第八話 異端 1
西暦275年11月、ローマは突発的な異常現象に見舞われていた────
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森から抜け出てくる二人の男性の姿がある。
片方は悪魔の様な真紅の髪の大男、もう片方は街で人気の青年ルベルクス。
そして彼の腕の中には彼の友人であろうクラウエの無惨な亡骸があった。
「何なんですかあのカーテンみたいなのは!」
「ありゃあオーロラってやつだな、久々に見たがこんな寒くもねぇ場所で見んのは初めてだな」
二人は上空を見るなりそう口に出す。そこには美しい緑や赤の色を纏ったプラズマが光り輝いていた。
すると、街の方から一人の見かけない女性が駆け寄って来る。
「おーい!ルベルクス!無事だったのか!」
彼女は小走りしながら見かけに沿わない口調でそう問い掛ける。
「ん?誰だい君は······って、もしかしてアレクなのか!?どうして女装なんてしてんだ!」
その女性に幼馴染の面影を感じそう返す。
それに彼女は少しムッとし、
「女装なんかじゃねぇよ!本当に女になっちまってんだよ!」
「何言ってんだ!そんな事有り得るわけ···」
そう言いかけたルベルクスの頭には昨晩から現在に至る不思議体験が浮かべられ一概に否定出来なくなる。
「って、おおい。ど、どうしてクラウエが······説明しろルベルクス!」
そう言いアレクはルベルクスに掴みかかる。昨日まで話していた友人が上下に千切れているのだ、説明を求めるのは当然の摂理だ。
「これは······かくかくしかじかなんだ」
「何!?クラウエが化物になってお前を襲っただ!?嘘つくならもっとマトモな嘘をつけ!」
「嘘なんかじゃない!俺がそんな事を言うような奴だと、そう思ってるのかお前は!」
ルベルクスの説明を嘘だと宣うアレクに怒るルベルクス。そして少しの沈黙が続く。
「小僧共、そんな過ぎたこたぁほっといて今は先にする事があんじゃねぇのか?」
沈黙を破ったアダムの顔には呆れの表情が映る。それを耳にしたアレクが
「アンタもアンタだ、人の友人を殺めておいてよくもまぁノウノウと生きてられるもんだな!もっと気に病んだりしたらどうなんだ!」
「あぁん?俺様にキレるのは筋違いってもんだぜ?小僧、テメェは俺様がコイツの友人を殺したっつったな?勘違いしてるようだが、俺様が殺したのは獣クセぇ犬だ。それに、助けてくれっつったのぁこの小僧だぜ?ならコイツを責めるべきだろ、それともなにか、2人とも失いたかったとでも言いてぇのかテメェは」
「ま、まぁまぁ、2人とも落ち着いてください。ここはアダムさんの言う通り現状把握に努めるべきです。アレクも早く心を鎮めなさい、これ以上アダムさんにつっかかるとこの様になってしまいますよ!」
剣呑な雰囲気を感じ取ったルベルクスが腕の中のクラウエを見せながらそう言う。
すると、多少の冷静を取り戻したのか女性版アレクは己の拳を握りしめ俯く。
「分かった、一旦この話は保留にしよう。悪かったなアダムさん、俺もちょっと頭に血が登ってた。」
「なぁに気にすんな、それよりテメェ男から女になったっつったな?ちょっとそこから聞かせろや」
「分かった、だが先に街の混乱を止めたい。ルベルクス、協力してくれるよな?」
そうして2人プラス1人は街の鎮静化を始めるのであった。




