第82話 悪夢
その同時刻…ぴっちりキャッスル2階モエの個室にて
~ぴっちりキャッスル2階・モエの個室~
静かな寝息を立てるモエは深く嫌な感触を伴う夢を見ていた…
それは夢の中でモエは…
ぴっちりキャッスルの1階の廊下を一人で歩いている…
モエ「…なにしてるんだろ…わたし…」
ただ…やけに静かで足音だけが響く
角を曲がると
そこにはハクが立っていた
モエ「えハク?」
ハク「……………」
無表情のまま…
ハクのその手には白い卵が…
モエ「え?」
モエが戸惑う間もなく…
ハクとモエの前にアスが現れる…
アス「……………」
彼の手には…茶色い卵。
モエ「え?え?」
さらに場面が切り替わり…
モエは食堂に立っていた…
モエ「厨房…?食堂よね…なんで…!?さっきまで廊下にいたのに…?!」
そこにはオレジとシズクそしてプリセラ
モエ「なんでなんで…」
オレジの手には…オレンジ色の卵
シズクの手には水色の卵
そしてプリセラの手には…眩しく光る金色の卵。
全員が…
何も言わずにモエを見ている…
モエ「……な…なに……これ……」
オレジ「…………」
シズク「…………」
プリセラ「…………」
モエの背筋が冷える…
モエ「早くここから…逃げな…」
逃げようと一歩下がった…
その瞬間だった…
モエのお腹に…強烈な違和感が…
モエ「……え……?」
モエは自分の違和感の正体を知るために腹部に手を当てる
モエは恐怖に声が震え…
モエ「うそ…まさか…たっ…卵……!?い…嫌!!産みたくなんかない!!」
モエは必死に否定するが…モエの身体は言う事を聞かない…
次の瞬間
ころッ…
モエの身体から…
萌黄色の卵が一つ転がり落ちた
モエ「………………」
膝をついてから呆然とする…
モエ「……私は……人間なの…?それとも…ハーピーなのっ!?」
すると夢の世界が歪み…
卵の色だけがモエの視界を埋め尽くした
モエ「――――っ!!」
モエは…勢いよく目を覚ました。荒い呼吸で…
モエ「……なに……今の夢……」
胸を押さえ…過呼吸でベッドの上で起き上がる…
モエ「本当に最悪…オペリフェール遺跡の壁画のせいね……」
そう呟き…モエはふと視線を落とした…その枕元
そこには萌黄色の卵が一つ
転がっていた…
モエ「…………」
数秒の沈黙が流れる…
モエ「………………え?」
思考が完全に停止する
その頃モエの個室の外つまり…
~ぴっちりキャッスル2階~
廊下の影で…
オレジが口を押さえて肩を震わせていた…
オレジ「くくっ…いやぁ~本当にタイミング完璧だったね☆」
何故なら…オレジは
ただの鶏卵を萌黄色に塗装して
眠っているモエの枕元に
こっそり置いた張本人だったのだから…
オレジ「朝になったら……どうなるかなぁ?どんな反応するかなぁ♡」
ぴっちりキャッスルの夜は…
今日もどこか平和で…
少しだけ
たちの悪い卵の悪戯に満ちていた…




