総帥、謎の「黒光りする妖精族」と和解する
今回はかなり短いっす
学園の空が、聖女エルゼが召喚した隕石で真っ赤に染まっていた。
地上では、山のような巨体を揺らす「黒光りする謎の多脚生物」の群れが迫りくる。
「……お母さん。異世界の『害虫』の定義には、弾道ミサイル級の生命力が含まれているようです。
……ノア、エルゼを拘束。隕石をキャンセルさせなさい」
「うっす! 聖女様、バックドロップですよ!(野太い声)」
悠馬は、ショップスキルで出力した『多言語対応・標準契約書』を手に、群れの女王の前へ出た。
「……女王陛下。提案します。貴殿の群れを、ハミルトン・グループの環境保全部門として採用します。報酬はゼリーの無制限支給。……どうですか」
『ピコーン☆ 悠馬くん、ナイス判断! でも読者が引きそうだから、今すぐ設定変更しちゃうね♡』
女神が指を鳴らした瞬間、ドロドロとした黒い霧が群れを包み込む。
次の瞬間――そこにいたのは、背中に透き通った羽を持つ、黒髪の小柄なダークエルフ風の妖精族の集団だった。
「ギギ……? ワタシ……エルフ……? ユウマ……ケイヤク……シタイ……」
「……は? 今、明らかに骨格から何から書き換えられませんでしたか?」
『あはは! 誰も「G」なんて言ってないよ☆ 彼女たちは、闇に愛された希少種ブラック・フェアリーだよん♡ ほら、これなら読者好感度もバッチリ!☆彡』
「……強引すぎる。景品表示法違反の疑いがありますが……」
ピコン!
【徳:+500】
【読者満足度:3000%(ダークエルフ美少女軍団の雇用、神展開!)】
「兄さん! さすが総帥! 害虫を美少女エルフの非正規雇用にロンダリングするなんて、えげつない経営手腕っすね!(野太い声)」
「……私は、ただ、清潔な環境を求めただけです」
視界の端。
【称号:『漆黒の妖精王』『(元)害虫の旦那(履歴削除済み)』追加】
【警告:聖女エルゼが火力をさらに上げています】
「……なぜ、こうなった」
悠馬は、自分に絡みつく妖精の女王と、殺意を全開にする聖女に囲まれながら、英国紳士らしく『Tescoの精神安定剤』を三錠、飲み込んだ。
平和。それは、ハミルトン総帥にとって、戦うことよりも遥かに神経を削る、キラキラした地獄の別名だった。
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