第28話 転校生1
月曜日。それは学生や社会人にとっての地獄の曜日である。
そんな中、私だけはこの日を楽しみにしていた。七年も学校に行けなかったのだ。そりゃ楽しみにもなるというものだ。ちなみに金曜はノーカンである。
それに、先日、日曜日にイアゼウスパスを再入手して気分も良い。
そんなわけで、目が覚めてイアゼウスパスを起動、時刻を確かめる。
「8時20分!?ヤバい!遅刻するじゃん!」
昨日はアプリインストールやアカウントの再起動に追われていて、目覚ましアラームの設定を忘れていた。
これは世界の存亡がかかった恐ろしいアクシデントである。
下着だけで寝ていたのが僥倖し、制服を身体の周りに直接作り出す。食事は必要無いし、髪の寝癖も肉体操作で治せる。
カバンを持って、窓から飛び降りる。地上12階なので窓は閉めなくていいだろう。
窓から飛び降りたとして、別に着地するつもりはない。このまま風魔法と加速を駆使して学校までひとっ飛びだ。
ホントに学校まですぐだった。すると、学校の屋上に誰か立っていた。
私の方に手を振ってるように見えたので、なんとなく軽く振り返す。何なのだろうかと思ったが、それはもう過ぎたことである。
教室の窓からクラスインする。靴は履いていなかったので、着地と同時にスリッパを作って履く。私の席は一番左後ろなのでこっちからだと非常に楽であった。
イアゼウスパスで時計を確認すると、8時25分であった。登校に五分ってコレ強すぎる。
「あっ、綾ちゃん御早う御座います。イゼパ買えたんですのね、良かったものです。」
稜葵がそう話しかけてくる。イゼパというのはイアゼウスパスの略である。地域によってはイジピやらワゼプと呼ばれることもある。
「おっ!綾ちゃん!おはよ!」
御手洗双子の弟、黒も話しかけてくる。
「ああうん、2人ともおはよう。」
「なぁ綾ちゃん、新しいイゼパ買ったってほんと?ついでに俺の電話番号も追加してくれた?」
「一応追加したよ?一瞬で消したけど。」
「ガビーン。」
黒が古臭いリアクションを取りながら自身の席に戻っていく。
「綾ちゃん最近少しSっ気出てません?」
「Sっ気?無い無い。元々私ってこんなじゃなかった?」
「いいえ、昔はもうすこし優しいオーラがしてましたよ?」
しにそなので、ひとまず秘技途中切り。




