第七話 ファーストコンタクト7
PV250突破ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございます
赤白の服を着た白ヒゲお爺さんが鹿を鞭打ちしながら空から深夜家に不法侵入してくる記念日までには第2章いきますのでどうぞ御付き合い下さいませ
「ほ、本当に着いた······」
アダムに先導されながら森を進んでいると、開けたところに立派な小屋がそびえ立つ。
「言ったろ?俺様は方向を間違えねぇ。まぁんなこたぁどうでもいいからよぉ、テメェの言う旨い肉ってのを早く食わせろよオラ」
「は、はい。ちょっと友人を探して来ますねっ」
「ああ、無駄だと思うがな」
「?」
と言いながら友人であり此処に居るはずのクラウエを探しに中へ入る。
それにしてもどうしてこの様な状況になっているかというと────────
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「ぶぇっ、すっっっぱっ!!この肉すっっっぱっ!!」
空腹の中火炎放射器でようやく上手く焼けた肉を食った感想がこれである。
ええいままよ!
生だと······酸っぱい!
煮ると······酸っぱい!
糠漬け······酸っぱい!燻製······酸っぱい!熟成······酸っぱい!圧力鍋酸っぱい!
まさか最強の調理法圧力鍋が痛くも痒くもないだなんて···この肉、新手のスタ●ド使いかっ!?
「もう気が済んだかぁ?肉ってのは酸っぱくて不味い、これが常識なんだよ。博士も言ってたぜ?『この肉は最高傑作だっ!今までで1番美味いっ!』ってな。つまり肉ってもんは一番の物でも酸っぱくて不味いんだよ」
「いいえ、ちょっと待ってください。ボクの常識では肉というものはもっとジューシーで旨味のあるものと思われるのですが······」
「あん?そういうなら食わせてもらおうじゃねぇか、その旨味のある肉ってやつをよぉ?」
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────────という事があって手っ取り早く肉が置いてありそうなクラウエの小屋へ直行したのである。
館から出て何か少し違和感を覚えたがとやかく小屋へ進もうとする最中、アダムが突然「その小屋ってぇのはこの辺には1つしかねぇんだよな?」と回転しながら木々よりも高く飛び上がる。そして
「こっちだ、着いてこい」
「え?こっちだと思うのですが······」
そして着いてしまったのである。なんとルベルクスは小屋と真逆の方向へ進んでいたのだ。
ルベルクスは頭は冴えている方だと自負しているが方向音痴だと言うことはあまり自覚していないのである。
ギギギィィィカランカラン
小屋へ入るルベルクス。右手にはアダムから進行中に渡されたキノコが摘まれている。アダム曰くとても旨いのだそうだが、旨いのならば早速食べてみないわけにはいかない。というわけで一先ず日陰である小屋に安置するのだ。
しかし、小屋はもぬけの殻であった。
「いったい···どういう事だ?」
そう呟き、小屋を出ると
「中にゃ居なかったんだろ?図星か。そう言うと思って周りを探ってみたがぁ、気配も何もねぇぜ?そのクラウエって奴ぁテメェを見捨ててもう帰ったんじゃねぇのか?」
気配も何もない······?アダムの言う気配というものには人以外の動物も含まれているのだろうが、クラウエだけでなく其れらまで居ないというのはおかしい。この森の生態系はとても優れており動物に遭遇する隔離も凄く高い筈である。
そもそと考えてみればここへ来る道中、いや、昨晩───現在は早朝───化物と遭遇する前に見かけた鹿以来鳴き声1つ聞いていない。
「アダムさん、何か思い当たる事ってありますか?」
「あぁ、ここら広範囲一帯、昨日の獣の臭いがとても濃い。たぶん小便ふっかけて縄張りってのでも形成してんだろうよ」
この場に化物のマーキングだと?つまり此処にアレが来たという事か。と、なるとクラウエが居ないという事に説明がつく。
その1、どうにかして化物から逃げのびた。
その2、考えたくもないが、化物に食べられた。
だが後者だったならば必ず跡が残る筈である。
確かアダムは鼻がとても良いのだそうだ。なので
「この周辺······いえ、この森一帯で血の臭いは感じられますか?」
「血の臭いならテメェとあの獣、そんで沢山の場所から臭ってくる。あの獣に食われた奴らだろうよ」
となるとクラウエの生存は絶望的である。身を以て味わったがあの化物は相当強い。ましてや森中の動物を食い散らかして尚あの強さなのだ。格闘派のクラウエでも無傷では済ままい。化物が複数いると考える事も出来るがそんな事は考えたくもない。
そもそも小屋の中が空っぽなのが気になる。元々置いてある道具等はあったが、クラウエの持っていたであろう得物、ましてや獲物が無い。クラウエが到着せずして化物に遭遇したか、はたまた本当に置いて帰ったのか。
「クラウエは······あっ、もしかしたら実は昨晩は小屋の中で化物から身を隠して、日が登ってから帰りがてらボクを探しに出て、入れ替わりに───」
「うっせぇな、小屋からは火の臭いがしねぇんだよ。それより、それらしいもんを見付けた。着いてこい。」
そう言い、アダムはズシズシと歩いて来た方向へ歩いて行く。
暫く進むと
「これぁ、見覚えあるか?小僧」
と、木々の影に落ちていた赤く血塗られた槍と籠を拾い上げるアダム。
「く、クラウエの持っていた物です······」
「だぁが、よく見てみろ。ここに血痕は無ぇ。逃げるとしても武器を置いて逃げるってのぁ素人のする事だ。となると...テメェも気付いてんだろ?こういう展開に属するテンプレってのがよぉ」
アダムがルベルクスへ睨みを効かしながらそう述べる。
しかしルベルクスは首を横に振るだけである。それに対しアダムは
「受け入れられねぇんなら······よし、全力で掴まっとけよ」
とルベルクスを抱き上げ屈む。そして力一杯両足で踏み込み大ジャンプする。
「うわああああああああああああああああ!!!」
ルベルクスの叫びが木霊する。しかしそれも一瞬のこと。アダムが小クレーターを作りながら着地する。
「ほら、昨日の獣だ。見覚えはあるな?」
そう述べるアダム。足元には上半身と下半身の分たれたクラウエの姿があった。
「クラウエ······どうしてこんな姿に。どうしてあんな化物に······。どうしてっ!俺を襲ったんだ······!」
「ようやく受け入れたか小僧。こういった獣に変身する人種ってのぁ聞いたこたぁねぇが、こういう話はイヴから聞いた事がある。ウルフヘッド。普段は普通の人間として暮らし、満月の夜になると狼に変身して好き放題に喰い散らかす。初めて見たが、まさかテメェの友人だとぁな。」
「クラウエは······そんな筈はありません。何年も共に過ごして来ましたが、そんな素振りは1つも見せた事がありません。」
「んなこたぁ言ったってなぁ、目の前のそれが状況証拠だっつってんだろ?ま、その件は終わったんだ。さっさと肉食わせねぇと殺すぞ?」
戸惑うルベルクスに殺気を放つアダム。
「こいつは······やはり悪魔だ。」そう、心の底で思うルベルクスであった。




