創世記 -弐-
「地球のオリジナル」
「新たな種」
「アダム」が生まれた。
地球は、初めて自分が生み落とした「その子」を、
大気という布で包み込んだ。
そして、雨という涙を流した。
「新たな種」は生まれたが、それで終わりではない。
その「種」が永きに渡り存在し続けなければならない。
「新たな種」は「月の者」と違い、弱く、脆い存在であった。
外界のあらゆる「力」に弱く、傷は直には癒えず、外からの「力」の供給を必要とする。
まさしく、「不安定な存在」であった。
それは、
「いくら似せて創ったところで、あくまでも『似ている』だけでしかない」
という事を、明白に示した。
「模造品はあくまでも模造品でしかなく、
本物ではない。」
「新たな種」の生存能力は、明らかに「月の者」より劣っていた。
それは「地球の持つ性質」上の問題であり、解決のしようが無かった。
そして、その事は、「どんなに『新たな種』を創造しようと、直に滅ぶ」事を意味していた。
「やはり私では駄目なのだ」
地球は再び嘆き、悲しんだ。
「―なんとか『新たな種』を繁栄させる事はできないものか―」
「―我々の新たな安住の地となってくれたこの星の為に―」
「月の者」達は策を練った。
そして、一つの「答」を出した。
それは「新たな種」の「繁殖能力の強化」であった。
「―個体の生存能力は強化できなくとも、群体の生存能力は強化できるはず―」
それが、「月の者」達の見出した「答」であった。




