第69話 return of the white Roots
ハク「………長い回想に入る前に…一つだけお前達の頭の記憶に入れておくことがある」
その言葉によって草原の風が騒ぐ…静かに
ハク「それは俺の…本名だ」
モエ「えっ…ハクの…本名?」
オレジとシズクも思う…
これまでハクはハクとして名前を聞いており…
本名など考えたことが無かったのだから…
ハクはゆっくりと顔を上げ…はっきりと告げた。
ハク「いいか?よく聞けよ?俺の名前はハク・ルヴィンだ」
モエ&オレジ&シズク「「「…!?」」」
ハク・ルヴィン…それと言う名を…ルヴィン砂漠とルヴィン草原と言う地名と…
関係性があるのだろうと…
ハク「……それから」
モエ「それから?」
ハク「信じられないとは思うが…ナモは俺の実の妹だ。本名ナモ・ルヴィン」
流れる完全な沈黙…
ただ知るアスとプリセラは動揺することは無い
モエが驚き…
オレジは口をあんぐりした表情になり……
シズクは完全にショートしていた…
モエ「…え?」
オレジ「い…妹?」
シズク「それって…つまり兄妹?」
女子三人の心の中が…一斉にざわめいた…
アス「まぁ…俺は知ってたけどな。昔から」
プリセラ「そうですわね。最初から隠していらっしゃいませんでしたし…当時から」
あまりにも自然な反応をするアスとプリセラの存在が…
逆にモエたちの表情を際立たせる…
ナモ「ちょ…ちょっと待ってよ……!!」
シズク「じゃあ…ナモさんって……あのバー担当の……ナモさん?!」
ハク「ああそのナモで…さっきも言った通り俺の妹だ」
オレジ「情報量が一気に増えすぎだよ……」
シズク「…!!(だから……城…ぴっちりキャッスル…魔法陣…砂漠の敷地…サンブ王族との関係…だから全部つながる)」
ハク「これから話す回想はな…俺たち初期メンバーが、どうしてこの世界でぴっちりスーツと出会い…どうしてぴっちりキャッスルを築くことになったのか…」
モエ「それって…」
ハク「ああ……つまり…全ての始まりの話だ…」
モエとオレジとシズクの三人は…
そのハクの言葉を聞いた瞬間に…
理解する…これは核心の回想への入口だと…
その言葉を聞いた瞬間、
モエ・オレジ・シズクの三人は理解した。
ハク「それに……場所が場所だ。城の中で話すより…ここで…話した方がいい」
モエ「確かにね……あんたが作り替えたこの場所なら…全部聞く覚悟も自然と決まるわ…」
オレジ「砂漠が緑化した直後の草原で重大告白って…なかなかドラマチックだよね」
シズク「ですね…ここなら…話の逃げ場もありませんし…」
アス「じゃあ続けろよハ。ここから先は初期メンバー以外には…初めて話す内容だ…」
プリセラ「ええ…このルヴィン砂漠もとい…ルヴィン草原はまさに始まりの証ですものね」
そして再びハクが語りだす…
ハク「えっと…まあさっき言った通りだ。俺の本名はハク・ルヴィン。そしてナモは俺の妹で…その本名はナモ・ルヴィン」
モエが腕を組み言う…
モエ「…ルヴィン砂漠…ルヴィン草原…ルヴィン?って…あんたの名前…そのままじゃないこれって…偶然?」
ハク「偶然じゃない」
モエ「やっぱそうなんだ…」
ハク「それに…この土地は元々ルヴィン家と深く関わっていたんだ」
オレジ「じゃあ…ここらの一帯って……」
ハク「ああ…俺の原初だ」
シズク「なるほど…だから王族とも…兵士とも…魔法陣の仕掛けとも……自然に繋がっていたんですね」
ハク「これから語る回想は――俺たち初期メンバー(アス&プリセラ&ルシア&ナモ…そして俺)が…どうやって"ぴっちりスーツ"と出会い…どうしてこの世界の裏の事情に踏み込んだのかと…いう話だ…」
モエ「………」
ハク「それに長くなる。聞いたらもう普通の人じゃ…いられねえ…それでも聞くか?」
モエ「当たり前でしょ。ここまで来て…知らないままでいられるわけないじゃない」
オレジ「ボクもだよ…厨房に戻る前に…ちゃんと知っておきたいんだ」
シズク「……仮とはいえ…サンブ城に共に向かった付き人ですから。ハクさんの真実を知るのは必須です」
アスとプリセラは何も言わずに…ただ微笑んだ
女子三人の覚悟はもう出来ている…
そしてハクは深く息を吸い…語り始める…
ハク「…じゃあ話そうか…すべての始まりを…」




