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新延長:avenir or cmeptb  作者: 依冬×夜霧 裕
近代ジパング編
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第34話 虹の死界2

お読みくださりありがとうございますありがとうございますありがとうございます

 先手必勝と、様子見ということで水色の玉を作って飛ばしてみる。

「ウォーターボール!」

 勿論嘘である。ただの5千ケルビンの鉄球である。金属は赤から白と、加熱する毎に色が変化するが、最終的には青色となるのだ。

「ふん、そんなもので我を倒せるか!」

 ブラフがバレたのかバレてないのか、翼で風を作り、球を此方へ送り返してくる。

「うわっ、あぶっ!」

 ギリギリ回避する。私は熱に弱いのだ。フグや蛇のように自身の生成物が必ずしも自身に無害であるというわけではない。

「人類種如きが我に適う筈もなかろう!」

 頭から尾まで20メートルはあろうかという四足歩行ドラゴンはその大きな翼を用いて上空へ舞い上がる。

 私の知識では、ドラゴンは風魔法で空を飛ぶ。向こうでは、ローマギリシア帝国が既に絶滅させた事で有名だが、私としてはゲームに出て来る敵という印象が強い。

 竜王に制空権を取られた、ように思ったが、私は一つの妙案を発動する。

「出てこい、パラグライダー!」

 パラグライダーを作り出す。3年間の修行の合間に街からリーディングしてきた物はそれなりに多い。

 こちらもパラグライダーという翼で風魔法を受けて空を飛ぶ。TPO能力で羽を生やす事も出来るらしいが、子供には無茶振りである。

「むぅん、撃ち落としてくれるわ!」

 竜王が口から火焔球を打ち出してくる。だが、こちらは加速を用いて全力回避。

 紡ぐは手裏剣。回転させながらホールドする。

 私の能力は今のところ私を中心とした半径3メートルが効果範囲である。3年で2メートル伸びたのだ、修行した甲斐がある。

 回転速度を加速し、3メートルの範囲で可能な限り加速して打ち放つ。

「スプラッシュ!」

 高速の刃が竜王へ飛んでゆく。しかし、

「甘いわ!!」

 竜王が風のブレスで手裏剣を撃ち落とす。

「だったら、これならどうよ!!」

 天高く舞い上がり、パラグライダーを手放して自由加速落下。紡ぐは剣、ダイヤモンドの剣。

「遅い!!デスブラスト!!」

「ドリルウォール!」

 竜王の火風魔法による空気抵抗を錐状の土魔法で和らげる。熱で壁が溶けきりそうになったその時、私の3メートル圏内に竜王が入る。

「防ぎきっただと!?」

「砕け散れ!アイスダイヤ!!」

 斬り口を凍らせ砕き切る斬撃を発動する。どんなに硬い鱗であろうと忽ちそれはただの砕氷となる。しかし、竜王が身体を逸らしたせいか右前脚と右後脚を落とすのみにとどまる。

 勢いのまま私は地上へ着地、竜王は空中にて呻きを上げている。地に手をつき、力を込める。紡ぐは大地に広がる磁石、強力なN極。

「まだまだぁ!ノースゲート!」

「うるさい!貴様はもう終わりだ!」

 上空に暗雲が現れる。そのエネルギーは一点に集中してゆき、

「天雷!!」

 一閃の雷光が降り注ぐ。

「ぐああああああああ!!」

「クハハハハ!そのまま死に絶えるがよいわ、ノイズ娘が!」

 いや、実は死ぬ程でもない。ちょっと全身がビリビリする程度である。TPO能力を使って日頃から電気に対する訓練を積んでいたのだ。クリスバードやアリスに手伝ってもらっていたが、ただコイツの電撃魔法がちょっと強すぎただけである。

 TPO能力もそろそろこの電撃に慣れてきた。それでは仕上げにかかろう。

 天雷のおかげでノースゲートの磁場は強大なものとなっている。紡ぐはN極。私の足元にN磁石の足場を設け、N極同士の斥力に加速を用いて竜王のもとまで超躍する。

「死に絶えるのはお前だ!」

「なぬっ!?」

 アイスダイヤで2つの翼を切り落とし、竜王を地上へ落とす。最後に紡ぐは強力なS極、S極の弾丸雨。

「やられてなるものか!デスブラスト!!」

「黄泉で懺悔しな!サウスバレット!!!」


 そうして、竜王との闘いは幕を閉じた。

 竜王の遺体を確認していると、どこからともなく謎の声が聞こえた。

『くくくく、竜王を倒しただけでいい気になるなよ?小娘。』

『そうだそうだ!アイツは四天王の中でも最強なのだ!』

『!?最強······?ゑっ、竜王一番強いのにやられちゃったの!?』

「帰れ!!」

『『『さーせん!!』』』


 ふと、後ろの方を見るとアリス達がこちらへ向かって来ていた。

「お姉ちゃーん!大丈ー夫ー?」

「大丈夫だよ。それより、そっちこそ何もなかった?」

「うん、大丈夫だった。でも······竜王さんってご近所さんだったんだよね?殺してもよかったの?」

「いやね、人の家を壊したなら、それはもう犯罪者なの。それに、魚心あれば水心って言うでしょ?向こうが殺意を向けて来たなら此方も殺意を向けてあげないと。ていうか、そもそもアイツは人じゃないし。」

「うーん、まぁそれでいいかなぁ······。」

 アリスは戸室家の人間ではなかった為、生死というものに少し疎いのだろう。

「お姉ちゃんは、死んじゃったりなんか······しないよね?」

「当たり前でしょ!四天王ってのの一番強いの倒せちゃったんだから、もう怖いもの知らずだよ。」


 能力を全力で使うのも楽しいものだな。と、そう思う私であった。

5千ケルビン=およそ4千7百℃

パラグライダー=パラシュートではない

アイスダイヤ=別段ダイヤを凍らしてるわけではない

ノースゲート=北門ではないです

ノイズ娘=雑音ガール


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