フドフェス❸
依冬ですどうも、木冬じゃありません
冬が好きなので冬の方が内容が派手(十一月下旬からの話)です
なんて言いましても、今回の話は書き込んでる途中で全消し事故が起きたので意気消沈の略略の略············
「ハイッ!イツキング屋上の大食い大会会場から中継しております!」
女性がカメラを前にマイクで「大食い大会会場から中継」と言っている。これはつまり此処はイツキング屋上の特設大食い大会会場であって、喋っている女性はアナウンサーである。
気絶する前の記憶がアヤフヤで現状の半分しかアナウンサーの言動から得られない。
手元を見ると高級そうな肘置きがあり、座っている椅子の価値が非常にハイなのが窺える。
右を見れば屈強そうな男。左を見れば体長4メートルの女性。
「ひゃっ······な、懐かしい」
テレビでしか見たことのない、伝説の大食いタレント『キョキョ天沼』が其処にいた。最後にテレビで見たのは虹の世界に転生する前なので少なくとも体感時間における七年間ほど視界に収めていなかった。よって、懐かしい。
「あらあら、貴女こそ懐かしいじゃないの。戸室綾ちゃん、昔バラエティで共演した時以来ねぇ。その時くらいからかしら、テレビ出演拒否始めたのって」
「あっはは······まぁ色々あるんですよ······」
愛想笑いしながらイアゼウスパスですぐさま稜葵をコールする。三秒で繋がった。
「稜葵!私が眠ってた間の出来事をありのまま伝えなさいよ!」
『眠って······?あ、はい良いですよ?綾ちゃんがシュールストレミングの缶を開けたので数人が気絶し、そのフロアは閉鎖。大食い大会の予選は天野さんが気絶した綾ちゃんの口に食べ物を無理矢理押し込んで余裕の通過です。『もちろんお礼はたくさんちょうだい!』と伝言を貰い受けています』
「ああそう······ていうかシュールストレミングっていったい何なの」
『爆弾のような食べ物、で分かりますか?』
「おっけーシュールストレミング怖い」
『味はとても美味しいのですがね······』
「美味しい物にはデメリット有りってわけね。それで······どうしてキョキョ天沼が此処にいるの!絶対勝てっこないじゃない!」
『それはですね、大体的に告知していましたらテレビ局に目を付けられまして······また儲け一つです』
「聞きたくなかったよ······」
『綾ちゃんって謎ですね······』
「さーて大食い大会スタートです。出場者は、左からベルゼさん、北村さん、大久保さん、ミージェさん、戸室さん、天沼さんです!一品目は特盛カレーライスです!おっと、北村さんはカレーが苦手なのでしょうか突然床に頭を打ち付け始めました!おお!!やはり天沼さん速い!!一秒もかけず一瞬で平らげました!」
キョキョ天沼は特殊能力持ちであり、『食』の固有能力のおかげで『食べ物を食べた結果を先取り』することが出来る。つまりは、モーション無しで食事限定タイムロックが可能という感じだ。
然れども負けてなどいられない。此方は加速を用いて三秒でカレーを食べ終えた。数秒の差なんてもの、このような人的補助が必要な大会では皆無に等しい。
次に出された皿はかき氷の山だった······。天沼の皿を見てみると地獄焼きグラタンの山、が、一瞬で消えた。
私と天沼の間には、数秒の差だなんて甘いものは通用しない事を理解させられてしまった。
「カンカンカーン!!しゅーりょー!!!ベルゼさん五百皿!北村さん死去!大久保さんリバース!ミージェさん不正失格!戸室さん二百皿!天沼さん約二千皿!!よって、優勝はキョキョ天沼の圧勝おおおおおおお!!!」
優勝者しか景品は無いので、後半にはアドバンテージ無しのスローイートになった。本気を出していれば六百皿でベルゼなんて倒せていたであろうが、アドバンテージが無ければ仕方がない。そう、仕方がない。ベルゼが調子に乗る前にワイヤーで縛っておこう。
「ナイスイートだったわ戸室ちゃん!」
キョキョ天沼がグッドサインを投げかけてきた。
「ああ、はいどうも······天沼さんもグッドイートでしたよ······」
彼女の場合はグッドイートというよりもグレイテストイートと言った方が正しいであろう。ジパングの大食いの頂点、天沼とひょっと出の私なんて比べたところで地球と太陽の差である。
「戸室ちゃんって出雲から出たりはしないんだったよね?」
天沼がそう訊ねてきた。
「いやー、実は九月に南国リゾートに行きまして」
「博多はまだ来たこと無いでしょ?」
「え?うん、そうですけど」
「なら、こんど遊びに来なさいな!美味しいお店紹介したげるから!」
こうしてフードフェスティバルは幕を閉じた。
レイって執筆初心者が書いたらダメな気がする




