インターンシップinミュージアム6
私のカレンダーは未だに去年の九月······嗚呼、なさけない
国立出雲総合ミュージアム、は最初は八世紀頃に建てられた小さな県営の美術館であったが十三世紀頃に国が買い取り増築して施設が増えた総合博物館である。
庭はとても広く、草木の迷路や遊具、移動式屋台が並んでいたりして其処だけを目当てに来日する親子連れは多い。
夏はイルカと触れ合えたり、冬は豪勢なイルミネーション、春と秋は桜や紅葉とで訪れるものは絶えない。
そんな抜け目のないように思える場所だが、非の打ち所のないものなどこの世には存在しない。それでもただ、第三次アクスム戦争での遺品などを展示する施設で幽霊を目撃したという情報が相次ぐだけだけれど。遺品に怨念がこもっていたという説や、ちょうどそこを建築する際に邪魔だった墓地を潰したのが原因だという説と。心霊マニアが度々訪れるという点では儲けに変わりはないと運営側は放置している。この心霊の件は綾たちが博多に行っている間に阿部茜が対峙するのだが、今のところ描写される予定はない。
しかして、何事も上手く及び順調にいくと必ず後に何か悪い事が起こるというのは先人の知恵でも統計学としてもジンクスでもテンプレでも、いつものありふれた事の一つという事は────忘れてはならない。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
インターンシップ二日目、私はピロピロとイアゼウスパスでミュージアムのことを調べながらレイと共にホバーボードで出勤した。
ちなみにホバーボードは天使ミカが貸してくれたものだ。動機は私には推測できないが、桃ちゃん曰く隣人愛というものらしい。
本日は曇りのち晴れ。こんな日はピクニックでもしたいが、『欠勤は周りからの信用を無くす』と木村ちゃん先生がよく口にしているので余計な考えは捨て置くことにした。
「今日は戸室綾さんも天野さんと同じ担当ですよ」
ミュージアムのロビーにつくなり、そう先日の女性に言われた。
「わーい!やったー!」とレイが露骨に嬉しがる。
「え!?なぜどうして?理由を伺いしても?」
「えーっとその、どうやら事情が変わったらしいんですよ。詳しく聞かされてはいませんが」
「ちょっと、ちょっとだけ行ってもいいですかね?」
「それはなりませんよ。通常の場合、あそこはごく一部の関係者しか入れないらしいのですから。どういうわけかあなたが特別だっただけですよ。恐らく手違いであなたが呼ばれ、その後に間違いに気づいただけでしょうけど」




