「―いつもの―」
これは、いつもの風景。
いつもの道。
いつもの風。
いつもの光。
いつもの ―月―
全て、見覚えのある景色。
この塀も。
この植木も。
あの屋根も。
あの鉄塔も。
―そして―
その
「いつもの風景」
「いつもの景色」
「いつもの世界」を歩いている。
「―そうだ―」
「―俺はこの風景を、この景色を、この世界を知っている―」
「―当たり前だ―」
「―いつも、この道を歩いている―」
「―俺が使っている通学路じゃないか―」
そう。
此処はいつも自分がいる世界。
―だから―
「―何も不思議じゃない―」
「―いつもの世界だ―」
「―その証拠に、もうすぐいつもの曲り角だ―」
「―その先には、いつもの交差点が在って―」
「―交差点が在って…―」
「―…在って…―」
「―……―」
「―!?―」
「―何だ?この感じ…―」
その「感じ」が何なのか、どの様なモノなのかは分からない。
唯、
「―感じる―」
次第に、その「感じ」が何か分かりだす。
「―そうだ。この感覚。これは…―」
「―懐かしさだ―」
―だが―
「―何に対する?―」
「―俺は一体、何に対して、この懐かしさを感じている?―」
「答」を見つけられないまま、あの「いつもの交差点」へと。
―そして―
「―?!―」
「―誰だ?―」
「―お前は、一体、誰なんだ?―」
「―……―」
「―!!―」
「!!」
「ハッ」、として目を覚ます。
「いつもの朝」である。
「―…また『いつもの夢』、か…―」
そう心で呟く。




