第107話 脱走。
薬草を少しかじって、
ウンコはHPを回復させるとさ。
とりあえず、
ミーニャの手を引いて、逃げ出した。
都市中が大騒ぎになっていた。
『ダモフ邸にて大爆発。
魔族解放戦線によるテロか?』
という見出しの号外を、
新聞社の社員(人間)が配っている。
よし、今のうちに、
正門から都市の外へ脱出だ。
と思ったんだけどさ。
正門には、厳重な検問が張られていた。
焦げ焦げのメイド服を着たウンコと姫猫(元)
どこからどう見ても、不審者であり、
検問で拘束される。
ズル賢いダモフは、
程なく爆破事件の犯人が、
俺たちであることに気づくはず。
「その前に、なんとか都市の外に出ないと……」
「都市の外に出たいのかニャ?」
ミーニャがそう言った。
どうやら、思考の一部が口から出ていたらしい。
「ミーニャ、城壁の一部を破壊できないか?」
「できるけど、もっと平和的な方法があるニャ」
ウエスト・スラムに沿った城壁の前にて。
姫猫ミーニャは、俺をお姫様抱っこした。
「なにをするつもりだ?」
「飛び越えるんだニャ」
「高さは8メートルくらいあるぞ」
「余裕だニャ」
ミーニャは宣言通り、大ジャンプをして、
余裕で城壁を飛び越えた。
さすがは、『素早さ265』
とんでもない身体能力である。
ミーニャにお姫様抱っこされている、
ウンコはさ。
空を飛ぶような体験に、興奮した。
でもさ。
このままの体勢で着地したら……
ウンコは嫌な予感がした。
その予感は的中した。
ミーニャは片膝立ちの姿勢で着地した。
立てた片膝がウンコの背骨に突き刺さる。
「ぎゃあああああああああっ!」
ウンコが大ダメージを受けた、
この攻撃はね。
有名なプロレス技で、
きちんと名前があるんだ。
紹介するね。
『シュミット式バックブリーカー』




