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第105話 安い男。

夜が明け、朝になった。


店が続々と開き始める。


となれば、することはただ一つ。

銀貨(10G)でパンを買うのだ。


「誰か……お恵みを……」

哀れな狐魔族が物乞いをしている。


だが、ウンコは無視して通り過ぎる。

そして、ミーニャに銀貨を渡した。


ウンコが買い物すると、どの商品も、

『ウンコ特別価格9999G』になるからね。


「パンを2つ買ってきてくれ。

 お釣りは絶対に忘れるなよ」

「わかったニャ」


ミーニャは銀貨を持って、駆け出した。

だが、右手に見えるパン屋には行かず……


さっき、通り過ぎた狐魔族(物乞い)に

銀貨を渡した。


ウンコは思わず駆け寄って、怒鳴った。

「なにやってるんだよ!」


ミーニャは悪びれずに言った。

「ノブレス・オブリージュ、だニャ」


「『高貴さは義務を強制する』するって奴か」


「そうだニャ。困った者を見たら、

 助けなさいと、パパとママは言っていたニャ」


「無駄使いしやがって!」

「無駄使いは得意だニャ。

 それにニャるは、

 あの銀貨で尊いものを買ったニャ」


「なんだよ?」

「あの狐魔族のスマイルだニャ」


「スマイルは無料! それはどの世界でも常識!」


マクド○ルドでは、

どんな美女のスマイルであろうと、無料だもんね。


というか、マクド○ルドのような、

クソ高いファーストフード店でも、

スマイルは無料なんだ。


「だから、とにかく、銀貨を返してもらえ!」

「でも、もういなくなったニャ」


ミーニャの言うとおり、

狐魔族の物乞いは、煙のように消えていた。


ああ、10Gあればさ。

パン10個か、

薬草1枚にパンが2個買えたのに。


『『グ~~~』』

ウンコとボケ猫の腹が同時に鳴った。


ああ、ひもじい。

道端にパン、落ちてねえかな。


と思ったら、本当にパンが落ちていた。

ウンコはパンに飛びついた。


パンは、まるで生き物のように、逃げ去った。

ウンコは、

虚しく地面にヘッドスライディングをかました。


前を向くと、そこにはさ。

パンと釣り竿を持ったダモフがいた。

パンと釣り竿は釣り糸でつながっていた。


どうやらダモフはさ。


パンをエサにして、

『貧乏民・フィッシング』を

楽しんでいたようだった。


本当にクズな遊戯だな。


「本当に探したぞい」

ダモフ(クズ老人)は好々爺みたいな笑顔で、

そう言った。


「なんの用だ? このド悪党が!」

ウンコはにらみ眼で、そう言った。


「ほっほっほ。

 わしらとて、

 望んで悪をなしているわけではないぞい」


「で、なんの用なんだよ?」


「2人に仕事を紹介してやろうと思ってな」


『仕事』と聞いて、ミーニャが怯え出した。


ウンコは言った。


「卑猥な仕事じゃないよな?」

「ああ、違うぞい」


ダモフはそう言うが、こいつは信用できない。


「わしのことが信用できんか?」

「ああ、どこをどう考えても、できないね」


「わしって、実は家族思いの善人なんじゃぞ」


ダモフはそう言うと、

1枚の写真を懐から取り出した。


写真にはさ。

男の子と女の子が2人ずつと、

その両親と思われる男性と女性。


中央には、

人の良さそうな笑顔をしたダモフが写っていた。


でもさ。


「悪人でも家族の前では善人の場合が多いから、

 信用できないね」


「ならば……」

ダモフは、昨日ウンコを爆破した虹色の粉を、

ちらつかせた。


「脅しても無駄だぞ。

 ウンコは『なかなか死ねない』からな」


ダモフは困った顔になった。


「どうすれば、信用を取り戻せるかのう?」

「なら、とりあえず、そのパンを食わせろ」


「ずいぶんと安い信用じゃのう」

「うるせえやい!」


ウンコは必死に生きてるんだい!


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