第71話 神在月1
高等部中等部の体育祭が終われば、涼しい風も吹き始め、秋アニメの始まる十月が到来する。
世間一般では十月を神無月と呼んだりもしている。それは、日本中の神々が島根県へ大集合するからだ。ところで、逆に神々が集まった島根県ではこの月をしばしば"神在月"と呼ぶ。
この神在月は日本の旧暦における十月を指しているのであり、現代の暦に置き換えると十一月中旬を指し示す。然れど今作ではそんなのお構い無しに十月神在月を実施す。
「というプロローグです」
廊下を歩みながら、左隣を歩く稜葵にそんな事を話す。すると稜葵は、「ちなみに、静かに過ごさなければならない月、ですね」と付け加えてくる。
「ところでですが、綾ちゃんは、神を信じますか?」
稜葵がそんな質問を投げかけてくる。
「えっと何?宗教勧誘ならあっちでやってどうぞ」
「茶化さないでください!それに私は無宗教です!」
「あははごめんごめん。てっても神か〜。まぁ、信じざるを得ないっていうのが世界の理なんじゃないかなーと思うんですが如何でしょう旦那」
「うむ、くるしゅうない、おもてをあげい」
「ははーっ。こちら高級芋焼酎でごぜぇますぜ旦那!」
「酒は飲めません!男でもないです!!よきにはからえ!!!」
「よきにはからえなんて言う人初めて見たよ······?」
悪ノリも引き際。
「時に、何故信じざるを得ないと思うんです?」
「そりゃまぁ、神なんてのは紀元前から、つまりアヤフヤな人類史の頃から、気が付いたらいつの間にか存在してたものでしょ?要するに神なんてのは人々にとって空気であり水であり大地のような極普通の当たり前の身近な存在なんだよ」
「ですがそれは昔のお話だと思います。科学が発展するに連れて、人々は神という存在を身近から遠くに感じていると思うんです。」
「身近から遠く?」
「はい。とある、意識の変化が原因とされています。科学崇拝という言葉をご存知ですか?」
「かがくすうはい?自然崇拝じゃなくて?アッフーリカ的な民族的なのじゃなくて?」
「自然崇拝は、自然環境イコール神ぃ!というものですよ。或る意味全ての宗教の原型となるものですね。ところ変わって科学崇拝というものは、森羅万象は数値や式で表せられるものとし、神秘学等のオカルトすら物理学等で証明できるといった、人智こそ神ぃ!というものです。念の為に布石しておきますと、仏ではないです」
「人智こそ神ぃ!ってそれ結局のところ神身近やん!」
「違うんです。その後者の神と前者の神ではニュアンスが違うんです。そう、ニュアンスが。ミーニングが!」
「そしてチューニングが!」
「謎チューニング。そういえば、昔はチューインガムなんてものがありましたねぇ······。最近使われる『神』という単語はしばしば形容詞として使われているのは勿論知ってますよね?」
「うんうん。最上級に・レベル高すぎてマジ凄いって意でしょ?」
「それが現代の神なんです。そして、偽りの神でもあります。神とは、本来どんなものだと思います?」
「本来はどんなもの?うーむ······人々を見守って時々幸運授けたりして助ける的な?」
「つまり神様に意識は?」
「ある。」
「はい神というものはそういうものなんです。動きますし、言語能力はありますし、バフ系の特殊能力も持っている、まるで人間のような存在なんです。これが科学崇拝と自然崇拝における神の違いです。」
執筆エネルギーの燃費悪くてごめんなさい




