二人でする試着
式場に着き、案内してもらった。
ドレスもタキシードも二人でゆっくり見た。
僕のタキシードより、ドレスを見る時間の方が長くて、とにかく可愛かった。
いつの間にか、さんじゃなくて、くんになってるところとか特に。
「夜織くん!これ!どう!?」
「うん。可愛い。絶対似合う。あの…彼女のドレス良ければ試着させてもらえませんか?」
「もちろんでございます!絶対お似合いになります!」
「え!あ、ありがとうございます!…ありがとう、夜織くん。行ってくるね!」
「うん。待ってる。」
そして、10分後、カーテンが開くと、それはそれは綺麗な彼女がそこには居た。
思わず見とれて声が出なかった。
「夜織くん…?どう、かな…?」
「え、あ!えと…ごめん…あまりに綺麗で…。えと…まずは着てくれてありがとう…だねこれは。」
「ははっ、良かったー!ありがとう!…あの、写真撮ってもいいですか?」
「もちろんでございます!もし良ければ、旦那様もタキシードを試着して、二人で撮られませんか!?」
「それで良ければ、僕もそうしたいです。ありがとうございます。さっきの試着してもいいですか?」
「はい!お持ちしますね!」
「ありがとうございます。」
「写真とか動画、携帯見たら思ったより少ないなって…。だから、たくさん撮りたくて…。」
なんで。
そんな申し訳なさそうに言うんだ。
君のその言葉。
二回も聞けて嬉しい。
ありがとう。
僕は彼女と目線を合わせ、彼女の両手をそっと包んだ。
「夜織が言わなかったら、僕が言うつもりだったよ。むしろ、同じ気持ちなんだって嬉しかったよ。ありがとう。たくさん撮ろ。僕携帯のトップ画にしたい。」
「うん、ありがとう、夜織くん。私もそうしたい。」
二人でほわほわ笑い合った。
「お待たせ致しました!旦那様、こちらでご試着お願い致します!」
「はい。ありがとうございます。ちょっと待っててね。」
「うん!」
着替えをし、終わってカーテンを開けると、さっきは正面からしか見られなかった夜織の姿が、そこにはあった。
そして、カーテンが開く音を聞いて振り向く君。
僕と目が合い、微笑むその姿に、僕はまた見とれてしまったんだ。
「わあ、夜織くんタキシードとっても似合うね!なんか、王子様みたい…!」
僕は彼女の前に膝をつき、左手に触れた。
「僕と並んでいただけますか?僕のお嫁さん。」
彼女は少し照れたように笑い、「はい!」と、とびっきりの笑顔で返事をしてくれた。
それから、店員さんは二人きりにしてくれた。
そして、たくさん二人の写真と動画を撮った。
お互いに撮りあいっこをして、二人で事故画があると、お腹を抱えて笑い合った。
その場でお互いにトップ画を変え、笑い合い、僕たちは式場を後にした。




