第78話 The Heir to His Legacy
ぴっちり女神は少しだけ表情を曇らせてから…
幼いハクたち五人をまっすぐに見つめてから言った…
ぴっちり女神「……伝えなければならないことがあります」
ハク「伝えなければならない事…」
ぴっちり女神「ハクさん…ナモさん…残念ですが…あなた方の父君と母君であるルヴィン王セイヴァスとルヴィン王妃セレナさんは…魔法軍の手先である古の悪魔に敗れて…この世を去ってしまったようです…」
その言葉は…幼い5人の子供たちには刃のように胸に突き刺さった…
ナモは言葉を失い…ルシアは悔しそうに
プリセラは胸元を抑え込み…
アスは目を伏せて黙とうし…
ハクはしばらく黙っていた…そして…
ハク「……それは悲しいです。だけど…俺と妹は…ルヴィン王家の生き残りだ。だったらこれからの事を考えなきゃいけないよね…」
ナモは不安そうに兄を見上げ言う……
ナモ「お兄ちゃん……?」
ハク「打倒魔王軍のことも…打倒仇である古の悪魔もだ!!」
ぴっちり女神は静かに首を横に振って言った
ぴっちり女神「いいえ」
ハク「いいえ?!」
ぴっちり女神「ラフィルドルフの魔王軍は……すでに完全に壊滅したようです」
アス「壊滅している!?襲撃がこの前まであったのに!?」
ぴっちり女神「一人の男のパーティによって…」
ハク「ごくり…」
ぴっちり女神は名を口にする…
ぴっちり女神「その名はスカイ・レインスターでそのパーティのリーダーである異世界からやって来た勇者がラフィルドルフの魔王軍を4人で打ち倒したそうです」
ハク「……そうか」
ルシア「ほっと…」
ハク「なら……俺たちが…これ以上血を流すことはないんですね」
ぴっちり女神「ええ…ですが世界が救われたからといって…あなた方の"物語"が終わるわけではありません…」
アス「俺達の物語…」
ぴっちり女神「失われたもの…受け継がれたもの…そして…あなた方自身が選ぶ未来よ♡」
ルシア「未来…」
ぴっちり女神「ぴっちりスーツは…戦うためだけの装備ではないわどう生きるかを…問い続ける装いなのよ…」
幼きハクは…その言葉を胸に刻みこんだ
戦わずに済む世界。
それでも…背負うものは消えないんだ
ぴっちり女神「そして…あなた方が来た場所……もう分かりましたわ」
ハク「本当ですか!?」
ぴっちり女神「ええ…こんななりだけど…神族なんですよ?さあ神力による転移魔法~元ある場所へ…おかえりなさい」
ぴっちり女神が指を鳴らした瞬間に
ハクたちを眩しい光が包み込んで……
その次の瞬間に
ハク…アス…ルシア…ナモ…プリセラの五人は
廃墟と化したルヴィン城の中庭に立っていた…
~ルヴィン城跡~
かつての威厳あるルヴィン城は…
城壁は崩れ…塔は焼け落ち…
砂と瓦礫に埋もれていた…
ハク「壊滅したと聞いたけど……魔王軍……よくも……俺たちの城を……」
その時だった
*「ハク!!」
ハク「…!?」
それは傷だらけになったサンブ王セヴだった…
サンブ王セヴ「無事だったか……!!子供たちそれにプリセラも……!!」
プリセラ「父上……!!」
サンブ王セヴ「……その装い……そのコスチュームはただの衣ではないな」
ルシア「わかるんですか?」
サンブ王セヴ「ああ…神力を感じる……これは…人の技で生み出せるものではない」
ハク「サンブ王……実は…俺たちは…」
ハクはサンブ王セヴに告げましたルヴィン城が燃え盛る状態になりルシアのワープで逃げ出せたこと…
謎の洞窟で不思議な映像を見たこと…その最深部でぴっちり女神と名乗る女性と出会い
ぴっちりスーツを授かったこと…そしてラフィルドルフの魔王軍が勇者スカイのパーティによって壊滅した事
全てを語った…
サンブ王セヴ「……なるほど」
ハク「はい」
サンブ王セヴ「ハク・ルヴィン……お前はもうただの子供ではないな」
ハク「ですね…」
サンブ王セヴ「ルヴィン王と王妃は散った。だが…その意思は…確かにお前が継いでいる…」
滅びたはずのルヴィン城で…
新たな"始まりの炎"が…
静かに灯った瞬間だった…
そして、回想は静かに終わりを告げた
~回想シーン・視点18年前・終~




