、

惜しげもなく使われている。


ダモフがそう自慢していた。


ダモフの富の象徴。


そんな場所にある、

コンビニ位の大きさの倉庫にはさ。


ダモフの仕事道具である薬物が

隠されているのだそうだ。


一応、ネタもあがっていることだし。


とりあえず、ウンコは脅してみた。

「職業詐称をバラされたくなかったら、

 金をよこせ」


ダモフは平然とした顔つきで、答えた。

「ウンコと、どっち付かずの言うことなんで、

 誰も信じはせんよ」


まあ、確かにその通りだな。

だから、俺たちを倉庫番に採用したのか。


このズル賢いダモフめ。


まあ、いいさ。

この仕事。意外に待遇がいいからね。


倉庫の前に突っ立っているだけでさ。

なんと、日給3Gに、

1日にパンが3つも支給されるんだぜ。


ただ、1つだけ不満がある。

仕事で着る制服だ。


ダモフ邸の使用人は、全て女性で統一されている。


だからって、男性であるウンコまでさ。


メイド服(半袖ミニスカ)の着用を

強制するって、おかしくね。


でも、まあいいか。

食料も給料も保証されているし、

なんと言ってもさ。


姫猫ミーニャの猫耳メイド姿は、萌えの象徴。

まさに、眼福だもんね。


それにまあまあ着心地いいしね。

ウンコは着心地重視で見た目は気にしない。


そんなクール系な日本男子です。



倉庫番を始めてから、

腹時計で約30分が過ぎた。


ミーニャが、すごく退屈そうな顔で、

生あくびをしている。


どうやら、姫猫様は地球在住の猫同様に、

飽きっぽい性分らしい。


「ウン公。中には、なにが入ってるのかニャ?

 気になるニャ」


「気にするな。ミーニャ。

 過ぎた好奇心は身を滅ぼすぞ」


「でも、やっぱり気になるニャ」


「ダメだ、俺たち労働者はな。

 ただ与えられた仕事をロボットのように、

 こなせばいいんだ」


「でも、気になって、仕方がないんだニャ! 

 えいニャ!」

「あっ!」


ミーニャは、

倉庫の入り口にかけられていた南京錠を壊した。


「いくな!」

とウンコは制止するも、


「嫌だニャ!」

とミーニャは叫んで、中に入っていった。


程なく、ミーニャは戻ってきた。

自信満々な顔で、

俺に錠剤の入った瓶を見せてくる。


「これはなんだ?」

「これは、

 たぶんウン公のような者の為の栄養剤だニャ」


「マジで!?」

ウンコは、栄養というものに飢えていた。


だから、よく考えもせずにさ。

ミーニャから瓶を受け取ると、

中の錠剤を一粒飲んでしまった。


錠剤が胃に入った瞬間。

俺の右手の、ウンコ穴から下痢便が噴射した。


しかも、消防車両のような、超高圧力でだ。


俺は踏ん張りきれずに、倉庫の壁に激突した。


それでも、下痢噴射の勢いは、

コントロールできない。


「痛ててててててててててててててててて!」


俺は倉庫の壁面を、

すり傷をつくりながら、上昇していく。


「あがぁあ!」


俺は屋根の出っ張りに、頭を強打して落下した。


それでも、苦痛は終わらない。


下痢便の勢いのままに、

俺はネズミ花火のように転げ回った。


腹時計で約30分後。


ウンコの下痢は、ようやく止まった。

でも、すり傷がたくさんできて、ヒリヒリする。


中身はなんだったんだ、あの栄養剤?


俺は、錠剤の入った瓶のラベルを見ると、

反射的に叫んだ。

「下剤じゃねえか!」


ボケ猫は、悪びれた様子を全く見せずに、答えた。

「そうニャ、

 ウン公のような『下々』の者の為の薬剤ニャ。

 で、元気になったニャ?」


「逆に弱ったよ!」

「それは大変ニャ!」


ミーニャはそう言うと、再び倉庫の中へ。

程なく戻ってくると、

俺のすり傷に、薬をベタベタ塗り始めた。


なんか、ちょっと染みて痛い。

俺は、ミーニャの持っている薬瓶を見ると、

反射的に叫んだ。


「毒薬じゃねえか!」


今回も、ミーニャは悪びれずに答えた。

「そうニャ。毒という名の薬ニャ。

 薬と毒は表裏一体なのニャ。

 で、元気になったニャ?」


「ならねえよ! ちょっと悪化したよ!」


まあ、ウンコに毒は効かないからいいけどね。


なのにさ。


「それは大変ニャ!」


ミーニャはそう言うと、再び倉庫の中へ。

程なく戻ってくると、

俺のすり傷に、再び薬をベタベタ塗り始めた。


「ぎゃあああああああああっ!」


感想が悲鳴しか出てこないぐらい、

超染みて痛い。


俺は、ミーニャの持っている薬瓶を見ると、

反射的に叫んだ。


「劇薬じゃねえか!」


「そうニャ。劇的に効く薬ニャ。

 で、元気になったニャ?」


俺は言葉も出せない程に、衰弱していた。


「大変ニャ!」

ミーニャはそう言うと、再び倉庫の中へ。


程なく戻ってくると、

俺のすり傷に、粉薬をベタベタ塗り始めた。

今度は痛くない。


そう思って、俺が安堵しているとさ。


ミーニャは、

粉薬と一緒に持ってきたマッチに火をつけた。


そして、

すり傷(粉薬を塗りたくった)に火をつけた。


すり傷(に塗りたくった粉薬)が爆発した。


俺は、ミーニャの持っている薬瓶を見た。

最後の力を振り絞って、叫んだ。


「火薬じゃねえか!」


ミーニャは博識を自慢するように、言った。

「そうニャ。点火することによって、

 効能が出る魔法の薬ニャ。

 で、元気になったニャ?」


もう、ウンコにはさ。

言葉を出す体力すら、残されていなかった。


「大変ニャ!」


ミーニャはそう言うと、再び倉庫の中へ。

程なく戻ってくると、

俺の全身に、粉薬をベタベタ塗り始めた。


「これは装薬ニャ。

 装備することによって、無敵になる秘薬ニャ」


装薬。

それは、

大砲の砲弾を飛ばす為の超強力な火薬である。


「だから、火を点けても、

 火傷1つ負わないはずだニャ!」


ウンコの死亡フラグが、ピンと立った。


へし折らないと。


だがな。

もう1度述べる。


もう、ウンコには、

言葉を出す体力すら、残されていなかった。


ミーニャは、俺に火を点けた。


ウンコは大爆発した。


その爆風で、倉庫内の薬物に引火した。


結果、超爆発が起きた。

超爆風で、森林地帯の全ての樹木が倒れた。


ボケ猫は焦げ猫になって、言った。


「不思議だニャ?」


不思議なのは、お前の頭の構造だよ。

クソ野郎!


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