第四話 ファーストコンタクト4
更新が遅くて申し訳ございません、どうか第二章までお付き合いくださいませ
「要するに、アダムさんは火星という世界にいたのに気が付くとお家ごとこの森に移動させられていたと。」
「おうよ、そんで様子見で歩いてっとテメェのヘルプが聞こえたんでなぁ。」
金髪の青年と赤髪のオッサンが食卓テーブルの様な台を挟んで会話している。傍から見れば、蛇が蛙を弄んでいるように感じられるだろうが周囲には人の気配すらない。アナコンダがニマニマと笑みを浮かべながら内心で不安がっているアマガエルを睨みつける。この2匹に共通点があるとすれば、どちらもヒューマンであるという事とその右手に緑色の液体の入ったマグカップを持っているということである。
「その節は本当にありがとうございます。貴方が居なければボクは今頃あの化物のお腹の中で死んでしまっていたでしょう。ところでこの緑の水はいったい何なのでしょう?」
「ふん、やっと謝礼を言えたか小僧。テメェの言う通り俺様がいなけりゃテメェは今頃あのヘンテコに殺されてただろうよ。それに俺様でなけりゃヘンテコから生き延びても出血で死んでただろうな。」
「た、確かにボクはあの時背中と脚に深い傷を負っていた筈なのにどうやって······貴方様はもしかして神の遣い······なのでしょうか?」
青年は脚を擦りながらアダムに恐る恐る尋ねる。
「神ぃ?なぁんだテメェ神ってのを信じちゃってる口かよはっはは笑えるなぁ。······いいかテメェ、神ってぇのは只のまやかしなんだよ。正体は宇宙人だったり古代人だったり、はたまた突然変異したただの人間だったりすんだ。その証拠に人類種が最後のたった2匹になっちまっても神の助けなんかこれっぽっちも見た事が無ぇ。象とか蛇を神扱いしてる人間も昔はいたってイヴが言ってたが、所詮は人間様よりか弱い下等種だ。人間を何人殺そうと見逃されて来たのに、いざ信仰されなくなると逆に人間に成す術なく絶滅させられちまうんだからなぁ。イヴは、人間は神を信仰する事に意味があるって言ってたが俺様にゃんな事は理解出来ん。土下座なんてしてる時間が勿体ねぇし、食えるもんも食わねぇなんて頭が腐ってっとしか思えねぇ。神頼みで崖を飛び降りる馬鹿もいたらしいがどうせ死ぬ直前に神の存在を否定すんだよ。例え助かったとしてもただの思い込みだ。なんせ神なんていうまやかしは存在しねぇし、存在してたとしても、そいつらが思い描くような神じゃねぇし、助けてくれる様な力なんてそもそも無い。ハッキリ言って、そんな事も分かんねぇテメェはお子ちゃま。いつまで経っても俺様のような強い個体には永劫なれやしねぇんだよ。」
青筋立てて話すアダムに怯えながら青年は、その訳の分からない話にウンウンと頷く。理解できないながらもこれ以上アダムの機嫌を損ねぬよう肯定の意を示す彼は
「分かりました!こ、これからは神という存在を信じない事に致します。なので、どうか私の傷を治したプロセスを教えてくだされば嬉しいなぁと思うのですが···それとこの緑の水は何なのでしょうか······」
と切り出す。
そんな彼の応答にアダムは少し機嫌をよくしたのか、マグカップの液体を一口で飲み干し彼の質問に答える。
「そりゃあ簡単だ。気絶したテメェをヒールカプセルにぶち込んで癒してやったんだよ。せっかく発見した第一村人を話しもせずにミスミス見殺して見逃しちまえば、イヴに怒られるからなぁ。そんで、コップの水はまんまテメェの入ってたカプセルの水だ。」
「あ、あのぉ、そのヒールカプセルっていうのは何なんでしょうか?それと、この緑色の水は飲んで平気な物なんですか?」
「ヒールカプセルってのぁイヴがたまに使ってる人体再生装置ってやつだ。あいつぁ俺様より性能が低いからな、怪我したらコレ使わねぇと再生が遅せぇんだってよ。んで、その再生効果を出すのがこの緑色ってわけだ。理解できっか?」
「は、はぁ。理解しました。要するにあのジンタイサイセイソウチという箱の緑色を使うと怪我が無かった事になるということですね?」
やはり分からないが自己の体験を元に、それらしい応答を口に出す。
「ほう、理解したのか······嘘だな?」
アダムが少し訝しげな表情をし、そう彼の声に応える。
「え、え?嘘なんかじゃありません、よ?わ、私は貴方様の説明でキッチリと理解致しましたよ」
「それも嘘だな。テメェは知らねぇだろうが、俺様は相手の嘘を見破る術をスキャンされてんだ。さっきも1回嘘を言ったよな?困惑の末の苦し紛れの嘘だったんだろうが、仏を信じねぇ俺様の顔は2度までだ。一回目は様子見ってことで笑って見逃したが、こうも何度も俺様に対して嘘を吐くたぁ身の程知らずにも程があるって事なんだよぉ。そんじゃ、テメェ殺すからその前にテメェの事を話せ。俺様の事情ばっか話すのぁ不公平ってもんだぜ小僧。」
「え、あ、は、はい!確かに私目の事は何も話してませんでしたね!それにしても嘘を見破れるなんてアダム様は凄い方ですね!神を畏れぬその姿勢、貴方様は神をも凌ぐ凄いお方なのですね!ど、どうか私の知ってる事は全て話すのでこのか弱い私目の命だけはどうか救っては戴けないでしょうかアダム様!オマケに嘘の見破り方もレクチャーしてください、お願いします!!」
脳内が警鐘で満たされた彼は必死になってアダムを宥めようと口を開く。世に言う豚もおだてりゃ木に登る作戦だ。ウルフヘッドに一度襲われたことのある彼は、今回はあの時よりも思考できる猶予が長い事を直感で理解していた。なのでウルフヘッドの時のようなヘマはしないように作戦を立てて実行に移す。その証拠に嘘破りのレクチャーさえ申し込むお茶目さが見られる。
「ふん、ようやく俺様の偉大さを理解したようだな小僧。だが、赦すかどうかは話が別だ。テメェが話す内容の中に俺様にとって有用な情報があったら助けてやろうじゃねぇか。」
彼はホッと息をつく。「アダムは凄い」と「神をも凌ぐ凄いお方」という部分を嘘だと言われる可能性があったからだ。実際のところ「アダムはヤバイ」と「神をも凌ぐ化物」というのが本音だったのだから。
恐らく本音を別の言葉に置き換えて言うのであれば嘘にはならないのだろう、と彼は結論づける。
「ありがとうございます!それでは精一杯話させていただきます!では、
まずは、ボクの名前はルベルクス。そして、ここはローマ帝国となります。」
最近語彙力が低下してしまっているんです、というより脳の縮小なんですかねぇ...
一先ず、そういう点も兼ねて用事が嵩みます故に次回投稿まで一週間空けちゃいます、すみません...




