第57話 海水浴1
「ひゃーやっぱ冷たい」
砂浜から小さく波打つ日本海へ脚を浸けてみる。
本日は稜葵に誘われて海水浴。誘ってきた本人は未だ来ていないが、私、楓夏、そしてレイの3人で現地集合で先に泳ぎ始めていたオンビーチ。水着は高級品を私がコピった物だ。私においては巨乳はもう面倒臭いのでノーマルサイズに留めてある。
もう9月中旬。よって海は非常に冷い。さらに······。
「綾ちゃん!クラゲやばいけど大丈夫なの?」
楓夏が沖から手を振りながらそう言う。
「クラゲって何?」と背中の上からレイ。つまりオンブである。
「クラゲっていうのは言うなれば海月って書く不要物かな。兎に角気持ち悪い生き物だよ」
「つまりお弁当に入ってるパセリみたいな物?」
「アレは虫除けとか色んな意義があるからね······?鉄分1位だったり最強だからねパセリ。クラゲなんて毒で人殺すし、漁業に悪影響を齎すし、ほぼほぼ水分だから食えたものでもないし」
「小式部内侍?」
「違うそうじゃない。合ってるけど違うから。それよりも。楓夏ー!ちょっとこっち来てー!」
楓夏を浜辺へ呼び寄せる。
「んー?」と言いながら上陸する楓夏。
「どうしたの?クラゲ捕まえて欲しいの?」
「ノーウェイ!」
「え?せっかく持ってきたのに。あ、ナマコもあるよ」
「捨てて!」
「もったいな······」
「捨てて。黙ってそれを海に捨てて」
「綾ちゃんってどうしてクラゲが嫌いなの?」とレイ。
「そりゃもうあのウネウネ感!毒々しく気持ち悪い触手!あんなの平気なのって男と楓夏くらいだよ!」
「私って男と同類······!?」と驚愕の楓夏。
「綾ちゃんの方が男だと思うけどなー。」
「えー?例えば?」
「テロリズムなとこ?」
「なんなの?テロリズムって単語流行ってんの?」
「ならモンゴリアンチーズ?」
「それ何てチーズ?腐ってない?」
「チーズは腐った食べ物なのでは」
「それよりも。楓夏に上陸して貰ったのは他でもない。海を洗浄するのであーる。」
「海を洗浄って、何をどうするの」
「雷を落とすのであーる」
竜王みたいに風魔法で雲を掻き集め、火魔法で着火。
「天雷!!」
チュドーン。
日本海の田舎ビーチに一閃が走る。先月なら人も沢山居ただろうけど、こんな時期違いに居るのは私達のみ。
雷が海水を分解。水素と酸素に別れ、ズドーン!!と大爆発を起こす。魔術にこんな感じの技があるのを今思い出した。
「「······。」」
「あれが魔法か〜。初めて見たよ〜」
バリアが無ければ死んでいた。いや、私個人としては死んでも無事だけれど。
それにしてもマイペースなレイ。水着に着替えてからいっこうに私の背中から離れない。
すると、ブロロロロと不自然な音が海岸に響き渡る。
何の音だろうかと見回すと、上空に一機のヘリコプターが。そのヘリコプターのドアが開き、
「綾ちゃーん!何してるんですかー!」と稜葵がドレスで登場。
「えっ。何故ヘリコプター······」とイアゼウスパスで稜葵に通話を繋げる。
『え?ヘリコプターより飛行機の方がお好みでした?』
「いやいや、そういう問題でなく······」
『確かに太平洋を渡るなら飛行機の方が良かったですね······。』
「太平洋?ん?何の話を?海水浴をするって話では?」
『あれ?言ってませんでしたっけ?私の私有地、つまり南国リゾートで海水浴するのですよ?』
「えっと、つまり?」
『早く片付けてください』
スピードが······




