総帥、生徒会を猫耳メイド喫茶に変える~福利厚生は福利(猫耳)厚生(メイド)です~
異世界ファンタジーと言ったら猫耳メイドいるじゃん(偏見)
国立聖エルゼ学園、生徒会室。
そこは、貴族たちが平民を見下しながら優雅に(無駄に高い)紅茶を啜る、特権階級の聖域だった。
佐伯悠馬は、生徒会長(王道の金髪イケメン・婚約破棄待ち)から突きつけられた文書を一瞥し、軍服の襟を正した。
「……亡命王子の分際で、学園の秩序を乱す『完全栄養食』の配布、および謎の『黒光りする妖精族』の非正規雇用……。貴殿の行為は、学園の伝統を著しく棄損しています」
「……否定します。私はただ、QOLと衛生環境の改善を合理的に実施しただけです。……お母さん、私は今、猛烈にコンプライアンス研修を受講したい」
『ピコーン☆ 悠馬くん、生徒会からの「ざまぁ」フラグ発生だよん♡ ここらで一発、現代知識でリブランディングしちゃおう!』
「……了解。……ノア、支援を。エルゼ、後処理を」
「うっす兄さん! 生徒会の解体ショー、体育会系でいきますよ!(野太い声)」
悠馬が指を鳴らした瞬間、生徒会室の空気が「空間書き換え魔法」で一変した。
豪華だが古臭い調度品は消え、壁はパステルピンクへ。BGMには(女神の演出で)萌えソングが流れ出す。
「……諸君。現代知識の基本、それは顧客満足度の追求です。無駄なコストを削減し、学園全体に『癒やし』という付加価値を提供します。……これこそが、ハミルトン流の福利厚生です」
全属性魔法『概念付与』が、生徒会メンバーを直撃。
次の瞬間――全員が、フリフリのメイド服と、ピコピコ動く猫耳を装備していた。
「……な、なにこれぇぇ! 体が勝手に『お帰りなさいませ、ご主人様♡』って言っちゃうぅぅ!」
「……にゃ、にゃんてことだ……。生徒会の威厳が……」
「……ノア。最高級オムライスとケチャップを。エルゼは『萌え萌えキュン♡』の魔力充填を」
「了解です兄さん! ほらよ、オムライスだ! 『LOVE』って書いてやったぞ!(野太い声)」
生徒会室は、瞬く間に学園最大の人気スポットへと進化した。
悠馬は隅で冷徹に売上管理を行っていたが、その姿は周囲から見れば「猫耳メイドを従える支配者」にしか見えなかった。
ピコン!
【徳:+1000】
【理由:ストレス軽減と経済活性化】
「……! ついに……!」
『あはは! 悠馬くん、おめでとう!☆』
女神が、猫耳メイド喫茶のパフェをつまみながら現れる。
『猫耳生徒会のせいで、全生徒が猫耳中毒になったよ☆ 今、密造と密売が始まってる!』
「……文化的侵略、ですか」
さらに、猫耳バフが暴走する。
生徒会メンバーが、本物の猫の習性を獲得し、悠馬へ擦り寄り始めた。
「……お兄様……ゴロゴロ……ニャア……」
「兄さん! 完全掌握(猫耳化)ですよ! この需要、ヤバいっす!(野太い声)」
「……なぜ、こうなった」
視界の端で通知が暴走する。
【読者満足度:5000%】
【称号:『猫耳の亡命王子』『萌えの支配者』追加】
【警告:聖女エルゼが去勢魔法を構えています】
「……女神。一つだけ。……私は、ただ、母さんの作った普通のトーストが食べたいだけなんです……!」
『ダメ~☆ 次は王女が猫耳つけて参戦だよ♡ 頑張って!』
悠馬は、猫耳生徒会メンバーに絡みつかれ、聖女に狙われ、弟に笑われながら、英国紳士らしく『Tescoの精神安定剤』を四錠、一気に飲み込んだ。
平和。それは、戦うことよりも遥かに神経を削る、キラキラした萌えの地獄だった。
(第9話:完)
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