フドフェス2
怠けすぎたせいで八月にリライトできる気がしない······
ワイワイガヤガヤ。本日の出雲は少し人口が多い。その分、事故率も高いので警察も大変である。
国の役人が何年苦労をかけても失敗する地域活性化事業をたった数日で成功させてしまう財閥というものは、やはり、しばしば国の権力を超えたりするものなのだろうか。
その当人といえば、
「本日はご参列頂きありがとうございます。本館では飲食物を粗末に扱った人には超法規的措置を行いますのでご注意ください」
「いつから政府の人間になったよ?」
「財閥は政府を超越しますよ?」
「メタいからやめて」
マイクを片手に注意喚起している稜葵は時々謎の威圧を放っている。食べ物の恨みは怖いと言うが、この子からは常設で怨念や執念じみたものを感じる。怨念や執念と言えば······。
「なに、心の中で私を呼んだ?」
「き、木村ちゃん先生······!」
「戸室さんよね、そう、戸室さんよね私を心の中で呼んだの。ほんと困るのよねぇ、心の中だから呼んでも気付かれないっていうその思想。いい?人にはね、体臭や視線、挙動などで何を心の中で考えてるか分かる人もいるのよ······。それに、私が教師だからって何をしても良いと思ってるでしょ?でもね私だって人権ってものがあるの。そう、人権。プライバシー保護から個人情報保護。それはたとえ他人の心の中でだって損なわれてはいけないわ······今すぐ謝りなさい今すぐ」
「ひぃっ······ご、ごめんなさい······」
「一度謝ったくらいで許して貰えると思わないことね······」
「アフターヘイトも完備······」
「平井さん、あなた······教師の才能があるわ」
「えっ!本当ですか先生!」
「教師って何か知ってる??」
「その怨念や執念、間違いなく教師向きよ」
「はいっ!」
「無視すんな」
「今から私が直々に人類滅亡について伝授してあげる。目指せ死兆星よ!」
「目指せ死兆星!」
「もはや教師関係ない······」
司会をほっぽり出してどこかへ行った稜葵は放っておき、ビルの中の『屋台かもしれない何か』を眺めながら歩いていると、
「僕は綾ちゃんを探したいんだけど······」
「うっさい!今買い溜めしておかないで何時買い溜めしろっていうの〜!」
御手洗姉弟が両腕いっぱいに食べ物を乗せて蹌踉ながらゆっくり歩いていた。関わらない方が賢明だろう。
屋台かもしれない何かには見たことも聞いたこともない食べ物がたくさん並んでいた。
トルティーヤにナムトック、シュールストレミングなどと様々。
「ねぇねぇ屋台かもしれない何かのおじさん!このシュールストレミングって缶詰は何!」
指を指して訊ねてみた。
「おっ。お嬢ちゃん目利きがいいね!ほれっ、1回開けてみるといい」
おじさんは缶詰を一つ掴んで放った。それをキャッチした私は「ほほー」と風魔法で缶に亀裂をいれ、そこで意識が途絶えた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ビュオーという風の音で目が覚めた。
瞼を開くと、明るい青空が広がり、その下にはマイクを持った知らない女性と大人より大きなカメラを持った男性達が······。
「うん、誰」




