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新延長:avenir or cmeptb  作者: 依冬×夜霧 裕
近代ジパング編
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インターンシップinミュージアム5

「ほらっ!掃除用具入れのロッカーもたんと綺麗になさい!」

「は〜いロッカーですね教官〜」

「ハハハッ!いい気味ね!」

 助手さんに言われた通りロッカーに入っていた箒(ほうき)等の道具をいっぺんに取り出すと小麦粉を宙に袋ごと放り捨てたかのような埃(ほこり)のミストが溢れだしてきた。

 つい癖で、すかさず風魔法で埃を全て床に誘導落下させて我が身の清潔さを保つ。少し付いてしまったものは仕方がないというものだ。そろそろ午後三時の終了時刻なので最後に全て浄化すればいい。

 助手さん──今更であるが性格が変わりすぎですよ──をふと見遣ると、私の足下の埃を見ながら手をプルプルと震わせて「貴女······今、魔法を、使ったの······?」と述べて来た。

「ん〜?魔術ですよ魔術。こんなことするのに魔法だなんて贅沢な真似は魔法少女でもしませんよ」

「そ、そうよね······。そんな奴がこんな所にいるわけないものね······」

 助手さんは少し息が乱れ、マバタキが増え、片手をポケットに入れもう片手はグーに握っている。

「そんじゃあ私はこれで今日は終わりますので、お先にスィーユートゥモロー。博士もグッバイ!」

 少し遠くにいる博士にも挨拶しておいた。が、博士は背中で隠れて見えないが何かを確かに手にして返事をせずに静かに身体を少し震わせていただけなのでした。


 ミュージアムのフロントロビーにてレイを待っていると、今朝会った女性と共にレイが重そうな足取りで向かってきた。

「うえぇーん綾ちゃ〜ん疲(づか)れたー!」

「ハイハイ良い子良い子よくできました」

 飛び付いて来たレイを受け止めて頭をさすってあげていると女性が話しかけてきた。

「戸室綾さんは本日はどうでした?楽しめましたか?」

「あいや全然(ぜんっぜん)!最悪よ最悪!あの岸原とかいう助手さん?あの人ってば私に白衣じゃなくて道着を渡して来てさ、それも白帯!それに加え、研究するぞーオーって言ってるのに私にだけ掃除を押し付けてくるし!クーッ!もっと言いたいけどこのくらいにしといてあげる!」

「その······何を言ってるのか分かりませんけど······とりあえずミュージアムでお掃除は当たり前なのでは?」

「あっ。そうね!」

「天野さんも五十米(ごじゅうめーとる)水槽をスキューバで掃除してくれましたし」

「スキューバ!?うっそ······私もやりたかった······」

「ダメですよ!きちんと担当の場所をしないと」

「は〜い」


 帰り道。帰り道についてのお話は十月の話の中にあるのであるが今回は通常の意味での帰り道。

「レイはどうだったー?悪いこととか、なんか教官みたいな偉そうな人が出てきて指図されなかった?」

「悪いこと尽くめだよ!」

 悪い事尽くめ、それ即ちあのレイが不幸に襲われたということだ。私は私で悪い目にあったのだから別に好奇心で聞いてもいいだろう。

「ほう、それは一体どんな!」

「綾ちゃんから離れる事が全て悪いことなんだよ〜!」

「あっははなんだその程度か」

 今、一瞬だけレイが寂しそうな表情になった気がした。

「なによーもー!」

 でもやはり勘違いだったようでいつものレイの雰囲気に戻った。


「はぁーただいま〜!」

「ただいまー!」

「おかえり、二人とも」

 まず状況を整理しよう。第一声は私で間違いない。第二声は真後ろから聴こえたからレイで間違いない。そして第三声は室内から聴こえた。謎。

 廊下脇の壁角からひょっこりと青髪の子供、モモが姿を現す。

「ええっと······モモちゃんは一体何処から入ってきたのだね?またベランダのガラス割ったわけじゃないよね?」

「普通に玄関からだけど?綾は何に戸惑ってるの?」

「玄関から······どうやってどのように!」

「ミカから貰った合い鍵を使ったの。鍵、ロック、チェーンの扱いにはもう全部慣れたの」

「あ、あの野郎はなんというモンスターを生み出してくれたのだ······。てゆうかモモちゃんに気を取られてレイを見失った······」

 室内をキョロキョロと見回す。レイは当たり前のように私の部屋に入っては高確率で泊まってゆくのだが、言うまでもなく此処は私の部屋なのだ。好き放題はさせられん。


 何だかんだ言って、晩御飯──これは後日記述──を作ってご馳走することに。

「それでその助手はポケットに手を入れて冷や汗かいてたのさ。アレは絶対に何かを隠してるね!目良(めら)はこの辺はアイツしかスパイかっこ笑いは居ないらしいし、目的不明の新手の敵だね!」

「ほふふへほほふほほ」

「レイ、食べながら喋らないで。そして綾は探偵みたいカッコイイ」

「いやいや、単純なことよ。ちょっと心理を分析しただけであって何も謎も何も解いてなんかいないんだから」

「でも、綾の推論間違いじゃないかも」

「ほふふへほ!」

「あのミュージアム、たまに余所者(よそもの)がオフィスドアから出入りしてる。いざなみ様、是よく思ってない」

「確かにこのアホ神の結界あれどどうしても事件が起こっちゃうんだよね〜。よし、明日ちょっと探りを入れてみようかな。モモちゃんも念の為にミュージアムに入ってて。チケット代渡しとくけど、買い方わかるよね?」

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