第29話 転校生2
寝ぼけながら書くと所々変な部分が出来るんすね······。
Sっ気かぁ、アホと一緒に過ごしすぎたせいかな。いや、むしろ之しかない。
御手洗黒、コイツは御手洗楓夏の弟であり同時に私の幼馴染となる。いつからか私に欲情してストーカーして来たこともあった要注意人物だ。顔がなかなかイケてると人気らしいが私個人としては特にそうは思わない。
「ねぇ稜葵〜、今日転校生来るらしいんだけど知ってる?」
御手洗姉が現れた。いつの間にか御手洗弟の脳天にタンコブが出来ている。
「さぁ、私はそんな話今初めて聞きましたけど。」
「実は今朝急に決まったらしくてね?なんたって、海外のお嬢様なんだとか。」
「海外?それは珍しい事ですね。インカとアスクムは有り得ないですし、モンゴルかローマからですかね?」
「私の勘だと後者だね。お嬢様って言ったらローマってじゃん?」
「何言ってんの楓夏、モンゴル北部にもお嬢様っぽいの居そうでしょ。」
「いえいえ綾ちゃん楓夏ちゃん、お嬢様なんてものは世界中に居るものですよ。現に此処に私が居るじゃないですか。」
「天使はお嬢様に含めません!」
「それならどっちかってっと綾も金持ちだし。独身貴族だし。」
「なっ、何言うの!あんたの今の言葉で私が生涯独身になる運命になったらどうするつもりなの!」
「性行為恐怖症が何を言うか。そんなに心配ならウチの黒と付き合っとけ。」
「それは断固拒否だから。それに私は────」
キーンコーンカーンコーン。
皆が一瞬で席に着くと、教室のドアから担任のババアが出てくる。やはりアホ毛が付いているが、これが吉となるか凶となるか。
「おら糞ガキども、挨拶しないのか?」
ババアがクラスに挨拶を促してくる。やっぱコイツむかつく。
「起立、気を付け、ババアに礼。」
天木幽がやりやがった。
それに対しババアは、
「ようし、今日は転校生が来てやがんだ、さっさと入ってこいクソビッチ。」
なるほど、アホの傾向はこっちに出たか。これって悪口言い放題なんじゃあるまいか。
それにしても、今日初めて会った転校生にクソビッチとか何言ってんだよ独身四十路クソピンチが。
ガラガラ。
「初めまして!私は天野レイって言います!実はずっと前から来たかったんだけどね?いやぁ、こっちに来るのに7年もかかっちゃってね〜。それじゃあ皆よっろしく〜!」
黄丹色のボッサボサの髪をした高身長巨乳が現れる。私への当て付けなのだろうかと思う様な容姿をしているが、そんな事は今や問題ではない。今の私には肉体操作という社会的チート能力があるのだ。いつでもあの身長より高くなれるし、いつでもあの巨乳を地の底へ叩き落とせるのだ。
「おいクソビッチ、テメェの席は戸室の隣だ、さっさと座れカス。」
このババア、転校生が私の名前を知ってるわけないでしょう。と、思ってみたが、私の右隣に席がいつの間にか設けられていた。今日は全員出席。私の隣だけが空席なのであった。私が悪かったよババア。
クラスの席は縦五席が六列、そこに窓側の一番後ろに私の席という出っ張りがあって計31名であったが、本日天野が来たことにより出っ張りが少し大きくなり計32名となる。
「私、戸室綾っていうの。席替えまで宜しく。」
「いいえ、友達として宜しくしてくれませんか?」
「え?友達?別にいいけど。私ってお嬢様系とかよく関わったことないからあんまり分かんないよ?」
「綾ちゃん、私がお嬢様系だとどうしても思いたくないようですのね······。」
私の前の席の稜葵が割り込んで来る。
「稜葵は天使なんだよ、お嬢様の上位互換なんだよ!」
「それでは私が王族的立ち位置になっちゃいますけど。どちらかと言えば綾ちゃんの方が王族的なのでは?」
「いやいや、私は消えたクソ親父の事なんて知らないし。縁切っちゃってるし。」
「へぇ、戸室ちゃんは王族なんですか。」
「王族違う!私の親父は華族であって断じて王族ではない!」
「綾ちゃんなら王政復古も夢じゃないのではないでしょうか?ほら、可愛らしいですし。」
「私もそう思うよ!戸室ちゃんなら宇宙だって取れちゃうよ!」
宇宙が取れる······ポロっ、ドンガラガッシャーン。······。
キーンコーンカーンコーン。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
────昼休憩。
教室の左後角に集まって弁当を食べることになる。
「あれ?綾ちゃん弁当無いの?」
楓夏がそう訊ねてくる。
「あぁ、うん。今ダイエット期間突入してるの。」
「確かに一昨日DXお相撲さんランチ食べてましたもんね。」
「え!なにそれ美味しそう!」
思わぬ稜葵のサポートに天野が食いつく。
「カルボナーラスパゲティにデミグラスオムライス、伊勢エビフライ和風ハンバーグステーキに鹿児島県産高級黒豚のソテー、ホルモン焼きにラード超ぶっかけラーメン。当店自慢のDXお相撲さんランチ二万円です。」
「だからファミレスでそんなもの出すな!いつから高級料亭になったよ!値段当てゲームでもするつもりなの?最下位の人が全部払う的な?」
「大丈夫ですよ綾ちゃん、天野さんはお嬢様らしいではないですか。」
「お嬢様お嬢様って、ホントにお嬢様なの?日本語ペラペラだし、髪ボッサボサだし。」
「お嬢様っていうのはホントだよ?けっこうお金あるし。髪がボッサボサなのは私のスタイルで、日本語は直感だよ。」
「直感?え、天才肌的なやつ?」
「オー、イッツソーグッド。」
「いや、わけわかんないから。」
「まぁ、その事は置いておいて、戸室ちゃんって占い出来る?」
天野レイが唐突にその様な事を聞いてくる。
「ああうん少し出来るけど、それがどうしたの?」
「あっ、やっぱり!じゃあ占って占って!」
「へぇ、綾ちゃんってそんな隠し芸があったんだね。」
「楓夏ちゃん知らなかったのですか?私はいくらか前に占ってもらいましたよ?」
「え!?幼馴染がただの友達に先を越されるだなんて!こんな事あってはならん!稜葵覚悟ぉ!」
私が天野の手相を見てやってると、楓夏が稜葵をくすぐり始める。若いっていいね。
「それにしても、この手相どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ。」
「うんうん、それで内容は?」
「12歳から20歳まで八方塞がりの線がビッシリ付いてるね······。」
「だよねぇ、けっこう不幸な人生なんだよなぁ。」
「あ、でも30歳の所に開運線が付いてるね。大丈夫、希望を持って生きて!」
「ありがとう戸室ちゃん!これから私の事は気軽にレイって呼んで!」
「ああうんレイちゃん、私の事も適当に綾って呼んでもA4。」
「え?クリアファイル?」
「違う!それ幻聴!」
「そうだ、お礼として今度は私が催眠術を披露してあげるよ。」
「催眠術?あの詐欺とかに使うような?」
「いやいや、私を何だと思ってんの。五円玉をプラーンプラーンさせるやつだよ。」
「うーん、まぁ試しにやってみてよ。」
「了解、ちょっとこっち来て。」
そう言われ、レイの正面へ行ってみると、ポケットから紐に吊るされた五円玉が出てくる。
それを私の目の前で横にプラーンプラーンさせ、
「綾ちゃんはだんだん私の事が好きなる〜、綾ちゃんはだんだん私の事が好きになる〜。」
「ちょっ、タンマ!何その催眠術!クラスの皆がこっち見てニヤけてるじゃん!」
「戸室と天野、いい組み合わせだねぇ〜!ヒューヒュー!」
「おいコラ天木!アンタも1回痛い目に合わないと分かんないみたいね!」
「うっわ怖、逃げよ!」
「なぁ幽、綾ちゃんは可愛がる存在であって、弄ぶ存在じゃないんだよ?分からないかnぶひゅっ!」
天木が逃げようとしたのを一瞬引き止めた黒であったが、私の投石によって朽ちる。天木にも投げたが避けられた。
「綾ちゃんとあの2人って仲いいの?」
レイが訊ねてくる。
「いやいや、あの2人はただの腐れ縁だよ。むしろ離れたいくらい。」
「そうなんだ、よかったよ〜。私の綾ちゃんが取られるところだったよ。」
「え、何そのフラッシュ告白!友達って意味だよね?恋愛的な意味じゃないよね?」
「もちろん友達って意味でだよ。もしかして期待した?」
「もちろん期待なんてしてないよ?確かに私はホモセクシュアリティズム推しだけど、別に私自身が同性愛に進んで走るというわけじゃないからね?」
「ホモセクシュアリティズム?何それ。」
「世界中が全て同性愛で埋め尽くされろって考え。ペシミズムみたいなものだと思ってくれたらいいよ。」
「へぇ、綾ちゃんってこの世界が嫌なの?」
「特に好きってわけじゃないけど、嫌いってわけでもないかな。ただ、娯楽が多めだからちょっと惜しいなって思うだけ。」
「ふーん、変なの。」
キーンコーンカーンコーン。
授業開始五分前の呼び鈴が鳴る。
「ねぇ綾ちゃん、占いしてくれたお礼ってことで、この五円玉をプレゼントします!」
「え?ああうん、ありがとう。」
「そのうち役に立つと思うよ。」
そう言ってレイは次の授業のある音楽室へ走り去るのだった。
こんな物どこで使う機会があるものだか。
そんな事より、待ち侘びた音楽の授業!私の歌を聞けぇ!
マジでどこでどの設定言ったのか忘れちゃいますね······。




