総帥、学園を敵対的買収する~今日からここは異世界支部です~
異世界社畜ってのもそれっぽいかなって。
国立聖エルゼ学園の朝。生徒たちが登校すると、
校門には巨大なデジタルサイネージが設置され、ハミルトン・グループの社歌が爆音で流れていた。
佐伯悠馬は、教壇ではなく「CEOデスク」に座り、ホログラムの収支報告書を眺めていた。
「……お母さん。この学園の経営状況は不透明すぎます。使途不明な魔法触媒費、過剰な貴族サロン
……これらを全て損金算入し、『筋肉質な組織』に再編します」
「兄さん! 買収完了っす! 旧理事会は全員、再教育キャンプ送りにしてきました!
(野太い声で血の付いた契約書を振る)」
『ピコーン☆ 学園買収チート発動! 読者満足度20000%!』
「……了解。プロジェクト・ハミルトン・アカデミーを開始します」
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全属性魔法が、学園の構造を書き換える。
教室はオフィス化。
学生はアソシエイト。
授業はR&Dと不祥事対応へ。
制服はスーツへ。
単位はKPIへ。
「諸君。校訓は『迅速・冷徹・最大利益』です。……ノア、低評価社員には三六協定を適用」
「うっす! 残業代は猫耳クーポンっす!(野太い声)」
学園は一夜で「24時間稼働拠点」へと変貌した。
ピコン!【徳:+5000】
「……! 帰れる……これなら帰還のKPIが見える……!」
『あはは! 悠馬くん、すごいね!☆』女神がハミルトンの社章入りスーツ姿で現れる。『学園を支部にしたせいで、王様が国ごとM&A申し込んできたよ☆ 今、国旗がロゴに書き換わってる最中!』
「……国家レベルの合併、ですか」
さらに状況が進行する。学園の意思が実体化し、
眼鏡をかけた冷徹な美人秘書の姿で悠馬の膝に書類を置いた。
「……CEO。次の会議(戦争)の時間です。……承認を」
「兄さん! やりましたね! 学園そのものまでハーレム入りですよ!
もうジャンル崩壊っす!(野太い声)」
「……なぜ、こうなった」
視界の端で通知が暴走する。【読者満足度:測定不能(国家買収チート)】【称号:『異世界の支配株主』『過労死させない男』】【現在の状況:聖女エルゼが王都規模の魔法陣を展開】
「……女神。一つだけ。……私は、ただ、母さんと一緒に朝のニュース番組を見たいだけなんです……!」
『ダメ~☆ 次は隣国オークションイベントね♡』
悠馬は、膝の上の秘書、殺意を全開にする聖女、そして野太い声で「ノルマ達成!」と叫ぶ弟に囲まれながら、『Tescoの精神安定剤(ハミルトン製・超強力版)』を六錠、一気に飲み込んだ。平和。それは、世界を征服することよりも遥かに困難な、キラキラした社畜の地獄だった。
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