第五話 ファーストコンタクト5
タイトルって意外と考えるの辛
時を止めたい
「では問題です!」
「テテンっ!」
アダムがノリで効果音を付与する。
「今のローマ皇帝は誰でしょうか」
「ピンポン!これは昔イヴに聴いた事があらぁ!答えはナポリタンだ!」
「ブッブー」
「殺すぞ!」
「ひっ、せ、正解は、今は誰も皇帝ではありません、でした!」
「殺すぞ!」
「ひっ!命だけはご勘弁をアダム様!」
てっきり様付けが様になっている。
「今のクイズバラエティでも答えが何もありませんつったぁお蔵入りもんだろクソが」
「そ、そんな事は仰らずに······ですが実際に今は先代が亡くなって皇帝は不在となっています。」
「で?それがどうしたってんだよ」
「近頃気温の低下により食物の取れがあまり芳しく無いのです。そこに皇帝の不在が重なったとあれば街は少しばかし荒んでしまいます。なので商人であるボクも食べ物が無ければ商売あがったりでして、副業として森へ狩りにやって来たのですが、というのが先程の質問に対する回答です。あの〜、質問に答えたので殺さないで戴けますよね?」
少し不安な顔をしてアダムに小さくウィンクする金髪。それに対しアダムは
「あぁ上出来だ。雑魚い割には頭良いんだなぁ小僧。いいぜ、気に入ったぁ、嘘の見抜き方を教えてやろう。つってもよぉ、さっき副業って言ったな?商いってのぁ副業はリストラもんじゃあなかったか?」
「いえいえ、ボクが働いているのは自営業の小店ですよ。それに副業禁止なんてものはケチでブラックな財閥くらいしかやっていませんよ。アダム様の云う頭の良い人間というものがそんな処に好き好んで入るとお思いになられますか?」
「いいや、頭の良い奴程ブラックホールに吸い込まれる。所詮頭脳が良い人間は頭脳の悪い人間に食い潰されるだけだ。死んだ博士も言ってたぜ。『俺はあのクソ野郎共の尻拭いをさせられてるだけだ』ってな。だがイヴは違う。アイツは他の連中よりも頭が良かったが、誰にも食い潰される事は無かった。まぁそこが俺様が惚れ込んだところの1つなんだがな」
アダムが鼻の下をさする。髭のせいでジョリジョリと効果音を立てている。
「あの、アダム様、実は先程からずーっと気になっていたのですが。」
「あん?質問なら俺様が答えられる範囲に絞れよ?」
鼻下をさする手を止め、腕を組み直すアダム。
「イヴさん、というのはどちら様なので······」
グゥ〜〜〜
腹の虫がシンとした館内に空腹の報を知らせる。
※このお話はフィクションです。実在の団体や組織とは何ら関係はありません。




