第六話 ファーストコンタクト6
細かく書いて掲載する事にします
よって、投稿速度が地味に加速装置しますブーン
ズシン······ズシン······ドスンッ
「ほらよっ、食え」
アダムが鴇色の直径4メートルもあろう巨大な塊を担いで戻ってくるなりそう口に出す。弾力性があるのか少しボヨンボヨンしている。
「あ、あの〜。これ、この物体はなんなんでしょう?」
「あ?何だってどう見たって肉だろ?はっは〜ん、小僧てめぇ肉を食った事も無いボンボンなんだろ。まぁいいさ、テメェらは昔から肉が好きだってイヴに聞いたからな、遠慮なく食らえ」
アダムはこれを肉塊だと述べる。肉だとしてもどう見ても生肉である。もし焼こうとも大きすぎてローストビーフの様な感じになるだろう。それは流石にエグいというものがある。そもそも床に置いた物を客人に食らえというのは相手を王族と奴隷の関係の様に見ているとも取れる。殺せる側と殺される側の関係としては成り立っているが王族の持つ高貴的なオーラはアダムから感じ取る事は出来ない。感じ取れるのは主人がペットの犬に餌を与える雰囲気だ。
「調理器具はどちらにあるのでしょうか」
「調理器具?んあぁ、それならイヴが自室ってのに持ち込んでたな。だがその部屋はちょうど今ドアがびくともしねぇんだ、その調理器具ってのは諦めろ。」
アダムが窶れたようなポーズを取ってそう答える。口ぶりからしてアダムは調理器具という物を知らないらしい。もしかしたら調理というものそのものを知らないのかもしれない。
「で、では何か火になる物はありませんか?」
「おぉ、火炎放射器ならあるぞ。少しまってろ」
そう言いアダムは建物の奥へ去って行く。
その大きな部屋に佇むのは若い青年と緑の液体の入った大きなカプセルと巨大な肉塊だけである。
すると、通路の先からコツコツと足音が聞こえてくる。今のところこの館内にある物は全て大きく作られている。またそんな物をアダムが持ち歩いて来るのだとすれば足音がコツコツ程度で済む筈がない。そもそもこの館そのものがとても大きい。こんな所にアダム1人だけが住んでいるというのも考えものである。つまり、この足音はアダム以外の誰かのものだと推理するルベルクス。
「アダムは媚び諂いさえすれば滅多に殺しに来たりはしない、そう考えたのでしょう?」
ウイスタリアの瞳にシャトルーズグリーンの髪、そしてその整った顔立ちに似合わない小さな容姿を持つ少女、が突如ルベルクスへ問い掛ける。
「それは彼だけが例外なのだと、そう仰るつもりなのでしょうが、ああいう人間に媚び諂うのは普通の事だと思いますが?それと、はじめましてボクの名前はルベルクス、貴女はアダムさんの言っていた博士さんかイヴさんのどちらか······ですよね?」
「ええ、私はイヴよ。私を博士と間違える辺り、どうやらエデンとは関係の無い部外者のようね。私達2人以外に生きている人類種が本当に居たというのはとても驚きだけれど、ここに来た目的は何?食べ物?道具?寿命?はたまた技術?残念だけれど後者は無理ね。なんたって博士は数年前に亡くなったのだもの。」
彼女の言う事もまたアダムの時と同じ様に理解が難しい。だが、アダムの時よりかは得られるものがある。
1つ、目の前にいる少女こそがアダムの自慢しているイヴだということ。
2つ、イヴはアダムと2人だけしか人間が存在しないと勘違いしている。
3つ、博士という人物は既に死んでしまっているということ。
4つ、アダムとイヴと博士はエデンという何かの関係者らしい。
5つ、イヴは可愛い。
エデンという単語自体は聞いた事がある。確か昔アダムという原初の人間とイヴというアダムのクローンが住んでいたという神々の楽園だ。
アダムという人間はとても愚かだったが故に神にイヴと共にエデンの園から追放されたと耳にした事がある。もしや、先程から出逢う二人は原初のこの2人なのではなかろうか。
「何ぼ〜っとしてるの?さぁ答えなさい、貴方の目的は何?可能な限りは応えるから、それが終わり次第どこか遠くへ行きなさい。いくら媚び諂っても、結局はこの惑星にいる限りアダムに殺されるのが運命になるわ。」
惑星から逃げる?そんな事出来るわけがない。ガリレオも産まれていないこの時代にロケットなんて高価な物がある筈もない。
「どうやってこの惑星から逃げ出せというのかは分かねますが、ボクはただ貴方達二人が最初の原初の人間、アダムとイヴなのではないかと考えていただけです。」
「アダムとイヴ?知ってるわ、地球の正常科学時代に一時期流行った神話の1つでしょう?私達の名前の由来にもなっているから尚更ね。···ねぇ、どうして貴方がそれを知っているの?この太陽系の文化は全てここにしか残っていない筈よ。貴方······やっぱりここの関係者だったりするの?」
イヴが謎の単語を羅列し、少し嬉ししうな目でコチラを見つめて来る。しかし金髪の頭には否定の言葉しか浮かんで来ない。
「そんな目で見つめられても、ボクは貴方方の事は初めて知りましたし、正常科学やら太陽系なんて言葉も初めて聞きました。ボクはただ森に狩りに来て化物に食べられそうになった処をアダムさんに助けてもらっただけのただの商人ですよ」
イヴはこんどは「何言ってるの?」とでも言いたそうなキョトンとした顔でルベルクスを見つめる。
「この惑星に森なんて無いし······プラズミミックは全滅している筈よ?それにこの御時世に商人だなんて······」
イヴはそう呟き出口の方へ足を進める。
「うっ、嘘...本当に、木が······。どうして?どういう事よ!夢じゃない?夢じゃないのよね!?」
イヴは興奮しているのか自身のホッペを千切れそうになるくらい抓る。しかし、次の音を聴いた途端、その表情は険しい物に変わる。
ズシンズシンズシンズシン······
間違いなくアダムの足音だ。
「不味いっ、ねぇ少年。ここで私と会って話した事はアイツには内緒にして。もし聞かれたら事実を一部だけ伝えるのがコツよ。」
そう言い残し、イヴはそのまま出口から外へ飛び出して行く。
物音の少ない館内にはアダムの五月蝿い足音だけが響き渡る。
「なぁ小僧、さっきと雰囲気が違ぇんだが何かあったのか?」
アダムが戻って来るなりそう問いただす。
「ええ、先程可愛らしい少女が走り去って行ったので」
「やっぱりイヴか。それにしても小僧にもイヴの可愛さが分かるのかぁ、だがな、イヴに言い寄るってなら話は別だぜ?アレは俺様の許嫁だ。もし奪いたくなったら力づくで奪うんだな小僧。まぁ勝てるはずも無いがな、ガッハッハッハ」
そうして夜は更けてゆく。
早く近代編が書きたい書きたい書きたい......




