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お前らはこういうのが好きなんだよな!!!!~佐伯悠馬、異世界で全部やらされる~  作者: 雪森蓮


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17/25

総帥、近隣諸国から「独占禁止法」を突きつけられる~和平交渉は敵対的買収です~

異世界転生物書くはずがなんでこうなった

ハミルトン異世界支部(旧・学園)の「CEOオフィス」。

 佐伯悠馬さえき ゆうまは、デスクに積み上げられた三通の宣戦布告書を、シュレッダー(ショップ製・静音モデル)にかけながら溜息をついた。


「……お母さん。近隣の三王国が、我が社のサプリメント供給独占と、急速な近代化を『人類への脅威』と認定したようです。……ノア、彼らは国境に十五万の軍勢を集結させています」


「兄さん! ちょうどいいっす! 全員まとめて僕がプロテインの海に沈めて、ハミルトンの社畜(兵士)として再雇用しましょう!(野太い声での咆哮)」


『ピコーン☆ 悠馬くん、大ピンチ! 「異世界版・包囲網」結成だよん♡』


「……了解。……ノア、暴力はコンプライアンス違反です。私は英国紳士として、極めて平和的に、彼らの『国家予算』をハミルトン・グループの軍門に降らせます」


悠馬が杖を一振りした。

 ショップスキルと現代知識の結晶――『広域投影魔法(巨大モニター)』が、戦場の空一面に展開される。


「諸君。戦争は非効率なコストの浪費です。提案します。貴公らの国家を、ハミルトン・グループの『フランチャイズ加盟国』として迎え入れましょう。……これより、敵対的買収(TOB)を開始します」


悠馬が放った「極大魔法」は、破壊の光ではない。

 十五万の兵士たちの足元に、ショップから召喚された『ハミルトン製・最高級フカフカ毛布』と『温かいアールグレイ』、そして『再雇用契約書(退職金・社会保険完備)』を同時にデリバリーしたのだ。


「……っ、この布の肌触り……王宮の寝具より上だと!?」「……福利厚生!? 有給休暇!? 伝説の聖遺物か何かか!?」


極寒の国境で、兵士たちが次々と武器を捨て、契約書にサインを始める。

 血を一滴も流さず、十五万の軍勢を「社員」として吸収。これぞ、ハミルトン流の平和維持活動(M&A)。


【ピコーン! 徳:+50,000!】

【理由:大規模な戦争を未然に防ぎ、十五万人の雇用と福祉を創出したため】


「……勝ちました。……これで累計徳はプラスに転じ……」


悠馬の体が、帰還の光に包まれかけた、その瞬間。


『あはは! 悠馬くん、甘いな~☆』


女神が、今度は「破産管財人」のような冷徹なスーツ姿で現れた。


『君が国を丸ごと「買収」しちゃったせいで、世界のパワーバランスが完全に崩壊☆ 買収された国の王様たちが「責任を取って悠馬様のお嫁さん(あるいはペット)にして!」って、学園に亡命してきてるよん☆彡』


「……王族の再就職先を、私の私室に設定しないでください」


さらに、追い打ちをかけるようにノアが、新入社員(元・敵軍大将)を引き連れてきた。


「兄さん! 大変です! 買収した国の通貨を全部『ハミルトン・ポイント』に強制換金したせいで、世界経済がハミルトン一色になっちゃいました! 今や、兄さんがくしゃみをするだけで世界中のパンの値段が三倍に跳ね上がる状況っす!(野太い声)」


「……ノア。私は、ただ、戦争を止めたかっただけなのですが」


ピコン!


【警告:『独占禁止法違反(異世界版)』によるペナルティ発生】

【理由:経済的支配が強すぎて、人類の自立発展の芽を摘み取ったため】

【現在の徳:+50,000 → -150,000(世界支配の重罪)】


「…………なぜ、こうなった」


視界の端。


【読者満足度:測定不能(「戦争? いいえ、買収です」の展開、神すぎて腹筋崩壊ww)】

【称号:『世界を買い叩く王子』『人類の飼い主』が追加されました】

【現在の状況:三国の王女たちが「第一秘書(正妻)」の座を賭けて、オフィスで魔法決戦を始めました】


「……女神。一つだけ。……私は、ロンドンの、あの薄暗いパブで、ぬるいビールを一人で飲みたいだけなんです……!」


『ダメ~☆ 明日は「世界政府・ハミルトン帝国の建国記念パーティー」だよ♡ 頑張って、三千人の王女をエスコートしてね!☆彡』


悠馬は、膝にしがみつく元敵国の王女たちと、殺意を全開にする聖女、そして「福利厚生最高っすね!」と笑う新入社員たちに囲まれ、静かに四錠目の胃薬を飲み込んだ。

 ハミルトン総帥、異世界十七日目。

 彼の「善意の買収」は、ついに人類を、ハミルトンという名の「快適な家畜」へと変えようとしていた。


(第17話・完)


不定期で更新します。評価、ブクマ、感想いただけると励みになりますよそりゃあもう!たまに押してくれても罰は当たらないんですよ!そこの読んでくれてるあなた!!

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