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配信者とは  作者: 荻波鶴
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夢を見た。

アルコールに依存したため深い眠りが妨げられたのだろう。

飲酒の後であっても滅多に夢は見ないが、ここ数日は何度か夢を見ることがあった。


『はやく私のことは忘れて次に行きなよ』


夢の中でか細く囁く。

やめてくれ、そんな言葉を聴きたい訳じゃないんだ。


『ずっと悲しんでばかりいられないでしょ?』


そうだけど……

そうじゃないんだ!


『あの言葉が忘れられないの?』


……


『みっちゃんはばかだね、あんな気休めを真に受けて』


……


『元気だしなよ』


ズキンッと右側頭部が痛い。優ちゃんの夢を見た。

ズキンとするこの痛みは、酒を飲み過ぎたのだろうと自分に言い聞かせる。

仕事に行く準備をしなければ。

今なら朝風呂に間に合う時間だ。

昨日買ったウイスキーは空になっている。帰りにまた買ってこないと。


1Kの間取りの散らかった部屋を目でやりながら物と物の間を通り抜け風呂場へ。

6月ともなるとじんわりと寝汗をかく。冬場であっても朝風呂の習慣が染み付いているわたしには、ちょうど朝風呂が心地よい。頭痛さえしなければ。

夢の中で優ちゃんは次の出会いを勧めてくるが、当分そんな気にもなれなさそうだ。シャワーを浴びながらそんなことを考えては独り沈んだ気持ちになる。

『あの言葉が忘れられないの?』

忘れられないしそれがあったから前を向けたんだよ。

シャワーで済ませた朝風呂から上がると、少し火照った体温をタオルで拭い仕事の準備にとりかかる。

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