第89話 ケセラ河原のお香
~ケセラ河原~
ルヴィン草原の南を抜けた先…
そこに広がっていたのは…ケセラ河原だった
ハク「ここは川か……今回は関係ないけど…川を辿れば海があるかもしれないな」
モエ「そうね。でも今回は別よ」
ハク「ああ」
その一方で…少し離れた場所でアスとキミが何かを見つめている…
アス「なあキミ…なんであそこにお香があるんだ?」
キミ「ほんとなのだ。誰か置いたのかなー?」
それはいかにもお香だった…
プリセラ「…危険な香りがしますわ」
モエ「いや…香りすら漂ってないんだけど…」
シズク「……不自然ですね」
オレジ「誰かの罠って可能性は…あるね」
ハク「……普通じゃないな」
キミ「イベントの予感なのだ!!」
モエ「そう言う問題じゃないでしょ!!」
プリセラ「補足しておくけど…危険な香りは比喩表現ですわよ?」
モエ「つまり……勝手に脳内変換されてた…?!」
プリセラ「そう言う事ですわ」
ハク「そもそも…点火してないから…煙も香りもないんだろ」
プリセラ「そうですわよって…お香に点火するつもりかしら…?」
ハク「ああ」
モエ「絶対やめて」
オレジ「モエ無理だよ…ハクの探求心の前では…」
ハク「点火するぜ!!!」
そしてハクは迷いなく…お香に火をつけた。
次の瞬間にお香から煙が立ち上がり…
甘く…どこか妖しい香りが広がる
ハク「……っ」
モエ「…っ」
その香りは…ハクたち7人を包み込んだ。
すると…
たちまちモエの表情が変わった
オレジもシズクもプリセラもキミも…
頬がわずかに赤くなり…その視線が
ハクとアスに向く
モエ「…ねぇハク」
オレジ「なんか……おかしくなってきたかも」
シズク「これは……抑制が効きませんね……」
プリセラ「……これは、抗えませんわ」
キミ「なんかドキドキするのだ……!」
5人の女子が…じりじりと距離を詰めてくる…
ハク「おいおい……やばい効果じゃないかこれ」
アス「ああ……襲われたらたまったもんじゃない」
2人を囲むように…女子達5人はじっと見つめる…
荒くなる息遣い…だと…
ケセラ河原の穏やかな空気は一変し…
緊張と危険な気配に包まれていく。
ハク「……逃げるか?」
アス「当然だそれも…全力でな」
ハク「だな…お香の効果が切れるまでだ!!」
アス「おう!!」
次の瞬間
2人は同時に走り出した。
その背後から、
5人の足音と気配が迫る…
モエ「ハクハクハクハクハク」
オレジ「アスアスアスアスアス」
シズク「ハクハクハクハクハク」
キミ「アスアスアスアスアス」
プリセラ「ハクハクハクハクハク」
ハク「怖ェえよ!!」
アス「とにかく…逃げるぞ!!」
ケセラ河原にて…
予測不能の追走劇が幕を開けたのだった




