第47話 虹の死界5
本格活動は来年ですので······後々リライトするのでちょっと簡素化しますね······
「ちょっ!アホ神!?どこにいんの!ってよりも今の何!!」
「あっ!その声は戸室綾ちゃんじゃないですか!どうして君がそこにいるのか知らないけど、実は私が創ったオーディーンちゃんが暴走しちゃったのよー!」
アホ神の声は私のいる雲海よりも遥か上から響くように聴こえる。
「オーディーン!?えっと、つまりあのオデン!?」
「そうそう。暇潰しで丁寧工夫して創ったら、まさか暴れちゃうだなんてね······。だから壊れない程度に止めて欲しいなー」
「止めてって言われても······オデンって、神じゃん?」
「大丈夫だって!神道術と肉体操作が使えるんだから平気だよ!」
アホ神は私がオデンを倒せると思っているらしい。肉体操作というのがTPO能力のことだっていうのは分かるけど、生産増幅の能力って神道術って言うんだね初めて知った。
それにしても神道術か······神って付いてるし、なんかオデンでも倒せそうかも!
「わかった!やれる事はやってみるよ!」
「気をつけて!そろそろ来るよ!」
アホ神の言う通り、上方から鎧を身に付けた老人······が獣みたいに降下してくる。
「それじゃあ、筋肉増強、スピード加速!」
オデンがアホみたいに私目掛けて落ちて来るので正面から受けて立つ。ってことでジャンプして突撃。
しかし、オデンと衝突する寸前、オデンが急加速して私は準備が取れずに頭突きという形での攻撃になってしまう。
ゴイーン。
衝撃でこちらはそのまま雲へ高速落下。ふかふか雲のお陰で落下ダメージは少ないが、頭突きのダメージがかなり痛い。頭を摩ると血で濡れていた。
上空を見てみると、オデンが空中浮遊してこちらを見下ろしている。見るからにダメージ無し。
「え!?ちょっと待って、オデン強すぎでしょ!?」
となれば此方は全身全霊で挑まなくてはならない。
現在の私の能力範囲は私を中心とした半径9メートル範囲だ。
しかし、半径の中心を"ずらせる"としたらどうだろうか。例えるならば、電気の磁場だ。磁場は銅線を中心に発生するが、特定の要因が起こると磁場の大きさはそのままで中心である銅線からずれる。つまりそういうことだ。
ずらせるのは、範囲から私が出るギリギリまでであるが、ほぼほぼ計18メートルという今までの比にならない距離を無駄なく使えるようになる。
「それじゃあ、小手調べからかな。······ウォーターカッター!!」
ウォーターカッターとは、ただただ水をカッターみたいに飛ばすわけではない。水圧で対象を削り切るというものだ。端的に言えば理科の地学で習う浸食みたいなもの。アメリカ大陸にあるグランドキャニオンという高低差数百メートルもある、かの渓谷は全て川による浸食という名の水圧で削り切られて出来たものだ。
ウォーターカッターは水魔法又は水魔術のイドロディービレを私なりにアレンジしたものだ。科学サイドから見るとウォーターカッターというものは、水だけ飛ばすよりも砂とかの粒子を混ぜた砂塵効果?というものがあるのでイドロディービレは弱いのだ。よって、私は砂塵にダイヤをきようする。これで威力は、じゅうにぶんに高い。
それに加え私は能力の関係上、圧力操作が可能なのだ。竜王戦で最初に使った青鉄のようにウォーターカッターの圧力を数倍にも引き上げる。
そしてダイヤ砂塵の高圧水を18メートルの範囲で超加速して放つ。
オデンは身動き一つせずに正面からウォーターカッターを受ける。ウォーターカッターはオデンに当たると同時に蒸発し、オデン周辺を白く覆い、視界不良にする。
「やったか!?あ······いやこれフラグやん」
白い煙の中からオデンがその鎧から光沢を放ちながら姿を現す。────無傷なまま。
こちらが1回攻撃すれば次は相手の攻撃ターンというのはよくあることである。しかしながら相手は仮にも神だ。まあ何がどうあれ相手に行動させないのは得策である。
紡ぐは金属、四本の鎖鎌。作った途端回転させながらオデンへ飛ばす。
クルクル回る鎖鎌は中空にいるオデンに見事に巻き付く。オマケに紡ぐは万能鎖、かなり長い鎖。これは片側を左手で掴み、もう片方をオデンに巻き付ける。
そのままこちらも飛び、鎖の巻き付きに合わせて反時計回りでオデンへ近付く。
回転に合わせて右掌に周囲の空気を集約する。これは、圧力操作を使った簡易的に究極風魔法を模したものだ。
左手に持つ鎖がオデンに巻き付く毎にこちらもオデンへ近付く。そして、鎖がオデンを巻き付ききる時、
「アーリア・エンペラトーレ!!」
ゼロ距離で究極魔法を放つ。一瞬光が発し、反動と爆風でそのまま私は吹き飛び、ボフンボフンと雲の上を跳ね転がる。
「はあ、はあ······。一騎当千の究極魔法······流石にオデンでもキツいでしょこれは────」
突如、一筋の光が空へ伸びる。
発生元はオーディーン。そしてその右手に掲げられる巨大な、槍。そう、必中の神槍、グングニルだ。
だがそんな事はどうでもいい。何より一番注目すべき点は────オデンが無傷だ、ということ。
もう既に現在考えうる最大の攻撃は撃ち尽くした。それでもものともしないのだから仕様がない。
「はーあ、この生ももう終わりかー。病気の時の生よりも、甲賀になった時の生よりも短いのは癪だけど、双子っていうのと能力持ちっていうのは楽しかったかな」
そういえば、アリスには無事に帰るって伝えたんだっけ。でも、それももう叶わない。やっぱり、神とハーフ亜人種では差がありすぎたのだ。
まあ、何を思おうとこのままオデンに殺されてしまうのだ。なので、どうせだから今できる可能な事をやっておこう。
「おーい!アホ神ー!!ほんとバカヤロー!!!」
遙か空へ向け、クレームを叫ぶ。
「アホはいいけど馬鹿って言うなー!」
おっと、思いもよらぬ返事が空から降って来たものだ。
返事が来たという事は私の言葉を聞いているという事だ。では、伝言でも残しておいてもらおうということで。
「アリスに────」
一閃が胸を貫く。その穴は瞬時にして拡がり、私という生命を殺すのだった。
この章では、オデン戦以降の全力戦闘までかなりのインターバルがあります




