第86話 中二病患者
お香の効果が切れ…
張りつめていた空気がふっと緩んだ…
プリセラ「……わたくしの気持ち…これでお分かりになりまして?」
ハク「まあ……わかったよ…お前が俺の事大好きすぎる事…」
プリセラ「そりゃあ未来の正妻ですから♡」
ハク「決まったわけじゃないだろ…」
その様子をモエとシズクとオレジの三人はじっと凝視していた…
モエ「……自分だって、欲望に忠実なくせに」
シズク「人のこと言えませんよね…いちゃつくのはどうかと思いますけど…」
オレジ「お互い様ってやつだよ」
モエ「その割には…プリセラがっつきすぎよ…」
シズク「そうですね…
アス「さて……昼飯の時間だな」
モエ「話題かえるの!?」
アス「ああかえるな…そう言う訳でオレジ昼飯を頼むぞ」
オレジ「うん了解っと」
オレジは即座に返事をし…軽やかに踵を返すと
そのまま食堂の厨房へと急いで向かっていった…
ハク「全力ダッシュでいったな…」
モエ「そうね…ゼンリョクね…」
ぴっちりキャッスルには…
いつもの日常が少しずつ戻り始めていたのだった
だが……正にその時だった…
*「私にも食べさせて♡」
不意に頭上から声が降ってきた
ハク「誰だっ!?」
プリセラ「上ですわ!!」
ハク達の頭上…宙にふわりと浮いていたのは
黄緑色のぴっちりスーツを着衣した女性だった
シズクが目を見開いて叫んだ
シズク「……ジュベ!?」
ハク「おいおい…お前来たのかよ……」
プリセラ「モエさんに……似てますわね」
アス「モエか……いや…違うな0.1%…」
その一方で…モエは完全に呆れた目で
その女性を見上げていた
モエ「アンタね……」
低く疲れ切った声でモエは続ける…
モエ「突然こんなところで…何してんのよ……この愚妹キミ!!」
ハク「アイツは…ジュベじゃないのか!?」
モエ「ジュベって…いい?あの子の本当の名前はキミ。私の双子の妹よ」
アス「双子か…ならあり得るな…」
モエ「それに…重度の中二病患者よ」
ハク「中二病患者…」
モエ「でも…魔法の腕は抜群だけどね…」
シズクはなおもキミの瞳を気にしていた
シズク「でも……あの瞳って……」
モエ「カラコンよ。カラコン」
その瞬間に宙に浮いていた女性
ジュベ……もといキミが
ぷくっと頬を膨らませて叫んだ
キミ「お姉ちゃん!!なんでばらすのだー!!」
その声は洞窟でも戦場でもない…
ぴっちりキャッスルの昼前に
やけに元気よく響き渡ったのだった…




